No.397 2003年6月10日 |
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国・地方の共済年金「一元化」で各省に申し入れ | |
〜拙速な作業はせず、十分な時間をかけた検討を求める〜 | |
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将来のリスクを回避するため、財源の母体を大きくする(財務省) |
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申し入れには、公務労組連絡会から若井事務局長、黒田両事務局次長、新堰幹事)にくわえ、「共済一元化対策会議」から自治労連高坂中執と国公労連山谷中執、また、全教から八巻中執が参加しました。 財務省への申し入れには、給与共済課の坂本調査官、工藤課長補佐ほかが対応しました。 はじめに若井事務局長が、「国公・地公の年金制度については、2004年の財政一元化をめざして取りまとめが行われているが、検討会でも指摘されているとおり、両制度とも財政が逼迫しているわけではない。年金制度は老後の生活を支える重要なものであり、国民全体にかかわる問題でもある。年金制度への信頼が揺らいでいる今だからこそ、情報を公開しながら、関係労組ともしっかり議論をすべきであり、時間を区切らないで検討すべきだ」と、申し入れの趣旨をのべました。 これに対し、工藤課長補佐は、「予想を超えるスピードで少子高齢化が進んでいるなか、年金制度について、世論調査や地方公聴会などを開催し、財政諮問会議などでも検討されてきた。安定的で持続可能性のある年金制度の設計を、というのが集約された意見だ。一元化は、平成13年の閣議決定をふまえて検討されているが、制度設計などいろいろ議論があり、もう少し時間がかかるのではないかと考えている」と見解を示しました。 若井事務局長は、さらに「どういう制度改革をするにしても、十分な議論が必要だ。職場で一元化に関する話など全くされていない。ただでさえ年金制度に対する不安がある。皆が納得する手続をふんだかたちにすべきだ」と強調しました。 財務省側は、「新聞などで関連記事が掲載されるなど、社会的にも関心が出てきた一方で、雑誌などで無責任な記事も見られる。いずれにせよ、いろいろ情報はそれなりに得られる状況だと思う。公務員制度改革とも関連しており、もう少し環境が良くなれば制度設計のバリエーションも増えるのではないかと考えている。一方、公務員だけ安定した年金制度で許されるのかとのきびしい声もある。公社化や民営化、市町村合併などで共済組合員が減るという不安要素もあり、そうした将来のリスクを回避するために、財源の母体を大きくすることに一元化の基本的な目的がある」とのべました。 最後に、若井事務局長は「職場ではみんなが十分に承知しているわけではない。知らないうちに制度が決まったなどということのないよう、情報公開と職員への周知徹底をしていただきたい」とかさねて申し入れました。 |
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組合員に情報が伝わるよう配慮したい(総務省) | |
総務省への申し入れは、地方公務員共済を担当する公務員部福利課の福田課長補佐、黒木企画係長ほかが対応しました。 「共済一元化対策会議」の責任者でもある高坂中執が、財務省と同様に申し入れの趣旨をのべたあと、総務省の見解を求めました。 福田課長補佐は、一元化にむけた経緯を説明しながら、「研究会が示した『たたき台』は、国・地方の共済の組織や制度はそのままで、財政のみを一元化するものだ。財布を大きくして安定化させるため、公務員という職域に着目して一体化をはかる方向で作業がすすめられている。そのために、相互の財政調整や、保険料率の一本化などが検討されているが、いずれにしても、それぞれの共済組合の意見をよく聞きながらすすめたい」と考え方を示しました。 参加者からは、「どんな検討状況なのか、メリット・デメリットはどうなのかなど、この問題が職場に十分浸透していない。とくに、青年層は関心を持っており、職場への周知や意見聴取なども必要だ」との意見や、「一元化は『寝耳に水』という声がある。