No.399
2003年7月3日
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関連法案策定作業はただちに中止せよ
= 労働組合との「交渉・協議」を求め推進事務局に申し入れ =
 公務労組連絡会は3日、「公務員制度改革」関連法案をめぐって、行革推進事務局と交渉しました。
 交渉のなかで、行革推進事務局は、関連法案の条文案を与党や各省に提示し、昨日から「非公式協議」をすすめていることを明らかにしました。
 公務労組連絡会は、推進事務局が約束してきた「労働組合との一致点を見いだすための誠心誠意の話し合い」が実現していないもとでの条文案提示は認められないとして、推進事務局に強く抗議し、検討作業をただちに中止するよう求めました。
「閣議決定へ準備をはじめたのは信義則違反」と抗議
 行革推進事務局との交渉には、公務労組連絡会から、駒場副議長、若井事務局長、黒田事務局次長とともに、全教・東森書記長、自治労連・田中中執、国公労連・山谷中執が参加し、行革推進事務局は、公務員制度改革等推進室の吉牟田企画官、上谷参事官ほかが対応しました。
 はじめに、駒場副議長は、「本日の新聞では、与党に条文案を提示することや、『了承を得られれば、関連法案を閣議決定する』などといっせいに報道している。各省協議もはじまっていると聞いているが、労働組合との交渉・協議がすすんでいないなかで、きわめて重大な事態だ」として、推進事務局に事実関係を質しました。
 吉牟田企画官は、「議院内閣制のもとで、法案を国会に提出するには、まず与党の支持を得る必要がある。与党からは、条文を見て検討したいとの要望も出されており、本日、与党に条文案を提示した。また、その前に、非公式ではあるが、昨日、各省にも同様のものを提示した」として、与党や各省との協議をすすめていることを明らかにしました。
 また、マスコミ報道などに関して、「推進事務局としては記者発表はいっさいしていない。あくまでも非公式であり、閣議決定までの日程を決めたものでもない。法案を今国会に提出する方針は変わっていないが、労働組合との交渉は非常に大切であり、誠心誠意話し合いたい。問答無用で閣議決定しないのは当然だ」と回答しました。
 これに対して、駒場副議長は、「非公式とは言え、条文案を各省に提示し、協議に入ったことは事実だ。労働組合との協議がまったく進展していないにもかかわらず、閣議決定にむけた準備がはじまったと認識せざるを得ない。いうなれば、レッドゾーンだ。そのことは、信義則違反であり、2度のILO勧告から見ても不当な対応だ」と強く抗議したうえで、「関連法案の検討作業はただちに中止すべき。そのうえで、『誠心誠意の交渉・協議』という約束を履行し、ILO勧告にそった公務員制度の実現を求める」と申し入れました。
「検討作業は中止しない」と態度をあらためず
 若井事務局長は、「延長国会では、すでに提出されている法案、および、イラク特措法の審議をすすめるというのが与党3党の合意だ。そのことからしても、法案提出にむけた作業をすすめることがそもそも与党合意に反している。4月15日に全労連との交渉で示された点は、現時点でも何も実現していない。その場その場で言い訳せず、今後、労働組合とどのように協議していくのかを具体的な形で示せ」とせまりました。
 吉牟田企画官が、「条文案に対する意見があればどんなことでも出してほしい」などとのべたことに対して、「重要なことは、労働基本権の取り扱いだ。そのことをまず協議すべきだ」とあらためて強く主張しました。
 その後、あくまでも「公務員制度改革大綱」にもとづいて法案提出をめざす推進事務局に対して、交渉団は、検討作業の中止を強く求めました。駒場副議長は、「『公務員制度改革大綱』自体が、労働組合との交渉・協議もなく一方的に閣議決定されたものだ。いまの推進事務局の対応は、そうした問答無用のやり方をしないとの約束にも反している。公務労組連絡会や全労連との約束の履行から話がはじまる。そのことが保障されなければ、推進事務局がどんなことを言っても、説得力を持たない。ただちに作業を中止せよ」とあらためて求めました。
 吉牟田企画官が、「中止せよというみなさんの要望については、聞かせてもらった。しかし、公務員制度改革をすすめるわれわれの立場とは相いれず、政府としては、検討作業は中止できるものではない。みなさんがそうした気持ちを持っていることについては、部内に伝える」などとかたくなな態度をとったため、駒場副議長は、「そうした回答自体が認められるものではなく、あらためて強く抗議する。その上で、作業の中止を強く求める」とのべ、交渉をしめくくりました。
緊急打電と「7・9中央行動」で法案提出阻止を
 交渉でも明らかなように、関連法案の国会提出にむけた動きが重大な局面をむかえていることから、公務労組連絡会は、石原行革担当大臣あての「要求打電」行動にとりくみます。緊急の行動であり、とりくみ期間も限られていますが、7月末の国会会期末にむけてたたかいがまさに正念場となっているなかで、支部・分会など可能な限り多くの職場から、「閣議決定やめろ!」の声を政府・行革推進事務局に集中する必要があります。
 また、こうした情勢もふまえれば、「7・9中央行動」がますます重要な行動となっています。公務・民間の共同でとりくまれる中央行動に、職場・地域から一人でも多くの仲間が参加するよう呼びかけます。
以上