No.421 2003年8月8日 |
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「賃下げ勧告」は実施するな | |
= 人事院勧告の取り扱いで総務省・厚生労働省に申し入れ = | |
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「マイナス勧告凍結の政策判断もあり得るはず」と追及 | |
各省への要求書提出には、公務労組連絡会から石元議長、若井事務局長、黒田事務局次長、松本・新堰・先水の各幹事が参加しました。 厚生労働省は、青木豊大臣官房審議官(労働基準・労使関係担当)ほかが対応しました。 はじめに、石元議長は、「経済への悪影響、賃下げの悪循環をとめるためにも、勧告は実施すべきではない。公務労組連絡会の要求にそった対応を求める」とのべ、若井事務局長が、3項目にわたる要求の趣旨を説明し、「公務員が安んじて職務に精励できるように、使用者はマイナスの勧告を重く受けとめて対応をはかるべきだ。過去には、政府が、勧告を完全凍結したり、値切ったりした時期もあった。ならば、マイナス勧告を凍結するという政策判断もあるはずだ。賃金という枠組みのなかで考えるのではなく、経済政策などトータルな視点から検討すべきだ」と求めました。 青木審議官は、「みなさんの要求の趣旨はわかった。人事院勧告制度は、公務員の労働基本権制約の代償措置として機能しており、政府としては、従来からそれを尊重するという態度を通してきた。重要なシステムであり、維持・尊重が大切だ」と回答しました。 若井事務局長は、「現行システムを全面的に否定はしないが、しかし、今回の1.07%という官民逆較差は、日本経団連の集計や、厚生労働省の毎月勤労統計調査などともかけ離れた数字だ。勧告が出る前からNHKで報道されたり、意図的な数字ではないかとの疑念もある」と指摘したところ、青木審議官は、「官民較差は、人事院が責任を持って民間給与の実態調査をおこない、分析した結果だ。それについて議論し出すと際限がない。人事院の調査にどの程度透明性を持たせるのかの問題だ」とのべました。 また、「勧告制度のもとで、労使合意抜きに一方的にマイナス勧告が決定される。そのことに職員は納得がいかない。そうした不満があることを、政府として斟酌(しんしゃく)すべきだ」と指摘したことに対して、「賃金は労働条件の基本だ。合意のプロセスを最も尊重すべきだと思う。労働基本権制約の代償措置として、きちんとした労働条件決定システムが存在することが職員にとっての安心感につながる。その枠組みを変えると安心感がなくなる」と回答し、人事院勧告制度の尊重との姿勢をくり返し強調するにとどまりました。 |
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「勧告制度の尊重」をオウムのようにくり返す | |
総務省は、人事・恩給局総務課の伊藤総括課長補佐、山石課長補佐ほかが対応しました。 石元議長は、申し入れの趣旨をのべたうえ、総務省としての見解をただしました。 伊藤総括課長補佐は、「勧告の取り扱いは、給与関係閣僚会議で検討に着手する。人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置としての根幹をなしている。民間のきびしい状況、国の財政事情、公務員給与を取り巻くきびしい環境などがあるが、政府としては、人事院勧告制度の尊重という基本原則を堅持しつつ、そのもとで、国政全般との関係を考慮しつつ、昨年の衆参両院の附帯決議もふまえて検討する」と回答しました。 若井事務局長は、「前回(7/31)と同様の回答だ。実際にマイナス勧告が出されたもとで、まったく同じ回答を示すのは認めがたい。それで使用者としての信頼を得られると思っているのか」ときびしくせまりました。 伊藤総括課長補佐は、「働いている職員には、一生懸命がんばってもらいたい。そのためにどんな給与が必要なのか、勧告をふまえて検討する必要があると思う」とのべたことに対して、「勧告制度はあっても、運用するのは使用者たる政府だ。政府として、勧告をうけて、どのような判断をするのかが重要だ」と追及しましたが、伊藤総括課長補佐は、「政府として、検討に着手したばかりなので、今日の時点ではどうこう言える段階ではない」などと言い逃れに終始しました。 最後に、若井事務局長は、「公務員の賃下げは、単に労使の関係にとどまらず、国民生活全般にかかわる重大問題だ。その点もふまえ、総務省として、気を引き締めて対応してもらいたい。要求については、検討を求め、あらためて回答をうかがう」と求めて交渉を締めくくりました。 |
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以 上 |