No.415
2003年7月31日
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「夏季重点要求」に対する最終回答を求める
= 第3次中央行動を背景に総務省と交渉 =
 公務労組連絡会は31日、第3次中央行動に連動して、総務省と交渉し、6月10日に提出した「2003年夏季重点要求」に対する最終的な回答を求めました。
 この日の交渉では、人事院から「マイナス勧告」が出されようとしているもとで、前回(9日)の交渉につづいて、公務労働者の生活改善にむけて、使用者としての政府・総務省の責任をきびしく追及しました。
使用者としての責任が感じられない政府回答
 交渉には、公務労組連絡会から、石元議長、若井事務局長、北村・黒田両事務局次長、松本幹事(自治労連)、郵産労・田中委員長、国公労連・横山中執が参加し、総務省は、人事・恩給局総務課の伊藤総括課長補佐、山石課長補佐ほかが対応しました。
 はじめに、石元議長は、「現在、2年連続の本俸マイナスの勧告がねらわれている。今日の中央行動には、全国から多くの仲間が集まっている。そうした声もうけて、総務省としての誠意ある回答を求めたい」として、見解をただしました。
 伊藤総括補佐は、要旨、以下の通り回答しました。
 ●賃金については、人事院勧告がいつなのか、中身についても不明であり、具体的に回答できる段階にない。勧告が出れば、労働基本権制約の代償措置として根幹をなす人事院勧告制度を尊重し、国政全般との関係を考慮したうえ、適切に対応していく基本姿勢には変わりない。
 ●労働時間短縮の要求は、公務員制度改革大綱でもふれられ、大きな課題と認識している。超過勤務縮減にむけて、各府省の補佐レベルによる実務的な検討体制をつくり、日常的にも議論している。今後とも、超過勤務縮減にむけた努力を各府省に徹底したい。
 ●公務員制度改革は、関連法案の国会提出を政府として断念したが、内閣官房行革推進事務局で引き続き作業をすすめている。その過程で、みなさんの意見を十分にうかがう。今後とも、行革推進事務局と連携、協力しながら対応をすすめていく。
 ●男女平等の課題については、女性の採用・登用の基本計画にもとづいて、各府省で具体的・計画的なとりくみがすすめられている。育児休業・介護休暇などの取得にむけては、職場に周知徹底をはかるとともに、活用しやすい職場環境へ整備をすすめる。
「勧告実施の判断は政府にまかされている」と追及
 この回答をうけて、若井事務局長は、「まるで人事院の下請け機関であるかのように、使用者としての責任が感じられない回答だ」と不満を表明したうえで、「予想される勧告の内容は、報道などでも伝えられており、それを知らないでは、使用者としてあまりにも無責任だ。勧告がどうなるかに注目し、公務員労働者が安んじて仕事に専念できるように考えるのが、使用者・政府の責任ではないのか」と強くせまりました。
 伊藤総括補佐は、「使用者として考えているのは当然だ。人事院勧告のシステムが存在するもとで、政府としての対応を回答したものだ。想定される勧告の中身については、報道で知っている」とのべました。
 郵産労の田中委員長は、「中労委のマイナスの仲裁裁定の根拠は、昨年のマイナス人勧だった。これでは、賃下げの悪循環はとまらない。システムだけでなく、使用者としての考え方をきちんと示すべきだ」とのべ、若井事務局長は、「政府の判断で勧告を完全凍結した年もあった。勧告の取り扱いは、最終的には政府にまかされている。マイナス勧告となっても、実施しないと決断することもできる。そうした使用者としての判断が求められている」とし、「勧告尊重」とする従来どおりの政府の姿勢をきびしく追及しました。
 また、「7・9中央行動」に1500人の官民労働者が結集したことを示し、「民間労働者が『マイナス勧告』に反対し、今年の人事院勧告に注目するのは、みずからの賃金に影響するからだ。こうした状況の変化を受けとめるべき」とせまると、伊藤総括補佐は、「民間への影響があるかもしれないが、どう具体的にあらわれているかは承知していない」とのべるなど、納得ができるような回答は示されませんでした。
「公務員制度改革」では政府としてきちんとものを言え
 労働時間短縮の要求にかかわって、若井事務局長は、「職場にはサービス残業が蔓延している。労働基準法が国家公務員にも適用されれば、国は犯罪者となる。官(国)が法を犯すことが、民間に影響を与えている。その点で、官の果たす役割は大きい」とし、超過勤務縮減にむけた政府としての真剣な対応を求めました。
 また、「公務員制度改革」について、「法案が国会提出できなかったのは、『大綱』そのものに根本的な矛盾があったからだ。欠陥がある『大綱』をもとにして、それを法案化しようとするところに無理がある。また、ILO勧告で国際的にも批判されており、世界への恥さらしだ。行革推進事務局と連携して対応すすめるなら、使用者である政府としてきちんとものを言うべきだ」と求めました。
 最後に伊藤総括補佐は、「今日は、みなさんからいろいろときびしい指摘を受けた。存在意義が問われないように、総務省としてがんばる必要がある。勧告後のしかるべき時期には、あらためて意見をうかがう機会をつくりたい」とのべました。
以 上