No.447
2004年2月27日
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手当改悪は許さない!全国から2000人が結集
= 寒冷地手当の改悪阻止へ札幌・仙台で総行動を展開 =
 人事院による寒冷地手当の改悪がねらわれるもと、25日に札幌集会、翌26日に仙台集会が開催され、2日間で2000人が参加する大行動がとりくまれました。
 北海道・東北など地元はもとより、全国からあつまった仲間たちは、寒風が吹き、凍えるなかをデモ行進し、寒冷地手当改悪反対を住民に訴えるとともに、共同をひろげながら攻撃をはね返す決意を固め合いました。
寒冷地手当は「いのちの手当」、道民に賛同をひろげよう
 25日に開かれた「04国民春闘勝利・寒冷地手当改悪反対!2・25札幌集会」では、参加者は、繁華街をデモ行進しながら、集会会場まで集まってきました。日が暮れると氷点下に気温が下がり、凍りついたアスファルトを踏みしめながら、手当改悪への怒りを込めてシュプレヒコールをくり返しました。
 18時30分から始まった集会では、500人の参加者を前に、佐藤北海道公務共闘議長(道国公議長)が開会あいさつし、「仙台・新潟につづく連鎖集会のスタートとなる本集会を成功させ、北海道から全国へとたたかいを大きくひろげよう」と呼びかけました。
 主催者を代表してあいさつした石元公務労組連絡会議長は、「手当改悪を小泉構造改革の一環として位置づけて、攻撃の本質を道民にひろげていく必要がある。自治体財政の悪化や賃下げがすすむもとで、このうえ寒冷地手当が改悪されれば、北海道の経済が冷え込むことは火を見るよりも明らかだ。過去のたたかいの経験を生かし、攻撃をはね返そう」と訴え、また、寒冷地手当改悪阻止北海道連絡会の山口議長(道労連議長)は、「北海道は、6.7%の失業率で不況は悪化している。民間準拠を口実とした寒冷地手当改悪は、逆に民間へも影響する。賃下げの悪循環を許さず、多くの道民に手当改悪の不当性を知らせるため、全力をあげる」と決意をのべました。
 来賓として出席した日本共産党の大橋道議会議員は、「政府は、国民への痛みに追い打ちをかけ、地方交付税の削減をねらっている。寒冷地手当が改悪されれば、交付税はさらに削減される。暮らしを守るためにも、手当の改善こそ必要という立場で、みなさんとともに全力で奮闘したい」と激励の言葉をおくりました。
 また、公務労組連絡会の岸田幹事・賃金専門委員長が「中央情勢報告」として、この間の人事院の動きや、今回の手当改悪の問題点などを簡潔にまとめて報告し、「3・5中央行動」などにむけた地方でのたたかい強化を呼びかけました。
 その後、参加の各団体がノボリ旗をもって登壇し、北海道はもとより、中央単産・単組、道外の組織などの色とりどりの旗が壇上に勢揃いしました。
 ノボリ旗をバックにして、5人が連帯の挨拶・訴えをおこないました。国公労連の山瀬副委員長は、8年前の寒冷地手当改悪の際の札幌集会の写真を拡大して参加者にしめし、「96年のたたかいもスタートは札幌からだった。その時のたたかいが、人事院の大幅な改悪を押しとどめた。手当の水準だけでなく、支給地域まで切り捨てる改悪に反対して断固たたかう」と決意をのべながら、「雪の降る街を」などの替え歌で会場を沸かせました。
 東北寒冷地手当改悪阻止対策会議の佐藤議長(岩手自治労連委員長)は、「生活切り捨ての役割を果たす人事院は、民間調査機関に成り下がったのか。東北の経済は瀕死の状態のもとで、多くの自治体から手当改悪反対の賛同を得たい」と決意表明しました。
 その他、「寒冷地手当は、冬支度に欠かせない命の手当だ。中央の官僚の思うように、手当を削らせてたまるか」(全司法道地連・本間書記長)、「灯油ドラム缶10本分、8万円の手当を勝ち取ってきたが、公務員が減らされれれば必ず影響される。道民規模のたたかいをいっしょに作り上げよう」(札幌地区労連・川原さん)、「最低賃金で生活体験したが、これが憲法で保障された文化的生活なのかと実感した。最賃引き上げにむけて奮闘する」(道労連青年協・塚本さん)など、決意あふれる発言が続きました。
 北海道公務共闘の松野事務局長が、同日午後に開かれた「北海道連絡会」の結成総会に至る経過を報告するとともに、「要請ハガキ」行動など今後のとりくみについて行動提起し、労働組合にとどまらず、幅広い結集をめざすことを呼びかけました。
