No.468
2004年5月21日
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「人勧・最賃」の改善求めて官民で共同行動
= 公務労組連絡会第1次中央行動に全国から1,000名が結集 =
 公務労組連絡会は21日、全労連の「最賃デー」に連動し、夏季闘争における第1次中央行動にとりくみました。
 この日は、最低賃金の引き上げ、公務員賃金の改善を求めて、公務・民間が一体となった厚生労働省・人事院への要求行動とともに、寒冷・積雪地域をふくめた全国の参加者によって、寒冷地手当改悪に反対する人事院前の要求行動を展開しました。
 また、午前中には、民主的な行財政の確立を求めて、経済財政諮問会議、規制改革・民間解放推進会議への要請行動にとりくみました。
 行動には、公務・民間ふくめて1,000名が参加しました。

生活できる最低賃金の実現を厚生労働省に要求

 季節はずれの台風が日本列島をかすめて通ったあとの東京は、「台風一過」のさわやかな青空がひろがりました。昼休みの時間帯には、厚生労働省前に民間・パートの仲間、その隣の人事院庁舎前、さらには道路を隔てた日比谷公園側の歩道には公務労組連絡会の参加者が陣取り、「人勧・最賃」の課題を一体にした共同の要求行動が開始されました。
 主催者あいさつした全労連の熊谷議長は、「7月に地域最低賃金の目安額が審議会で決定される。現状の地域最賃は最高でも700円程度にしかすぎない。これではとても生活できず、実際に、最賃体験行動で身体をこわした仲間もいる。最賃引き上げ、パートの均等待遇の実現を求めて、怒りを力にして全国各地から団結してたたかおう」と呼びかけました。
 問題提起した全労連の大木副議長(全労連全国一般委員長)は、「最賃ギリギリの労働者の生活実態を厚生労働省は直視していない。そのなかで、最賃生活体験がマスコミで取り上げられたり、自治体決議が採択されるなど、生活保護費より低い最低賃金を問題視する声がひろがっている。マイナス人勧を阻止するたたかいと一体で、『生活できる最低賃金にしよう!』の声をひろげよう」と、この時期に官民で力を合わせる重要性を強調しました。
 決意表明では、民間・公務・パートの3名の代表が宣伝カーに登壇、公務労組連絡会を代表して発言した全教の新堰副委員長は、「賃下げの悪魔のサイクルにストップをかけるため、人勧・最賃・賃金底上げを一体的にたたかってきた。教員給与では、小泉首相が主張する『ブロック別賃金』を先取りする動きもある。6年連続のマイナス勧告を許さず、寒冷地手当の改悪を阻止するため全力でがんばる」と、力強く決意表明しました。

青森県知事が総務省・人事院に出向いて寒冷地手当で要請

 全労連との「人勧・最賃」の共同行動が終わったあと、引き続いて、午後1時から公務労組連絡会の人事院前要求行動にとりくみました。
 この日の要求行動では、寒冷地手当改悪反対を中心課題に据え、当該各地域の仲間が多数参加しました。とくに、宮城はバスを貸し切って上京、大勢の仲間といっしょに手作りの雪だるまもバスに乗って、人事院前に「駆けつけ」ました。
 先水幹事の軽妙な司会でスタートした要求行動では、公務労組連絡会の石元議長が、「政府・財界一体で低賃金政策がすすめられ、その一環として、地域の公務員賃金の見直しや寒冷地手当改悪がねらわれている。人事院が地域切り捨ての小泉構造改革に荷担するのか、それとも、公務労働者の生活改善の立場に立つのか、その役割が問われている。地域の怒りの声、切実な要求を人事院に届けて手当改悪を阻止しよう」とあいさつしました。
 引き続いて、若井事務局長が闘争報告し、この間のたたかいや午前中の人事院交渉などについて報告しつつ、「当面する参議院選挙では、公務労働者の要求実現と結びつけて奮闘しよう。寒冷地手当改悪反対のたたかいでは、地域から世論を大きくひろげよう」と、「賃金改善署名」など諸行動のさらなる強化を参加者に訴えました。
 決意表明では、北海道からは、「マイナス20度以下が連日続くこともある。風呂が沸くまで夏の2倍の時間がかかり、水道管の凍結で修理費も必要だ。寒冷地手当改悪は、地域切り捨ての小泉構造改革に応えたもので許せない。改悪阻止にむけて引き続き全力でたたかう」(北海道ブロック国公・西村事務局長)、「1年間で暖房がいらないのは8月だけ。寒冷生計増嵩費としての手当の性格を否定するなら、死活問題となる。地方交付税への影響、地域経済の疲弊は重大だ。北から大きく運動をひろげ、人事院の主張を打ち破る」(北海道寒冷地手当改悪阻止連絡会・小泉副代表=自治労連)など2名が決意をのべました。
 また、「18日の集会には450人が集まり、2人の村長から『健闘に期待する』とのメッセージも届いた。県内33市町村議会で請願を採択しているが、6月議会ではさらに多くの採択をめざしたい」(長野県国公・宮澤事務局長)、「青森では県知事が総務省・人事院に出向いて、手当の改悪をしないよう要請した。全国異動がある航空局の職場では、寒冷地手当は、まさに全国的な問題だ。今後、全国から上京団をあげて人事院を追及する」(青森県国公・小倉副議長)など、地域の運動のひろがりが報告されました。
 さらに、「午前中に経済財政諮問会議に要請してきた。政府は、公務員賃金削減を国民犠牲の突破口にしている。マイナス人勧、自治体の賃金カット、そのうえの寒冷地手当改悪はとんでもない!全国の仲間と団結してたたかう」(自治労連本部・川俣副委員長)、と人事院への怒りの声が集中しました。
 これらの仲間たちの発言をうけて、国公労連・田山青年協議長のリードで人事院に怒りのシュプレヒコールをぶつけ、最後に、堀口副議長が、「寒さに凍えながら、住民の期待に応えるため日夜奮闘している公務員労働者の実態を小泉首相はわかっていない。地域の運動で中央政府を追いつめよう。人事院に対して、要求に則した賃金改善を求めて声を大きくしていこう。国民のいのちと暮らしを守るたたかいと結びつけ、大いに奮闘しよう」と閉会あいさつをのべ、人事院前の行動を閉じました。
 なお、地域代表もまじえた人事院交渉が午前中にとりくまれ、1万筆を超える人事院総裁あての寒冷地手当改悪反対署名を提出しました。
以 上