No.497
2004年9月10日
04年人事院勧告の実施を政府が閣議決定
= 公務労組連絡会が幹事会声明を発表 =
 小泉内閣は、本日午前中にひらかれた第2回給与関係閣僚会議で、2004年勧告の取り扱い方針を議論し、勧告通りの実施を確認しました。また、その後に開かれた閣議において、勧告の実施を決定しました(参考資料1〜4参照)。
 公務労組連絡会は、8月6日に要求書を提出し、寒冷地手当改悪をおこなわないよう求めてきましたが、結果的には、使用者としての十分な検討もないまま、きわめて問題の多い寒冷地手当改悪の本年実施の閣議決定を強行しました。
 公務労組連絡会は、幹事会声明を発表し、人事院の「給与構造の基本的見直し」がすすむもとで、今後、たたかいを強化していくことを内外に明らかにしました。

2004年人勧の閣議決定に対する声明
〜 寒冷地手当改悪の強行に抗議する 〜

2004年9月10日
公務労組連絡会幹事会

1、政府は本日の閣議において、2004年人事院勧告の実施を決定した。
 今次勧告は、月例給・一時金ともに据え置きとなり、6年連続の年収減は回避されたが、一方で、年間で最高18万円もの引き下げとなる寒冷地手当の改悪が盛り込まれた。寒冷積雪地域の公務労働者の生活悪化をまねく手当改悪の勧告について、その使用者たる政府が実施を決定したことは断じて認められるものではない。

2、公務労組連絡会は、人事院勧告直後に政府に要求書を提出し、この間の交渉を通して、「勧告尊重」とする従来の立場に固執することなく、政府としての積極的な政策判断を求め、公務労働者の生活と労働条件改善にむけた使用者責任を徹底して追及してきた。
 とりわけ、寒冷地手当にかかわっては、国家公務員にとどまらず、地方公務員をはじめ勧告に準拠する公務関連労働者に直接の影響がおよび、さらには、地方交付税などの削減を通して自治体財政や地域経済にも否定的な影響をあたえることを強調し、手当改悪はおこなわないよう強く求めてきた。また、数多くの地方議会で寒冷地手当改悪に反対する決議が採択され、政府に意見書があげられていた。

3、こうしたもと、数々の矛盾や問題点を持った寒冷地手当「見直し」の内容を、政府みずからが、使用者の立場に立った十分な検討をおこなうことなく、勧告を全面的に受けいれ、今年度からの手当改悪を決定したことに断固抗議するものである。
 また、閣議決定にあたっては、「給与構造の見直し」にも沿って、地域の民間賃金水準を踏まえた地方公務員給与の見直しを地方自治体に求めることや、国家公務員に準拠した独立行政法人の給与改定、特殊法人の事業・組織形態の見直しによる給与等の「適正化」などが確認されたが、これらは政府の不当な介入・干渉であり、容認できるものではない。

4、勧告と同時期に決定された地方最低賃金の改定額では、4都県での時給2円引き上げを含め44都道府県で1円以上の改善がはかられている。1円引き上げがわずか5県にとどまった昨年と比較して、その変化はきわめて特徴的である。6年連続の「マイナス勧告」阻止が、こうした最賃改定額に反映していることは明らかであり、この点こそ、「人勧・最賃」を一体の課題にして、官民共同で築いてきた運動の貴重な到達点にほかならない。
 いま、政府・行革推進事務局は、臨時国会への「公務員制度改革」関連法案の提出をねらっている。それとも連動して、人事院がすすめる給与制度「改革」とのたたかいは、今後、1年間が正念場となる。また、本日の閣議で同時に決定された郵政事業民営化に反対するたたかいも、公務サービスと国民共有の財産を守るために全力をあげて奮闘することが求められている。
 公務労組連絡会は、引き続き、官民共同の運動を大きく前進させるとともに、「骨太方針2004」のもとで、今後ねらわれる公務職場破壊の攻撃を阻止するため、国民との共同拡大を軸にたたかいを強める決意である。
以 上