No.425 2003年9月10日 |
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あくまで「勧告尊重」の態度を変えず | |
= 人事院勧告の取り扱いで総務省交渉 = | |
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民間賃金調査の方法には議論があってもいい(総務省) | |
交渉には、公務労組連絡会から駒場副議長、若井事務局長、新堰・松本幹事らが出席し、総務省は、人事・恩給局の箕浦参事官補佐(給与第一担当)、総務課の山石課長補佐ほかが対応しました。 はじめに、駒場副議長は、「9月16日にも勧告の『完全実施』が閣議決定されるとの情報がある。しかし、公務労組連絡会としては、第1に、人事院勧告は適正な官民比較ともいえない内容であること、第2に『減額調整』が昨年の方式と違うとはいえ、明確な不利益の遡及であり認められないこと、第3に人事院のマイナス勧告は、労働基本権の『代償機関』としての役割を放棄したものと考える。総務省は使用者として、『賃下げ勧告』は実施すべきではない」とあらためて要求しました。 また、8月20日に全国総務部長会議が開かれたが、地方自治体の取り扱いに総務省は干渉・介入はしてはならないと指摘し、適正な対応を求めました。 箕浦参事官補佐は、「国政全般の観点から早急に結論を出したい。人事院勧告の尊重という立場に変更はない。官民較差については、指摘はあったが、専門機関として調査した結果であり、重く受けとめたい。減額調整は、昨年の国会の議論や附帯決議をふまえ、職員団体の意見もうけて、今回の調整措置となったと聞いている。代償機関としての人事院の役割は認識の違いだ。正確な調査による官民較差にもとづいて勧告をおこなっており、人事院は代償機関としての役割を果たしていると考えている」などとし、公務労組連絡会の主張をしりぞけました。 若井事務局長は、「厚生労働省(1.63%)、経団連(1.65%)、連合(1.63%)、春闘共闘委員会(1.94%)などの春闘結果や、国家公務員の定昇率(1.66%)を考えると、今回のマイナス1.07%という官民較差はどこからでてくるのかきわめて疑問だ。こうしたことからも、マイナス勧告を実施することは納得を得られるものではない」と強くせまりましたが、箕浦参事官補佐は、「人事院勧告の官民較差はラスパイレス指数比較であり、単純平均数値とは違う」などと強弁しました。 公務労組連絡会は、「この乖離は到底納得できないものであり、民調と春闘結果との隔たりに対して、人事院の説明会でも納得のいく説明はなかった。総務省は、こうした点もふまえて、使用者として十分に検討して結論を出すべきだ」と主張しましたが、「数字は結果であり正確だと考えるが、比較の問題、企業規模などの問題、どこをどう抽出するかなどは議論があってもいい」とのべ、民調結果には十分に納得を得られない部分もあることは、認めざるをえませんでした。 |
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「勧告の凍結」との政策的判断を強くせまる | |
若井事務局長は、「情勢適応の原則と言うのなら、単に民間比較だけで結論を出すのではなく、勧告の実施によって、地方公務員や関連労働者、民間労働者、年金者などにあたえる否定的な影響を考慮すべきだ。前回の交渉で検討を求めたように、人事院勧告の凍結という政策判断もすべきだ」と求めましたが、「そうした点は、国家的な政策として総合的に検討し、判断されるべきことだ」との認識を示すにとどまりました。 さらに、「不利益遡及」問題で、「若い職員がマイナス0.5〜0.7%の引き下げにもかかわらず、一律に1.07%で『減額調整』するのは納得できるものではない」との主張には、「気持ちは否定しない。しかし、平均で平等に負担するということは一つの方法であり、問題はない」とのべました。 最後に、駒場副議長が、「勧告の引き下げ幅は、我々の納得できない結果であることを受けとめていただきたい。また、『調整措置』は不利益遡及そのものであり、認められるものではない。使用者としての責任を果たすためには、勧告は実施すべきではない。あらためて検討を求める」とのべ、交渉を締めくくりました。 なお、この日の交渉では、大阪自治労連が、大阪労連や民間組合などと共同してとりくんだ政府あての「人事院勧告を実施しないよう要求する署名」を提出しました。 |
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「9・11第1次中央行動」の成功をめざそう | |
この日の交渉でも、総務省は、「人事院勧告の尊重」とするこれまでの態度を変えていません。こうしたなかで、公務労組連絡会は、9月11日に「第1次中央行動」を配置し、総務省前の要求行動や総決起集会をとりくみ、政府に勧告の実施をしないようせまります。 秋年闘争の出発点ともなる中央行動を多くの仲間の参加により成功させ、「賃下げの悪循環」をはね返していくことが求められています。 |
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以 上 |