No.571
2006年6月23日
賃上げめざし「最賃デー」行動を展開
= 公務労組連絡会は「骨太の方針」にむけて要求行動を配置 =
 全労連・国民春闘共闘は23日、第2次「最賃デー」行動にとりくみ、厚生労働省・人事院前での「最賃・人勧」を一体にした要求行動をはじめ、早朝宣伝、座り込み行動などを展開しました。
 また、この行動に連動して、公務労組連絡会は、経済財政諮問会議への要求行動にとりくみ、閣議決定がねらわれる「骨太の方針」の策定に反対してたたかいました。
 「最賃デー」行動には、公務・民間あわせて800名が全国から参加しました。

「目安額」小委員会にむけて最低賃金の改善を訴える

 5月26日につづく第2次「最賃デー」は、この日からはじまる中央最低賃金審議会の地域最低賃金の「目安額」を決める小委員会にあわせて配置されたものです。
 主要駅頭での早朝宣伝にはじまり、厚生労働省前での座り込み行動、厚生労働省・人事院前要求行動、各省要請などさまざまな行動がとりくまれました。
 昼休みの厚生労働省・人事院前の要求行動では、全労連の坂内事務局長が主催者あいさつし、「わずかラーメン一杯にも満たない最低賃金は、欧米の先進国にくらべれば、恥ずべき低さだ。地域最低賃金の審議がはじまるもと、憲法でさだめる健康で文化的な生活の実現にむけて、最低賃金と公務員賃金の改善をめざしてがんばろう」と呼びかけました。
 全労連の伊藤常任幹事・調査政策局次長の情勢報告では、今年の最低賃金の動向とあわせて、人事院がねらう官民給与比較方法の見直しに触れ、「大企業と中小の賃金格差が大きいという賃金の『二重構造』を公務労働者にも持ち込み、結果的に公務員に賃下げを押しつけるのがねらいだ。公務員賃金引き下げは、最低賃金の引き下げにも連動し、賃下げの悪循環を招く」とし、この時期に、「最賃・人勧」を一体でたたかう重要性を示しました。
 その後、公務・民間を代表して5名が決意表明し、自治労連を代表して発言した大阪自治労連の重村さんは、「公務員賃金が減りつづけているなかで、『50人以上』に比較対象を下げるとさらなる賃下げは確実だ。また、人減らしで30年前の定員数まで減っている。最賃・公務員賃金引き上げのたたかいに全力上げる」と決意をのべました。
 参加者は、厚生労働省の庁舎にむけてシュプレヒコールをぶつけ、最後に、全労連大木副議長(全労連全国一般委員長)が閉会あいさつして行動を終えました。

国民に負担をせまる「骨太の方針」の策定は許さない

 昼休みの行動につづいて、公務労組連絡会として、経済財政諮問会議への要求行動にとりくみました。7月上旬にも閣議決定がねらわれている「骨太の方針」では、公務員総人件費削減などとともに、地方交付税削減、地方財政の「改革」などが議論されており、きわめて緊迫した局面をむかえています。経済財政諮問会議の事務局が入る合同庁舎前の要求行動では、公務労働者と住民に新たな負担をせまる「骨太の方針」の策定反対を訴えました。
 主催者を代表してあいさつした駒場副議長は、「消費税率の引き上げや地方交付税削減がねらわれ、国・地方の公務員総人件費のいっそうの削減が声高に叫ばれている。一方、財政健全化をすすめるべき行政減量・効率化有識者会議の宮内会長は、村上ファンドへの出資に対する国民の批判に背をむけつづけている。こうしたなか、『骨太の方針』による国民負担を許さず、公務労働者が力を合わせ、国民と手を携えてがんばろう」と訴えました。
 自治労連の林中執が情勢報告し、「今年の『骨太の方針』の柱となる『歳入歳出一体の改革』とは、大企業のために税金をつぎ込むものであり、国民にそのツケを回すための議論だ」とのべつつ、地方公務員の配置基準の見直しなどで業務の廃止・縮小をねらう問題点を明らかにしました。また、自治労連がとりくんできた自治体首長からの意見集約では、「このままでは地方は荒廃する」などの怒りが集中するもと、「こうした声を政府にぶつけ、地方切り捨てに反対する共同をつくりたい」と決意を込めてのべました。
 その後、3単産の代表が決意表明し、「県内全自治体との懇談をすすめてきた。それを土台にして、明日、自治研集会を開催し、住民のみなさんとともに学習を深める」(埼玉県職労・青木副委員長)、「貧困と社会的格差が子どもたちを直撃している。定期代が払えないために学校に行けない子どももいる。人確法廃止による給与削減、子どもの純減数を上回る教員削減に反対し、30人学級の実現をめざす」(全教・高橋中執)、「公共サービスの商品化で国民の安全・安心が破壊されている。国立大学の授業料が私立と同じになり、金がなければ大学にも行けない。求められているのは、格差拡大ではなく、国による再配分機能の強化だ」(国公労連・香月中執)など、それぞれの立場から「骨太の方針」の問題点が指摘され、たたかう決意がのべられました。
 最後に、自治労連の篠原中執のリードでシュプレヒコールをおこない、経済財政諮問会議前での行動を閉じました。
以 上