No.470
2004年5月24日
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寒冷地手当改悪反対

民主的な行財政の確立をめざして要請行動
= 第1次中央行動の一環として経済財政諮問会議などに申し入れ =
 来年度の予算策定にむけて、その基本方向ともなる「骨太の方針」(第4弾)が現在、経済財政諮問会議で議論されています。その内容は、小泉「構造改革」路線をさらに具体化し、国民への犠牲と負担を強めるものとなっています。
 また、「官から民へ」の掛け声のもと、公務職場のいっそうの民間化にむけ、規制改革・民間解放推進会議での議論もすすめられています。
 こうしたもと、公務労組連絡会では、民主的な行財政の確立を夏季闘争の重点課題にすえつつ、そのたたかいの出発点として、21日の第1次中央行動の一環として2005年度概算要求にむけた要請行動にとりくみました。

「三位一体の改革」への地方の怒りの声を聞け

 経済財政諮問会議への要請には、自治労連から川俣副委員長、池田中執、全教の杉浦中執、国公労連の太田中執が参加し、経済財政諮問会議事務局(内閣府)の田中茂樹政策企画専門職ほかが対応しました。
 はじめに、川俣副委員長が要請の趣旨をのべ、「骨太の方針」(第4弾)にむけた検討状況などについてただしました。
 田中政策企画専門職は、「5月19日に素案(基本方針)が確認され、6月初旬に閣議決定を予定している。社会保障制度の拡充や教育現場の活性化など、基本方針に対する批判も各委員からいただき、現在、関係省庁との調整中だ。三位一体の改革については、年内に結論を得る予定だが、『骨太の方針』では、細かい制度は入らない見込みだ」とのべ、また、「諮問会議では、経済と社会保障の大枠を示すが、財務省と総務省の意見が違う部分もあり、今後、関係各方面の意見も聞きながら調整が必要だ。概算要求の取りまとめは8月で、予算編成は例年通り11月の予定だ」と今後の検討日程を明らかにしました。
 これに対して、参加者は、「今年度の地方交付税が2.9兆円も削減され、地方交付税の財源保障縮小が三位一体改革の方針となっている。これに対して、5月25日には全国知事会の決起集会が開かれるほど地方からの怒りの声は高まっている」「義務教育国庫負担金の一般財源化を、文科省は06年を目途にめざしていることは問題だ。30人学級の実現にむけて、教育予算の拡充こそ必要だ」など、地方切り捨ての「三位一体の改革」をあらためるよう求めました。
 また、社会保障制度にかかわっては、「年金制度が難しくわかりにくい。社会保障制度は、欧米の制度に比べきわめて遅れている。財源は、消費税増税でなく、国の責任で予算のなかできちんと確保すべきだ」「生活保護の切り下げ、保育予算の削減などが焦点になっているが、きちんと財源保障する提案をすべきだ」などの意見が出されました。
 経済財政諮問会議側は、「要請の趣旨は承った。経済財政諮問会議は、財政破綻をまねかないように議論をたたかわせる場であり、今後、社会保障などにかかわる議論を諮問会議のなかで引き続きやっていきたい」とのべました。
 川俣副委員長は、最後に、「指定管理者制度により民間委託された保育所では、園長も1年雇用で、その他は若い人だけで、現場に混乱がでている。こうしたなかで、公的責任でやるべきものは国や自治体が責任を持つべきである。日本の未来がかかった問題でもあり、本日の要請もふまえた検討を強く求める」と申し入れ、要請行動を終えました。

国民の生存権保障を−安易な規制緩和や民間化は反対

 規制改革・民間解放推進会議への要請には、公務労組連絡会の北村事務局次長を先頭に、自治労連の今井中執、角田専門委員、全教の新堰副委員長、国公労連の山谷中執が参加、規制改革・民間解放推進会議は、岩佐哲也企画官ほかが対応しました。
 はじめに北村事務局次長が、「本日は、最低賃金改善で中央行動を展開している。産別最低賃金の廃止にむけて厚生労働省が検討に入ろうとしているが、これは、規制改革推進に関する第3次答申を受けたもの。その点でも、規制改革・民間解放推進会議の責任は大きい」と指摘したうえ、「要請書」に対する見解を求めました。
 岩佐企画官は、「いただいた要望は、総理、担当大臣に伝えたい。規制改革会議が改組され、規制改革にむけた3年間の議論がスタートしたところだ。議論のなかでは利害関係の調整も出てくると思うが、幅広く要望をいただきながら、改革を具体化していきたい」とのべました。
 参加者は、「保育を市場にゆだねる経済改革特区は、慎重な検討を求める。安易な規制緩和、民間化は、結果的には、社会保障制度の根幹をゆがめることになる」「文部科学省は、児童・生徒への指導内容などを細かく規制している。こうした規制は見直し、現場の判断にゆだねるようにすべきだ。2学期制や株式会社参入などの規制緩和ではなく、教育内容の拡充にむけた条件整備を求める」「経済の活性化、企業の利益と公務の理念、社会保障は対立する問題だ。小泉構造改革にもとづく規制緩和路線には、社会保障制度の拡充という視点が欠けている。構造改革がすすめば、社会的弱者がもっとも影響を受けることになる。民間にゆだねるものと公務がやるべきことの選別が必要だ」と、各分野にかかわって要請しました。
 これに対して、岩佐企画官は、「これまでは民間の推進会議の形ですすめてきたが、今後は、各省庁との連携、議員との調整をはかりながらすすめる必要がある。みなさんの要望もふまえつつ、今後、情報の公開などをすすめていきたい」とのべ、最後に、北村事務局次長が、「憲法が規定する最低限度の生活を営む権利を保障するのは国の責務でもある。そうした立場をあらためて認識しながら、国民に信頼される行政・教育の確立にむけて努力するよう要請する」と強調し、要請をしめくくりました。

