No.546
2005年10月18日
総人件費削減やめろ!雨中の行動に1000名結集
= 秋季年末闘争の第2次中央行動を展開 =
 公務労組連絡会は18日、秋季年末闘争における第2次中央行動にとりくみました。
 政府・与党が、郵政民営化関連法を成立させ、「小さな政府」にむけて公務員総人件費削減をねらうもと、中央行動では、経済財政諮問会議や総務省、財務省への要求行動を展開、雨中で開いた総決起集会で、国民総犠牲の「構造改革」阻止にむけた決意を固め合いました。
 中央行動には、全国から1,000人の仲間が参加し、奮闘しました。

「ガイアの夜明け」(テレビ東京)も公務員のたたかいに注目

 秋雨前線の活発化で、東京は終日にわたって冷たい雨がしとしとと降り続くなか、昼休みの時間帯には、各府省への要求行動がとりくまれました。
 12時過ぎからはじまった総務省への要求行動には、テレビ東京の「ガイアの夜明け」(テレビ大阪、愛知などでも放映)が取材に訪れました。公務員人件費削減が「構造改革」の軸に位置付けられるもと、公務労働者がどうたたかうのかマスコミも注目しています。
 主催者あいさつした石元議長は、まず「小泉首相の靖国参拝に抗議する」と怒りを込めてのべつつ、賃下げと「給与構造改革」の05人勧を地方に押しつけ、地方自治に介入する総務省の姿勢を糾弾するとともに、財界いいなりの「構造改革」をすすめる政府を厳しく批判しました。
 情勢報告した自治労連の田中副委員長は、郵政民営化関連法や給与法案など特別国会をめぐる動き、公務員削減を競い合う自民党・民主党の実態、住民サービスの切り捨てを許さない各地でのたたかいなどを報告し、「『小さな政府』は、結局は国民に大きな負担を求めることを公務労働者の声で住民へ訴えよう」と呼びかけました。
 決意表明では、3名の代表が宣伝カーに登壇し、「岡山県の人事委員会は、矛盾を持ちながらも、国の介入に屈服して『給与構造改革』の勧告を出した。自治体キャラバンをとりくんできたが、最後の最後までがんばりたい」(自治労連岡山県本部・妹尾委員長)、「油回収船の緊急出動、岸壁や堤防の整備などで国民の財産を守っている。なのに公務員削減がねらわれることに職場は怒っている。国民の声に応えて、命と財産を守ることこそ国の仕事だ」(国公労連全港建・伊藤副委員長)、「『構造改革』は教育も例外ではない。高校の統廃合で教育の機会が奪われている。成績主義は、チームワークを乱し、教育破壊につながることを多くの人に伝えるためがんばる」(全教・植西中執)など、給与・定員の両面からの削減をねらう政府への怒りが集中しました。

大増税反対!国民本位の予算の実現を!

 財務省前要求行動では、主催あいさつで堀口副議長は「小泉首相は来年度予算とあわせて行政のスリム化をねらい、4年間で2万8千人を削減する計画を閣議決定し、自治体でも同様に削減目標を決定しようとしている。公務労働者の生活と権利、いのちと暮らしに直結する。そのうえ、公務員の削減は公務の縮小、後退で国民に痛みをもたらし、安心・安全をそこなうものであることから断じて許せない。公務労働者の総力を結集して反撃しよう」とのべました。
 経済財政諮問会議をめぐる情勢を報告した柴田幹事は、「政府は、郵政の民営化の『本丸』から、公務員の総人件費削減の『二の丸』に攻め込もうとしている。公務リストラと総人件費削減に反対し、国家公務員の来年度予算での人員確保、地方財政確立の要求を掲げてたたかおう」とのべ、地方財政問題など地方をめぐる情勢にふれて報告しました。
 各単産の参加者からは、「法務省では5年間に700人削減され、今後5年で1,000人が減らされようとしている。これは東京の職員が全員なくなる数字だ。これでは信頼される登記業務はできない。定員削減に反対してたたかう」(国公労連全法務・空(そら)副委員長)、「自治体では市町村合併がすすみ、3000自治体が2000になろうとしている。交付税を減らして公務員の人数を減らし、人も金も削ろうとしている。安心して働け、暮らせる仕事をやっていきたい」(自治労連愛知本部・林書記次長)、「独立行政法人に移行し、中期目標に人員削減が求められている。市場化テストの導入で、民間の食い物にすることは断じて許さない」(特殊法人労連・岩井議長)などの決意がのべられました。

