No.526
2005年6月20日
「一人の賃下げも許さない!」と各地で怒りの行動
= 人事院包囲行動(近畿)、学習総決起集会(長野)を開催 =
 「地域給」の引き下げなど人事院の「給与構造の見直し」に反対するたたかいが、各地で大きく盛り上がっています。
 近畿では、各地から1千名の仲間が人事院近畿事務局に詰めかけ、個人請願や人事院交渉など「包囲行動」を展開しました。また、長野でも、民間の仲間も参加して学習決起集会を開き、今後のたたかいにむけた決意を固め合いました。

近畿全域から約1,000人が参加して人事院を包囲

 近畿公務・公共関連労働組合共闘会議(近畿公務共闘)は6月16日、人事院近畿事務局への「包囲行動」を展開、行動を背景に人事院近畿事務局と交渉し、「地域給」改悪など「給与構造の見直し」の中止を求めました。
 人事院近畿事務局にほど近い西梅田公園で開かれた意思統一集会では、山村近畿公務共闘議長、植田全労連近畿ブロック議長のあいさつや行動提起を受けて、参加者は、人事院事務局へ移動し、個人請願行動をおこないました。
 この行動には約1千名が参加し、9千人以上の個人請願を提出し、一人ひとりが一言づつ要求を人事院に伝えました。
 はじめは、人事院近畿事務局も、「請願書は段ボールを出しておくから入れておいてくれ」という極めて横柄な対応でしたが、「しっかりと受け取れ!」という参加者の声で、請願書を廊下で受け取る対応に変わりました。
 個人請願と人事院交渉に並行してとりくまれた人事院前行動では、大阪労連の服部副議長が「春闘時に人事院の課長に『賃金を引き下げるならスト権を返せ』と迫った。労働基本権を取り上げながら賃金を引き下げる。これは納得できない」と、春闘交渉の模様を報告しながら、「これからも官民共同してがんばっていきたい」と決意をのべました。
 また、大阪労連民間部会の三浦部会長からは、「公務でねらわれる給与見直しは、民間では80年代からやられてきた手法だが、富士通などではすでに破綻している。公務の賃金が下がれば民間も大手を振って賃下げが強行される。最賃闘争と結合してがんばっていこう」と連帯あいさつがのべられました。
 そのあとも、各府県の代表や国公の各単組からの決意表明が続き、その後、交渉から帰ってきた中根近畿公務共闘事務局長が、交渉の概要を報告しなながら、「人事院事務局には7月以降も各府県ごとに交渉をおこなうことを確認させた。たたかいの力が少しずつだが人事院を動かしている。ねばり強くがんばろう」とのべ、最後に団結ガンバロウを三唱して決意を固め合い、行動を締めくくりました。

長野公務労組連絡会の学習決起集会に135人が参加

 長野県公務労組連絡会は6月17日夜、長野市内において「給与構造の見直し反対・学習総決起集会」を開催しました。県内から135人が参加しました。
 集会では、主催者を代表して大久保議長(長野県国公議長)があいさつし、集会に民間の仲間も参加していることを紹介し、今日の集会を出発点に地域から急速に運動をひろげることを呼びかけました。
 その後、公務労組連絡会の黒田事務局次長が「格差拡大、賃金切り下げの給与制度『改革』とどうたたかうか」と題して、人事院のねらう「見直し」の内容や、政府の「骨太の方針」など公務員総人件費削減の攻撃の動向、夏季闘争でのたたかいの重点などを報告しました。
 その後、長野県労連の黒沢議長が、「県労連として『最賃体験運動』などにもとりくんできたが、非正規労働者の賃金底上げや均等待遇の課題と、公務員賃金の課題を結合させてたたかいたい」と連帯のあいさつをしました。
 また、通信労組の代表は、NTTですすめられてきた子会社への出向による賃金の3割カットや、成果主義賃金導入の実態が報告され、「評価制度で賃金が上がることはない。賃下げははっきりしている」とのべ、ともにたたかう決意が示されました。
 公務単産を代表して、2人が決意表明し、長野県国公の須藤事務局長は、「給与構造の『見直し』に反対するとりくみでは、はじめての集会となるが、これを機会に運動を盛り上げたい。3月議会では、20地方議会で請願・陳情が採択されたが、継続審議が圧倒的であり、これからが勝負だ。一人の賃下げも許さないためがんばる」とのべ、また、自治労連・佐久市職労の小林書記長は、「『三位一体の改革』や市町村合併がすすみ、自治体は財政破綻をおこしている。『構造改革』など悪政に対する住民の怒りが公務員にむけられているとき、公務労働者としての働き方が問われている。長野の組織は小さいが、自治労連の運動と共同する仲間とともに奮闘したい」と決意表明しました。
 最後に、長野県公務労組連絡会の高村事務局長(長野高教組書記長)が、「人事院の見直しは、地方の公務員にとっては大問題だ。さらに、地域経済にも影響を与える。断固許さないため、運動を強化しよう」と閉会あいさつし、団結ガンバロウで集会を閉じました。
以 上