2004年5月21日

内閣総理大臣
 小泉 純一郎 殿
経済財政政策担当大臣
 竹中 平蔵 殿

2005年度予算概算要求にむけた申し入れ書

 小泉「構造改革」は、弱者を挫き、強者を助けるものであることが、この間の政府データからも明らかになってきています。
 私たち公務労働に携わるものは、憲法遵守を義務付けられており国民全体の奉仕者として、国民の暮らし、権利等を擁護する役割と責務を担っています。
その立場から、2005年度予算概算要求に向け、下記の要求を申し入れるものです。貴職の誠意ある対応を求めるものです。

1、「三位一体改革」の名による事実上の国の借金の地方への付回しをやめること。地方分権・地方自治確立にふさわしい税財源の移譲を行うこと。なお、地方交付税は今後とも財政調整機能・財源保障機能を有する制度として維持すること。
2、国庫補助負担金においては、国が責任を持つべきものに関しては今回の「三位一体改革」からきり離すこと。
3、義務教育費国庫負担制度は、全国的な教育水準を確保するために不可欠なものであり、制度の改変、負担金の削減を行わないこと。
4、医療、教育などの公共サービスを企業の利潤追求の場とし、社会的不平等を拡大する「規制改革」、「官製市場改革」は行わず、サービスの水準を維持・向上させること。
5、現行の保育水準・幼稚園の水準低下を招く幼保総合施設の設置は行わないこと。
6、現在と将来への不安を解消するため、社会保障制度について、国民負担の一方的強化と給付・サービスの切り下げは行わず、政府・企業が適正な負担を行うこと。
7、地域住民の生活を支えるのが国の役割であることをふまえ、公務員賃金抑制をねらった「ブロック別賃金」導入などを行わないこと。また、労使関係への介入は行わないこと。
8、社会保障財源確保を口実とする消費税の引き上げは行わないこと。

以 上


2004年5月21日

内閣総理大臣
 小泉 純一郎 殿
規制改革・民間開放推進担当大臣
 金子 一義  殿

2005年度予算概算要求にむけた申し入れ書

 小泉「構造改革」は、弱者を挫き、強者を助けるものであることが、この間の政府データからも明らかになってきています。
 私たち公務労働に携わるものは、憲法遵守を義務付けられており国民全体の奉仕者として、国民の暮らし、権利等を擁護する役割と責務を担っています。
その立場から、2005年度予算概算要求に向け、下記の要求を申し入れるものです。貴職の誠意ある対応を求めるものです。

1、住民にとってもっとも身近な行政サービスである医療、福祉、教育の民間開放・市場化は行わないこと。そのために指定管理者制度、地方独立行政法人などの安易な活用を止めること。「構造改革」特区についての調査委員会では慎重な検討を行い安易な全国展開は止めること。
2、教育を利潤追求の対象とする規制緩和、「特区」による推進を行わないこと。
3、教育水準確保のために、学校に必要な職員を配置する基準を改悪しないこと。
4、現行の保育水準・幼稚園の水準低下を招く幼保総合施設の設置は行わないこと。
5、経済格差による医療サービス提供格差を招く混合診療解禁や株式会社の病院経営開放を行わないこと。教育、福祉分野で公的団体・法人と株式会社との競争のイコールフィッティングを理由に、株式会社への助成を求める考えは撤回すること。
6、公共性を破壊する、労災保険、職業紹介等の行政サービスの民間開放は行わないこと。
7、長時間労働の助長、過労死・過労自殺の蔓延を招くホワイトカラーへの労働時間規制適用除外は行わないこと。

以 上