No.512
2005年2月1日
「給与構造の見直し」に地域から怒りの声
= 民間組合とも共同して各地で集会・デモ、学習会を開催 =
 人事院が05年勧告でねらう「給与構造の見直し」に対して、各地方公務産別組織では、昨年秋から学習会がとりくまれてきましたが、今年に入ってからも、東京をはじめとして各地で学習会が開催され、多くの仲間が参加しています。
 こうしたなか、公務労組九州ブロックでは公務・民間あわせてのべ1千名以上名が結集する「総決起行動」がとりくまれ、「地域給与」や「査定昇給」に対して、地域から怒りの声をあげました。また、青森などでは、地域共闘組織づくりがめざされています。

九州ブロック発

「地域給与はゆるさんばい!」と1,100名の仲間が総決起

 公務労組九州ブロック連絡会は1月28日、国公九州ブロック協議会と共催して「05春闘労働者総決起行動」にとりくみました。地方切り捨ての「構造改革」とも連動した公務員賃金の「地域給与」に反撃し、地域の民間労働者とともに終日行動を展開し、春闘勝利にむけてたたかう決意をアピールしました。
 朝8時からは、約50名の仲間が参加して、福岡市内の合同庁舎前で宣伝行動にとりくみ、合同庁舎に通勤する国家公務員労働者や地域の民間労働者にビラを配布して、総行動への結集を呼びかけました。
 昼休みには、人事院九州事務局も入る福岡合同庁舎前の中比恵公園で決起集会が開催され、国公、自治体、教職員、民間労働者など九州全域から700名が結集しました。
 集会は、国公九州ブロックの岩尾事務局長の司会で進行し、国公九州ブロックの三池議長が、「いまこそ、政府・財界の労働者・国民犠牲の『構造改革』、『戦争する国づくり』をやめさせるために、全労連・国民春闘会議が呼びかける『安心、平等、平和な日本社会』をめざす歴史的な春闘に総決起しよう」と主催者あいさつしました。
 続いて、集会に駆けつけた公務労組連絡会の黒田事務局次長が「いま、地域から怒りがひろがっている。『給与構造の見直し』も、『郵政民営化』も、共通するのは地域の切り捨てだ。これを許さないために九州の各地から大いにたたかい抜こう」と呼びかけ、また、福岡県労連の竹田幹事は、「05春闘は、戦後60年、春闘50年という節目に、市場原理優先の弱肉強食の社会を変革する運動を国民的にすすめる、日本の戦後史に残るたたかいが求められている。ともにがんばろう」と、参加者を激励しました。
 また、民間大企業労組、建設労働者、発注官庁の労働者が結集する福岡県生活関連公共事業推進連絡会議の恵藤議長が、「民主的な公務員労働者でなければ、公契約の運動はすすまない。公務労働者の労働関係、身分・雇用を守ることは、建設の民間労働者の雇用や労働条件を守ることにつながる」と、連帯のあいさつをおくりました。
 その後、国公九州ブロックの宮原幹事が読み上げた集会決議を大きな拍手で採択し、福岡県国公の仙道幹事のリードで、人事院九州地方事務局にむかって「地方切り捨ての『地域給』導入反対」などのシュプレヒコールをあげました。最後に、公務労組九州ブロック連絡会の梅野議長(自治労連九州ブロック)の団結ガンバロウで集会を締めくくりました。

デモ行進で博多っ子にアピール、人事院に1万筆の署名を提出

 集会後、参加者は、中比恵公園を出発し、合同庁舎から博多駅前を通ってデモ行進しました。05春闘勝利にむけて、地域の労働者の要求を結集したシュプレヒコールが、博多の街に声高く響きわたりました。
 デモと並行して、要請行動がとりくまれ、人事院九州事務局と総務省九州管区行政評価局に要請しました。人事院九州事務局には、昨年からとりくんできた「『地域給導入』等の公務員賃金制度改悪に反対する署名」の団体533筆、個人10,908筆を提出し、「給与構造の見直し」による地域間格差拡大は容認できるものではなく、春闘時期にむけてさらに要求していくことを申し入れました。
 午後2時からは博多市民センターに300人が集結し、「総括学習集会」を開催しました。学習会では、公務労組連絡会の黒田事務局次長から「05春闘のたたかいの方向と展望」と題した講演を受け、「給与構造の見直し」をはじめ、郵政民営化や「市場化テスト」、さらには憲法改悪の動きなど05春闘をめぐる情勢、たたかいの方向を学習しました。
 その後、人事院、評価局への要請の模様について、要請団代表から報告を受け、国公九ブロの岩尾事務局長から、「朝からの行動には、のべ1,100名の参加があった。行動を通して、05春闘をたたかいぬく決意を大きく示すことができた」とまとめのあいさつがあり、最後に国公九州ブロックの三池議長の団結ガンバロウで総行動を締めくくりました。

「給与構造の見直し」学習会が各地で開催される

 「給与構造の見直し」の問題点やたたかい方について理解を深めるため、地方公務産別組織では、春闘情勢の学習をあわせて学習会を開いています。1月に入ってからも、九州ブロックをはじめ、東京(20日)、茨城(22日)、青森(24日)、新潟(26日)、富山(29日)など各地で積極的に学習会がとりくまれ、多くの仲間が参加しています。
 地方公務産別組織の未結成の茨城では、茨城県労連の主催で「公務員給与制度」学習会が開かれ、また、青森では、学習会を契機にして、寒冷地手当改悪反対のたたかいの教訓をいかした「地域共闘組織」結成へ準備がはじまっています。
 また、東京の仲間は、「給与構造の見直しに関わる要求署名」を20万筆を目標にしてとりくむ意思統一をすすめています。学習を力にして、地域共闘の結成や、署名運動の推進など積極的なとりくみを呼びかけます。
以 上