 集会の最後に、公務労組連絡会の若井事務局長が閉会あいさつし、参加者は力強く団結ガンバロウを三唱し、熱気があふれるなかで集会を閉じました。
   趣向を凝らした各県のアピールには怒りと笑いが
 26日には、東北寒冷地手当改悪阻止対策会議が、「東北総行動」を展開しました。
 この日は、東北全県の仲間が仙台に結集、午後から人事院東北地方事務局交渉と個人請願行動、自治体・人事委員会、商工団体などへの申し入れにとりくみました。また、「いまなぜ寒冷地手当改悪なのか」と題して国公労連小田川書記長の講演による学習会も開かれるなど、文字通りの「総行動」となりました。
 これらの行動を経て、17時過ぎからは合同庁舎近くの「錦町公園」に地元の組合員も合流して、決起集会の会場となる仙台市民会館大ホールまでデモ行進しました。おりしも、仙台市内は、低気圧通過による冷たい突風が吹き荒れ、旗を持つのも困難なうえ、日が沈むと寒さも一段ときびしくなり、まさに、寒冷地手当改悪をねらう人事院への怒りがこみ上げてくるデモとなりました。
 18時に宮教組による「ぶちあわせ太鼓」で幕を開けた「寒冷地手当改悪阻止、04春闘勝利2.26東北総決起集会」には、会場いっぱいの1500人が集まりました。
 主催者を代表して、東北寒冷地手当改悪阻止対策会議の佐藤議長があいさつし、集会の目的と重要性をのべるともに「運動をひろげていけば、自治体・地方議会からの声が集まると確信している。暖かく安心して春をむかえるため、大きなうねりを東北から巻きおこそう」と力強く訴えました。また、公務労組連絡会の駒場副議長は、「多くの仲間の熱気を実感する。寒冷地手当改悪の自治体への悪影響は、共同がすすむ客観的な条件となっている。小泉構造改革の地方切り捨ての先鞭として寒冷地手当の改悪がある。骨太のたたかいで攻撃を阻止しよう」とのべました。
 連帯あいさつでは、宮城県生活と健康を守る会の日野事務局長から「寒冷地手当は、生活保護費の冬季加算にも連動することから、無関係ではいられない。ともにがんばりたい」と決意がのべられ、また、前日に集会を成功させたばかりの北海道からかけつけた佐藤公務共闘議長が「人事院は北海道とその他の支給地との分断をねらっている。冬をのりきる手当として、人事院は改善こそはかるべきだ。今年の勧告での改悪阻止へ、全国が一致団結してたたかおう」とエールをおくりました。
 その後、対策会議の後藤事務局長が、午後からの「総行動」の内容を報告し、あわせて、自治体・議会要請、署名行動、「3・5中央行動」など当面の行動について提起したあと、趣向を凝らした各県からの「アピール」に移りました。
 トップは、早朝にバス2台で出発した青森の仲間が各組織の旗を掲げて登壇、青森県公務共闘の谷崎事務局長のばち裁きもあざやかに、太鼓でアピールしました。秋田は、「凍み(え)死ねということか!」との横断幕をひろげ、「おめたち、かんれち切るなどバカくせことやるんでねえ」(人事院よ、寒冷地手当を改悪するなんて、ばかげたことをするんじゃない)と「秋田音頭」で歌うと、会場から笑いと拍手が沸き起こりました。
 雪女と「ナカジマ君」とのやりとりで、寒冷地手当の大切さを訴えたのは岩手の仲間。雪女が「人事院は、住民への影響を科学的に調査すべき」と「ナカジマ君」をやりこめる一幕では、拍手喝采をあびました。40人が参加した山形は、「三匹の子豚」たちが、「人事院オオカミをやっつけろ!」と人事院を退治し、福島は、「福鳥(島?)県だってさむいぞ!」と大急ぎでつくった横断幕をみんなで持ち、「手当削って、官僚に渡すな。東北が暖かくなったのか!」と怒りを表現しました。
 最後は、地元宮城の仲間が登場し、手当改悪を人事院に指示する小泉首相と「財界のドン」を、国民が力を合わせてやっつける寸劇を披露しました。どのアピールも創意があふれ、笑いが絶えないませんでした。
 ひときわ集会が盛り上がったなかで、「決議文」を採択し、最後に、全労連東北地方協議会の菅野副議長が閉会あいさつし、大ホールの2階席まで埋まった参加者全員の団結ガンバロウで集会をしめくくりました。
 2日間にわたる札幌・仙台の行動に参加されたみなさん、大変ごくろうさまでした。この成功をステップにして、3月3日の「新潟集会」、5日の中央行動への多数の参加を勝ち取り、寒冷地手当改悪阻止にむけたたたかいの流れを一気に加速させましょう。
以 上