No.496 2004年9月9日 |
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勧告どおりに10日の閣議決定を予定 | |
= 04年人事院勧告の取り扱いをめぐり総務省と最終交渉 = | |
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寒冷地手当改悪の政府決定は認められない |
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総務省との交渉には、公務労組連絡会から、石元議長、若井事務局長、黒田事務局次長、柴田幹事、新堰幹事、先水幹事が出席、総務省側は、人事・恩給局総務課の酒田総括課長補佐、笹森課長補佐ほかが対応しました。 はじめに、石元議長が、「先日6日に交渉し、その際、寒冷地手当や給与構造見直しを重点にしてやりとりをしたが、納得できる内容ではなく、再検討を求めてきた。本日は、最終交渉となるが、これまでの交渉をふまえた誠意ある回答を求める」とのべ、見解をただしました。 酒田総括課長補佐は、要旨、以下のように回答しました。 【総務省回答】 @ 今年の人事院勧告は、8月6日に提出を受けて以来、各府省の間で検討をすすめてきたところだ。国の財政事情など、公務員の給与をめぐる環境はきわめてきびしいなか、総務省としては、給与関係閣僚会議等において、労働基本権の代償措置としての根幹をなす人事院勧告制度を尊重する立場で意見をのべてきた。 A その結果、明日10日に2回目の給与関係閣僚会議が開かれ、勧告通りの給与改定がなされるよう決定されるものと期待している。決定されれば、その後の閣議で、政府としての取り扱い方針が決定されるものと承知している。 B 本年の給与改定は、全体としては6年ぶりに前年の給与水準を維持する内容となった。寒冷地手当支給地域に働く職員のみなさんには、誠にきびしい内容となるが、ご理解をいただきたい。今後とも、国民の信頼に応え、公務能率と行政サービスのいっそうの向上に努めていただきたい。 回答を受けて、若井事務局長は、「寒冷地手当の改悪について、政府として決定しないように繰り返し求めてきた。示された回答は、まったくのゼロ回答であり、認められない」とのべ、あらためて見解を求めました。 酒田総括課長補佐は、「みなさんの要求はわかるし、寒冷地の生活の厳しさも理解できるが、国民の視点を無視することはできない。民間に準拠して手当を見直す必要があり、気象データという客観的な方法を使って人事院が勧告を出した。これらについて、政府として合理的と考えて、こうした結論となったものだ」とし、前回の交渉と同様に「民間準拠」にもとづく手当見直しの妥当性をのべるにとどまりました。 「給与構造見直し」は使用者としての責任ある対応を給与構造の見直しにかかわって、若井事務局長は、「人事院は、十分な労使協議もないままに、今年の勧告で報告に盛り込んだ。その勧告を尊重するというのならば、総務省がどのように対応していくのか、職員や国民に対して説明責任がある」と指摘し、また、柴田幹事は、「給与で差をつけて働く意欲が生まれるのか。民間ではすでに破綻している成果主義賃金にいきつく俸給構造の見直しだ。全体として賃下げとなり、地域に格差をつける見直しは、行政体制をつき崩すものでもある。国全体の行財政のあり方ともかかわって、給与制度の方向を検討することが必要だ。勧告尊重の立場に固執せず、使用者として真摯に検討すべき」と求めました。また、新堰幹事は、「公務員制度改革」の先取りとして導入されている公立学校での新評価制度に対して、ILO・ユネスコが日本政府に是正を勧告していることを紹介しつつ、評価制度の問題点を指摘しました。 これに対して、酒田総括課長補佐は、「今後、具体化にむけて、人事院と職員団体との間で協議することになっている。その際に、十分な議論がおこなわれるものと思われる。そのうえで、勧告が出されれば、総務省としても、みなさんと議論をしていきたい」と回答しました。 若井事務局長が、「勧告が出てから検討するというのでは、人事院に丸投げではないか。使用者責任がまったく感じられない。政府としても、重大な関心と関与が必要だ」と追及すると、「評価制度や査定昇給にはさまざまな意見があり、いろいろなことを勘案すべきと思っている。決して人事院に丸投げするのではなく、人事・恩給局として検討していかなければならないと考えるし、その過程で、みなさんとも十分に協議していく」とあらためて回答しました。 最後に石元議長が、「本日の回答は、きわめて不満なものだった。その点からも、とくに、給与構造の見直しにむけては、使用者としての誠実な交渉を要求する」とのべ、交渉を締めくくりました。 |
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以 上 |