No.503
2004年10月28日
労働基本権の回復求めて闘争本部が交渉
= 公務員の権利のあり方など幅広い視点での議論の必要性を確認 =
 全労連「公務員制度改革」闘争本部は26日、労働基本権問題で行革推進事務局と交渉・協議しました。
 交渉では、去る7月8日に提出した「公務員労働者の当面の労働基本権保障の具体的要求」(NetNews NO.481参照)にかかわって、今後、闘争本部との十分な議論を求めるとともに、新内閣発足のもとで関係大臣との交渉・協議の場の実現を重ねて要求しました。
 行革推進事務局側は、「考え方には乖離がある」としつつも、公務員の労働基本権のあり方をふくめた議論を、今後とも継続していくことを表明しました。


「労働基本権問題を議論する環境は整いつつある」と見解表明

 行革推進事務局との交渉・協議には、全労連闘争本部から、岩田事務局長、若井事務局次長、黒田闘争委員が出席、行革推進事務局は、公務員制度等改革室の出合次長、上谷参事官補佐ほかが対応しました。
 はじめに岩田事務局長は、「7月8日に労働基本権回復に関わる全労連の要求書を提出し、その際、話し合いを続けていきたいとの発言もあった。全労連の要求に対する現段階での検討状況や見解を示してもらいたい。また、一方では、『公務員制度改革』関連法案が検討されているが、現状について明らかにしてほしい」と質しました。
 出合次長は「関連法案は、現在、引き続き国会に提出すべく関係者との調整をすすめているところだ。推進事務局としては、実効ある改革をおこなうことが目的であり、8月に示した『骨子案』にもとづいて、今後も各府省や労働組合との協議をすすめる」とのべ、現段階での法案の検討状況を明らかにしました。
 また、労働基本権保障の要求にかかわっては、「全労連の要求とわれわれの考え方との間にはまだかなりの乖離があるのではないか。その点からすれば、議論をすすめていく段階にあると考える。結論を出したわけでもないし、方向を決めたわけでもない」との考え方が示されたことから、闘争本部側は、「これまで、公務員制度改革大綱の白紙撤回を求めてきたが、労働基本権をめぐる議論の方向は、白紙にもどった議論か?それとも、あくまで『大綱』の延長線か?」と、行革推進事務局の基本的なスタンスを質しました。
 出合次長は、「閣議決定は重いものであり、それとは無関係に議論するわけにはいかない。さらに、労働基本権回復を否定する意見は、国民の中にも与党の中でも根強くある。しかし、労働基本権の議論にフタをするようなことはしないし、公務員の労働基本権はそもそもどうあるべきなのかなど幅広い視点で話し合う必要がある。そうした議論をする環境も整いつつあるのではないかと考えている」とのべ、今後とも、全労連闘争本部と率直な話し合いを続けていく必要があることを明らかにしました。

関係大臣との交渉・協議の場の実現を重ねて求める

 こうしたやりとりの後、岩田事務局長は、9月に小泉新内閣が発足し、臨時国会が開催されている状況もふまえつつ、これまで繰り返し求めてきた関係大臣との交渉の場の実現を強く求めました。
 出合次長は、「要望は、行革担当大臣にはかねてから伝えている。大臣の政治判断となる」との現状がのべられました。
 岩田事務局長は、「行革推進事務局とも、フランクに問題点を議論できる機会をつくるべきであるし、意見のへだたりがあっても、議論することが大切だ。われわれとしても、国民の立場に立って、真の制度改革をめざしたいと考えている。重ねて、大臣との協議が実現するよう行革推進事務局としての努力を要請する」とのべ、後日、正式に文書による申し入れをおこなうことを伝えました。
 出合次長は、「大臣には、きちんと取り次ぐ」と答え、交渉・協議を閉じました。
以 上