「小さな政府」論は国民サービス切り捨てがねらい

 内閣府・経済財政諮問会議前行動では、主催者あいさつで駒場副議長は、「政府・経済財政諮問会議は『小さな政府』と『日米軍事同盟の強化』の2つをねらっている。この流れの行き着く先には、憲法・教育基本法改悪がある」とのべ、小泉首相の暴走を厳しく批判しました。
 情勢報告で新堰事務局次長は、「『小さな政府』論は、国民向け公共サービスの切り捨てがねらいだ」とし、雇用対策、社会保障など「官」でなければできない役割があることを強調し、国民生活向上、住民福祉の充実を前面にかかげ、「全体の奉仕者にふさわしい公務労働者のたたかいを展開しよう」と訴えました。
 3人の決意表明では、「サービス残業が恒常化し、生きがい、働きがいが奪われている。甲府地裁では、公務労働者の過労自殺に7200万円の損害賠償を命じる画期的な判決がでた。暮らしを守るためにたたかっていく」(国公労連全厚生・福士書記次長)、「政府が推進する『小さな政府』は、公務員労働者、民間労働者を苦しめるだけ。埼玉県では、首切りか賃下げのどちらを選ぶというとんでもない攻撃がされている」(自治労連・埼玉県職戸谷さん)、「高校を卒業しても職がない。そのため、やむなく青年が自衛隊へ入隊する例が増えている」(日高教・加門書記長)などの実態が語られ、官民の労働者が共同してたたかう必要性が高まるもとで、ともにたたかう決意がのべられました。

「台本は財界・主役は小泉」の「構造改革」をストップしよう

〜 行動のしめくくりに日比谷野外音楽堂で総決起集会を開く 〜

 3か所での行動をおえた参加者は、日比谷野外音楽堂に集合し、小やみなく降り続く雨をはねのけて、13時すぎから総決起集会を開催しました。
 主催者を代表してあいさつした石元議長は、「政府・財界総がかりの厳しい攻撃がかけられているが、宮城県の人事委員会勧告では『給与構造見直し』の見送りを勝ち取るなど、たたかいのなかであらたな情勢も生まれている。こうした経験を確信にして、意気高くたたかおう」と訴えました。
 激励に駆けつけた全労連の熊谷議長は、「民主党の鳩山氏も、国の仕事は外交と防衛にしぼるべきとのべている。国の生存権を保障する考えはまったくない。こうしたとき、大きな国民世論を結集して攻勢的に打って出る必要がある」とのべ、全労連として、「小さな政府」にもとづく攻撃と対決し、闘争本部を確立してたたかう決意を表明しました。
 続く若井事務局長の闘争報告では、給与法案をめぐる情勢や、民主党が国公法「改正」法案を提出して公務員賃金の引き下げをねらっていることなどが報告され、「公務員総人件費削減は、80年代の臨調・行革と同じように、その先に大増税など国民への総犠牲と軍事大国化への道がある。『台本は財界、主役は小泉』の攻撃と国民と共同して対決しよう」と呼びかけました。
 また、4単産の代表による決意表明では、「不安定雇用が増大し、毎日一生懸命に職業紹介しているが、一方では職員が減らされ、職場は限界だ。労働法制の改悪がねらわれるなか、改悪攻撃に反対し、労働条件の改善めざして奮闘する」(国公労連全労働・吉野中執)、「住民の命と暮らしを切り下げる『官から民へ』の『改革』を、財界は50兆円のビッグビジネスととらえている。住民サービスを低下を許さず、拡充する運動の先頭に立ってたたかう」(自治労連・山口書記次長)、「国庫負担金制度の堅持を求める答申を中教審がまとめつつあるなど、新たな変化が生まれている。地域と結びついて運動を前進させたかつての勤評闘争に学び、成績主義に反対してたたかう。小泉首相の暴走は重大であり、戦争をする国を許さないため、父母・住民と対話を大いにすすめる」(全教・長谷川副委員長)、「郵政民営化関連法の成立強行に怒りをもって抗議する。総選挙では民営化賛成は少数であり、国民は決して支持していない。引き続き、郵政民営化に歯止めをかけるために全力をあげる」(郵産労・砂山副委員長)など、各単産の職場・地域のたたかいにも裏付けられた発言が続きました。
 集会の最後に、堀口副議長が閉会あいさつし、この日の行動が、悪天候をはねのけて1千人の参加によって成功したことをお互いに確認し、団結ガンバロウを三唱して集会を閉じました。
以 上