No.445
2004年2月23日
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厚生年金改悪と連動し共済年金関連法案を提出
= 「年金一元化」「マクロ経済スライド」などを盛り込む =
 今通常国会で年金大改悪をねらう小泉内閣は、厚生年金の改悪法案の提出と連動して、国家公務員共済年金「改正」法案を20日に閣議決定し、ただちに国会に提出しました。
 法案は、国と地方の共済年金の財政単位一元化にむけた保険料率の一本化と財政調整の導入、厚生年金制度とも連動して、給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入などを柱としています。
 また、育児休業にかかわって、保険料免除期間を3歳まで延長することや、育児休業手当金を1歳6か月(現行1歳)まで支給することも盛り込んでいます。
 公務労組連絡会では、こうした状況をうけて、本日、財務省共済担当者から法案の詳細について説明を受けました。また、地方公務員共済年金にかかわる「改正」法案の提出が3月にも予定されていることから、今後、総務省からの説明も求めていきます。
 以下、国家公務員共済年金「改正」法案の概要のみ掲載します。
「国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案」について
1、国家公務員共済年金と地方公務員共済年金の財政単位の一元化(平成16年10月実施)
 平成13年3月の閣議決定をふまえ、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合の長期給付(共済年金)について、両制度の保険料率を一本にするとともに、両制度間の財政調整の仕組みを導入する。(なお、保険料率は、段階的に一本化。)

2、国家公務員共済年金制度の見直し
 厚生年金制度の改正内容をふまえ、以下のような制度改正を行う。
(1)給付と負担の見直し(平成16年10月実施)
 ○厚生年金に準拠して給付水準を定める方式を維持し、給付水準の調整は厚生年金と同一の比率で行うこととする。
 (注)保険料率は、従来から、長期間の収支均衡が確保されるよう5年毎に財政再計算を行って定めることとしている。
 ○おおむね100年程度の財政均衡期間を設定し、積立金を活用する。
 ○基礎年金拠出金の国庫負担割合を法律の本則の2分の1と規定し、平成21年度までに適用する。(所要の安定財源を確保する税制の抜本的改革を行ったうえで実施する。その道筋として、平成16年度から引き上げに着手し、平成17年度および18年度にさらに適切な水準へ引き上げるとともに、平成21年度までに引き上げを完了する。)

(2)在職中の年金支給制度等の見直し
 ○在職中の退職共済年金等について、一律2割支給停止を廃止する。(平成17年4月実施)
 ○70歳以上の民間企業等に使用される者の退職共済年金等については、60歳台の厚生年金保険の被保険者と同様、賃金と年金合計額が一定の額(現行48万円)以上の場合には、年金額の一部の支給停止を行う。(平成19年4月実施)
 ○65歳以降の退職共済年金について、繰り下げ制度を導入する。(平成19年4月実施)

(3)次世代育成支援の拡充(平成17年4月実施)
 ○育児休業中の保険料免除期間を子が3歳(現行は1歳)に達するまでの期間に延長する。
 ○子が3歳に達するまでの養育による勤務時間の短縮等に伴い標準報酬が低下した場合には、年金額の計算上、低下前の標準報酬とみなす措置を講じる。

(4)年金分割制度の導入
 ○離婚した場合の共済年金については、配偶者の同意または裁判所の決定があれば、分割できるものとする。(保険料納付記録につき、当事者双方の婚姻期間中の合計額の半分を上限)(平成19年4月実施)
 ○第3号被保険者期間(施行後の期間)については、離婚した場合または分割を適用することが必要な事情があるものとして財務省令で定める場合、その配偶者の共済年金(保険料納付記録)の2分の1を分割できるものとする。(平成20年4月実施)

(5)遺族年金の見直し(平成19年4月実施)
 ○みずからの退職共済年金を全額受給したうえで、従来の遺族給付との差額を遺族共済年金として支給する仕組みにあらためる。
 ○子のいない30歳未満の遺族配偶者の遺族共済年金を5年の有期給付とする。

(6)障害年金の見直し(平成18年4月実施)
 ○障害基礎年金と退職共済年金または遺族共済年金の併給を可能とする。
以 上