また、地公共済の掛け金があがるとの話もある。将来の年金が良くなるのか悪くなるのか、十分な説明がほしい」などの要望がだされました。 これに対して、福田課長補佐は「機会があれば、いつでもこちらから出向いて話をしたい。情報はオープンにしており、ホームページにも掲載している。個々の対応は限界があるが、各単位共済、組合員に情報が伝わるよう配慮したい。保険料率が上がることも、データを示して理解してもらえるよう努力する。わからないことがあれば、いつでも質問してほしい。まず関心を持ってもらうことが大切であり、その立場から、可能な限り対応したい」と話しました。 その後、共済組合の資産運用や、総務省と共済連合会との連携、運営審議会への労働組合代表の参加など、制度の全般にわたって意見が交わされ、最後に、今後とも率直に意見交換していくなど引き続く対応を求め、申し入れを終えました。 |
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以 上 | |
2003年6月10日 総務大臣 片山虎之助 様 財務大臣 塩川正十郎 様 公 務 労 組 連 絡 会 議 長 石 元 巌 共済組合(長期)に関わる要求について 貴職のご活躍に敬意を表します。 共済年金制度は、長期にわたる所得の喪失、具体的に言えば、老齢・障害・扶養者の死亡などによる生活を続けるための所得の保障制度であり、その水準は、老後などの生計の基本部分をカバーするものでなければなりません。 現在、公務員の年金支給の主体である国家公務員共済組合と地方公務員共済組合についての財政単位の一元化の検討が「公務員共済年金財政単位一元化研究会」で進められています。この「研究会」はすでに「国共済と地共済の長期給付に係る財政単位の一元化について」(たたき台)をまとめ、2004年度からの実施にむけて結論の取りまとめにかかっています。 しかし、「財政一元化」問題は、政府・研究会の「たたき台」にも示されているように、国共済、地共済ともに、いまさし迫って「一元化」しなければならない状況にあるわけではありません。 一方、私たちとしては、「一元化」問題を検討するために必要な基礎的資料が当局から提供されておらず、十分な検討ができない状態におかれています。公務員労働者が安心して働き続けられる年金制度を確立するためには、公務労組の代表や各共済の関係者を民主的に選出した代表者による民主的な検討を経て結論を出すべきだと考えるものです。 つきましては、公務員共済年金問題に対する公務労組連絡会としての要求をとりまとめましたので、誠実な対応をおこなっていただきたく要求いたします。 記 1.共済組合(長期)に係る基本要求 (1) 保険料値上げ、物価・賃金スライド凍結解除による年金額の引き下げを元に戻すこと。 (2) 消費税の増税による年金財源調達を意図する改悪を行わないこと。基礎年金の国庫負担を2分の1に増額すること。 (3) 長期積立金の運用にあたっては、「安全・確実」を基本理念とし、株価対策に運用しないこと。 (4) 共済組合連合会運営審議会については、主管者側及び共済組合員(選定)側委員を同数とし、単位共済組合代表を参加させるとともに現場組合員の声を反映すること。同時に関係労働組合代表を加えること。 (5) それぞれの共済組合審査会に関係労働組合代表を参加させるとともに、審査状況を公表すること。 (6) 情報はすべて公開すること。 (7) 共済組合法を改正し、負担割合を掛け金(労働者分)3、負担金(使用者分)7とし、労働者負担分を軽減すること。標準報酬の算定にあたっては、通勤手当を除くなど、現行制度の不合理を是正すること。 (8) 年金支給開始年齢を60歳に戻し、交替制勤務者や海上勤務者など肉体的・精神的困難を有する業務に従事するものは55歳支給とすること。 2. 国共済と地共済の「財政一元化」に関する要求 (1)「財政一元化」の検討にあたっては、時間を区切らず民主的検討を行うこと。 (2)「財政一元化」にあたっては、将来にわたり共済年金の破綻をきたさないよう使用者責任を果たすこと。 (3)「財政一元化」問題の協議機関(研究会を含む)での議論を開かれたものとするため、関係労働組合代表を参加させること。決定を行うにあたっては、関係労働組合との合意のうえ行うこと。 以 上 |