No.499
2004年10月20日
台風迫る悪天候をついて全国から600人が結集
= 全労連「公務員制度改革」闘争本部と共同して中央行動を展開 =
 公務労組連絡会は20日、2004年秋季年末闘争における第2次の中央行動にとりくみました。中央行動では、政府・行革推進事務局が「公務員制度改革」関連法案の提出をねらうもと、労働基本権回復を求めて全労連「公務員制度改革」闘争本部とも共同して行革推進事務局前要求行動・総決起集会などを展開しました。
 また、昇格要求実現にむけた国公労連の人事院前要求行動をはじめ、各単産が国会議員要請などの独自行動にとりくみました。
 台風23号が接近し、終日にわたって雨が降り続くあいにくの天気でしたが、全国から集まった600人の参加者は、悪天候をついてそれぞれの行動で奮闘しました。


公務リストラ許さず、憲法の理念が生きる公務職場を

 昼休み時間帯には、総務省前・行革推進事務局前の要求行動、国公労連の人事院前要求行動がいっせいにとりくまれました。
 総務省前行動では、主催者を代表して駒場副議長があいさつし、「小泉内閣は、寒冷地手当改悪法の今月中の成立をねらっている。一方、総務省は、人事院の地域給与見直しに連動して、地方公務員給与のあり方を考える研究会を発足させ、本格的な議論を開始している。公務員賃金や公務員制度の改悪を許さないため奮闘しよう」と呼びかけました。
 賃金、公務員制度、公務リストラを中心とした黒田事務局次長の情勢報告の後、3名の代表が決意表明しました。発言では、「和歌山では短期間に9万名から教育基本法改悪反対署名を集約。21世紀の行方を左右するたたかいと位置づけて、憲法・教育基本法にもとづく教育をつくりあげるとりくみをすすめる」(全教・山口書記次長)、「岩手県では、寒冷地手当改悪の今年度実施を阻止し、例年どおりの支給を勝ちとった。手当改悪は生活実態を無視したものだ。これからもがんばりたい」(自治労連岩手平泉町職・吉田さん)、「独立行政法人情報通信研究機構の職員の非公務員への身分変更がねらわれている。労使の話し合いが必要であるにもかかわらず、政府の施策として一方的に強行することは許されない。国民生活を守る立場で奮闘する」(国公労連全通信・宮澤副委員長)など、公務労働者と国民の生活の後退をねらう政府・総務省の攻撃に対決してたたかう決意がのべられました。
 最後に、全教の石川副委員長が、「公務労働者は国民に奉仕する誇りと喜びを持って日夜職場で奮闘している。そこに能力・業績主義を持ち込み、差別・分断をはかることは許されない。主権者不在、政官財癒着の悪政を許さず、憲法の理念が生きる公務職場にしよう」と閉会あいさつし、行動を締めくくりました。

「改革」するのなら、まず政治家が金権腐敗政治をただせ

 全労連「公務員制度改革」闘争本部との共催でとりくんだ行革推進事務局前の行動では、主催者あいさつした生熊闘争本部副本部長(JMIU委員長)は、「嘘でかためた大量破壊兵器ではじまったのがイラク戦争であり、自衛隊の海外派兵だった。小泉構造改革も同じだ。民間でもうかる仕事を提供することに公務員制度改悪の本質がある。国民のための民主的な改革にむけて奮闘しよう」とよびかかました。
 岩田闘争本部事務局長の情勢報告では、2001年12月の「大綱」閣議決定から3年たっても法案の提出を許していない経過を説明し、また改革の要であった橋本元首相や石原元行革担当大臣の不正献金疑惑にふれ、「みずからが政官財の癒着を断ち切り、天下りを禁止すること、そして全労連との誠意ある交渉を行なうことを求める」とのべ、ILO勧告にそった公務員法の改正を求める団体署名の目標達成を呼びかけました。
 参加者からの決意表明では、「台風23号が近づいているが、自治体は土砂災害や復旧対策など現場で日夜奮闘している。愛媛では過労死まで起こっている。三位一体改革を阻止するため今こそ力を発揮していこう」(自治労連・川俣副委員長)、「世論は経済・福祉の充実が国民の願いであり、郵政の民営化を求める人はわずか2%だ。過疎化、サービスの低下など国民生活の破壊、弱者切捨てを許さず、民営化反対のたたかいを強化したい」(郵産労東京地本・吉沢書記長)、「経済産業省では一般職員の評価の試行を強行した。職場に差別、混乱を持ちこむ能力・業績主義、評価制度を断じて許さない運動を強化していく。そのため、本日、成果主義賃金の学習会を開催する」(国公労連全経済・伊波書記長)などの発言がつづきました。
 最後に国公労連の盛永副委員長が閉会あいさつをおこない、「公務員制度改革については、人事院や各関係省庁も反対している。こうした事実を行革推進事務局は真摯にうけとめるべきだ。国民の声を反映した民主的改革に切りかえるべきだ」と推進事務局にむかって訴えました。

