No.411
2003年7月28日
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力をあわせて「賃下げの悪循環」を阻止するぞ!
= 最賃審議会へ座り込み行動(24日)、29日からは人事院前で座り込み =
 中央最低賃金審議会は24日、今年の最賃引き上げ額を「0円」とする目安を厚生労働大臣に答申しました。引き上げを求める労働者側委員と、引き下げを主張する使用者側委員とで意見が対立して決着がつかず、最終的に「各ランクとも0円」とした公益委員見解が答申となったものです。
 引き下げこそ答申されなかったものの、あまりにも低すぎる現行の最低賃金を据え置いた審議会の答申は、全労連などが求めた切実な要求に背をむけるもので、とうてい認められません。
 こうしたなか、24日の審議会にあわせて、厚生労働省前では、全労連・国民春闘共闘・公務労組連絡会などが共同して、昼休みの要求行動につづき午後からは座り込み行動にとりくみ、公務・民間から50人が参加しました。
政府の失政のツケを労働者に押しつけるのか!
 15時から中央最低賃金審議会が予定されている厚生労働省前では、12時すぎから厚生労働省への要求行動がとりくまれました。
 主催者あいさつした全労連大木副議長(全労連・全国一般委員長)は、1500人が結集した「7・9中央行動」をはじめ、この間の官民一体のたたかいを紹介しながら、「目安額がゼロになれば、最低賃金が賃下げの役割を果たすことともなり、きわめて重大だ。中小企業の約7割が赤字経営だが、原因は経済対策での政府の失政と、大企業中心の政策にある。その犠牲を労働者に押しつけることは許されない。日本全国のたたかいで、賃下げの悪循環を断ち切り、せめて時給1000円以上に引き上げ、まともに生活できる賃金に変えよう」と力強く訴えました。
 各組合代表からは、「生協ではパートの時給切り下げの圧力がつづいている。賃下げや均等待遇を求め、各地の最低賃金審議委員にも立候補しているが公正任命されない。行政は、パートの意見を聞くべきだ」(生協労連・森本書記次長)、「各自治体との懇談で、最賃額が生活保護基準よりも低いことに一様に驚いていた。労働者側委員(連合)との懇談でも、引き下げ反対で意見が一致した。8月4日には706分のハンストでたたかう」(神奈川労連)などの決意が表明されました。
 また、国公労連を代表して、先水中執は、「国家公務員の高卒初任給は時給にして793円であり、これが最賃の『超えることのできない壁』となっているならば、公務員賃金は絶対に引き下げるわけにはいかない。人事院では地域の公務員賃金引き下げが検討され、国立大学法人化と国庫負担金削減により、教員の賃下げや地域間格差拡大もねらわれている。こうした攻撃をはねかえすため、29日から3日間連続の人事院前座り込み行動でたたかいぬく」と、「マイナス勧告」を許さずたたかう決意をのべました。
 最後に、若井事務局長が公務労組連絡会を代表して発言し、「人事院は2年連続の『マイナス勧告』への準備をすすめつつある。最賃と人勧は密接に結びついており、賃金底上げとともに三位一体のたたかいをすすめるが、断じて認められない。『賃下げの悪循環』を断ち切るため、国民的な共同をひろげ、全力でたたかう」と決意表明しました。
 これらの決意表明をうけて、参加者は厚生労働省にむかって声高くシュプレヒコールをぶつけ、昼休みの要求行動を締めくくりました。
公務員賃金改善を求める発言が相次いだ「リレートーク」
 午後からは、引き続いて、中央最低賃金審議会の結論が出される4時まで座り込み行動に入りました。座り込みでは、参加者による次のような「リレー発言」がつづきました。
 ●「公務員賃金改善署名」に力を入れている。経営者が、「公務員ですら賃金カットしている」と言って、賃下げを押しつけてきているからだ。(JMIU本部・海野さん)
 ●昨年、マイナス人勧により、日赤病院では賃下げ遡及実施がねらわれたが、公務・民間の労働組合の支援を背景に、これをはねかえした。今年も、協定破棄を持ち出しているが、がんばりたい。(全日赤・土井さん)
 ●マイナス勧告を出させないため、最後まで力をゆるめずたたかう。官民一体のたたかいへ、一致団結してがんばる(国公労連・青木さん)
 ●マスコミのヤリ玉にあがっている道路公団の藤井総裁には、公団からは法外な退職金が用意されている。厚生労働省は、働く人に光をあてるための官庁ではないのか。ゼロ回答は許せない。(特殊法人労連・篠原さん)
 ●官民一体のたたかいの重要さを実感する。民間の仲間が人勧に注目しているのは、賃下げの材料にされているからだ。だから、公務労働者はがんばらなければならない。(全厚生・国枝さん)
 ●自治体の職場には、30万から40万人の非常勤職員がいると言われるが、仕事は同じでも賃金は3分の2だ。非常勤職員の賃金改善へたたかう。(自治労連・山田さん)
 また、15時からの審議会には、行動参加者の代表が傍聴に入り、審議の模様を見守りました。締めくくりの行動では、傍聴参加者から「ゼロ円」答申となった審議会の結果が伝えられ、それを受けて、参加者は、抗議と怒りのシュプレヒコールをくり返しました。最後に、今後、地方審議会の場でのたたかいにむけて引き続きとりくみを強めていくことを確認して行動を終えました。
   近畿公務共闘発
人事院近畿事務局包囲デモ・座り込みに150人が参加
 大阪公務共闘は25日、大阪労連とともに、7月8日につづく「最賃+人勧」の共同行動をとりくみました。また、この行動にあわせて、午後からは、近畿公務共闘による人事院近畿地方事務局交渉と支援行動がとりくまれました。
 この日は、早朝宣伝行動が大阪市内3カ所でおこなわれ、約100名の仲間の参加により最賃と人勧に関するビラを配布しました。宣伝行動で訴えに立った民間の仲間は、「人勧は他人事ではなく、このような情勢のなか、せめて公務員だけでも賃下げにストップをかけてもらわないと、民間は底なしとなる」とのべ、ほかにも、最賃の据え置きは許されないし、人勧の引き下げも言語道断と多くの弁士が訴えました。
 昼休みには、近畿公務共闘の行動として、人事院前「抗議デモ」がとりくまれました。デモ行進の出発点となった北区の西梅田公園や人事院の庁舎は、中央区の官庁街からは遠く離れた場所でしたが、そのような不便な場所にもかかわらず、近畿各地から150名の仲間が集まり、人事院にむかって、大いにアピールをしていました。
 デモ行進が終了したあと、人事院包囲の座り込み行動がとりくまれ、参加者代表による決意表明、交渉支援行動などがとりくまれました。
 その中で人事院勧告にかかわる最新情勢について、国公近ブロの秋山事務局長から報告がなされましたが、その内容の余りのひどさに、参加者は一様に大きな怒りをあらわしていました。
 さらに交渉を終えて帰ってきた代表から、交渉について報告がありましたが、人事院の不誠実な対応に交渉が紛糾したとの報告には、いっそう怒りがあふれ、そのエネルギーによる団結ガンバローは、庁舎を揺るがさんばかりの大きな声となりました。
 包囲行動には、交渉に参加した30名をふくめ140名が参加しました。
以 上