「ILO勧告遵守署名」2万団体の目標達成を意思統一

 3か所で行動していた参加者は、日比谷野外音楽堂に集合し、依然として雨が降り続くもとで、13時過ぎからは全労連「公務員制度改革」闘争本部との共催による総決起集会が開催されました。
 山ア公務労組連絡会幹事、大西全労連女性部常任委員の2人の司会・進行によりはじまった集会では、主催者あいさつした石元議長は、「国会論戦がはじまっているが、論戦を通して、小泉新内閣と国民との対決点が浮き彫りになってきている。定率減税の廃止、消費税増税などを、憲法・教育基本法の改悪阻止とも一体でくい止めるため、国民との共同を大きくひろげよう」とのべました。
 激励に駆けつけた日本共産党の吉井英勝衆議院議員は、日歯連からの献金疑惑追及など第161回臨時国会をめぐる情勢報告をかねてあいさつし、「公務員制度改革をすすめようとするならば、みずからの献金疑惑を解明し、自民党総ぐるみの金権腐敗体質を大元から断ち切らないと、根本的な解決にはならない」とのべつつ、労働基本権回復、「天下り」禁止など民主的公務員制度の確立の重要性を強調しました。
 その後、若井事務局長がおこなった闘争報告では、賃金や「公務員制度改革」関連法案をめぐる情勢がのべられ、「ILO勧告に沿った公務員制度を作り上げるため、現在とりくみ中の団体署名の目標2万団体を何としてもやりあげなければならない」と、今後の運動前進を強調しました。
 5単産の代表による決意表明では、「小泉内閣は、新行革大綱を策定し、新たな定員削減計画の策定をめざしている。公務リストラの嵐が吹き荒れるもと、国民的な支持をひろげて運動をすすめたい」(国公労連・小田川書記長)、「地域給与削減阻止とあわせ、『三位一体改革』に反対するたたかいを住民とともにひろげる。攻勢的にたたかって前進を勝ちとりたい」(自治労連・柴田中執)、「平和を守るたたかいと教育を守るたたかいは一体のものだ。全労連運動の15年間のたたかいの歴史と経験を土台に、憲法と教育基本法を守るため奮闘する」(全教・長谷川副委員長)、「民営化の見直しが世界の流れになっている。世論調査でも賛成は少数なのに、財界の戦略として郵政民営化がねらわれている。22都道府県で民営化反対の意見書が採択されるもと、国民世論に訴えるたたかいを全力ですすめる」(郵産労・安達中執)、「小泉構造改革の本丸である郵政民営化阻止へ、ともにたたかいたい。特殊法人では、独立行政法人化から、将来は廃止や民営化がねらわれている。みなさんとともにたたかいたい」(特殊法人労連・竹内事務局長)など、各単産の重点課題にもとづいて、たたかう決意が力強くのべられました。
 最後に、堀口副議長が閉会あいさつし、「悪天候のなかを参加された全国の仲間のみなさんの奮闘に心より感謝したい。集会での意思統一をふまえ、秋年闘争勝利にむけて引き続きがんばろう」とのべ、降りしきる雨を吹き飛ばすように、参加者全員で元気よく団結ガンバロウを三唱して集会を閉じました。
 集会終了後は、参加者は、国会議員要請行動など、各単産の独自行動へと移りました。
以 上