No.385
2003年3月12日
公務労組連絡会FAXニュース
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人事院は地域の仲間の声を聞け!
= 地方公務産別組織が人事院地方事務局交渉を展開 =
  全労連・国民春闘共闘の全国統一行動日となった13日、賃金底上げなど春闘要求の前進めざし、各地でストライキをふくむたたかいが展開され、公務各単産でも早朝の職場集会などがとりくまれています。
 こうしたなか、地方公務産別組織では、人事院地方事務局交渉を積み上げ、18日の政府・人事院からの最終回答にむけて追及を強めています。各地方組織からとどいた交渉の模様など紹介し、地方での奮闘をお伝えします。
東北各県公務共闘
「地域の公務員賃金切り下げ阻止・東北集会」に160人
 東北各県公務共闘(宮城・福島公務関連共闘、青森・秋田・岩手公務共闘、山形県国公、自治労連北海道・東北ブロック、国公東北ブロックで構成)は2月26日、仙台市内で「地域に勤務する公務員の給与切り下げ阻止、全国一律最賃制の確立をめざす東北集会」を開催しました。
 集会には各県から160名が参加し、全労連東北ブロック及川副議長の激励あいさつ、決意表明のあと、「地域に勤務する公務員の給与切り下げに反対する決議」を採択しました。集会後は、人事院東北事務局への怒りのシュプレヒコールを送りながらデモ行進しました。
 また、この行動と連動して、各県代表をふくむ12名の参加により、人事院東北事務局と交渉し、公務員賃金に新たな地域間格差を持ち込もうとする人事院を追及しました。
 交渉では、「宮城県の財政難の原因は、人件費ではなく、国の財政の影響だ。地域給が導入されれば、ますます地方は苦しくなるばかりだ」「地方自治体の首長も、年金者と公務員が一大納税者と言っている。そこが下げられれば地域経済に大きな打撃だ。年金にも悪影響がでる。そうした自治体の声をどう考えているのか」(青森)、「東北各県の標準生計費は、東北の中でも大きな開きがある。地域給が導入されれば、行政サービスの不平等につながる」(岩手)、「地域の給与が低いのは国の施策であることを人事院は認識せよ。生活レベルに差がある訳ではない」(宮城)、「秋田の県民所得が低いなかで、地方から都市の大学に子どもを入れると生活は大変だ」など、人事院への怒りの発言がつづきました。
 人事院東北事務局からは、「研究会で議論しており、それを受けて人事院として検討をすすめる。職員団体・地方自治体などからも意見を聞いている」と現状が示され、「今後、このような交渉の場の意見を本院に伝えていく。人事異動・人材確保の面からも十分な議論は必要」とし、引き続く交渉や情報の提供への努力ものべられました。
 東北各県公務共闘は、この日につづき、3月10日にも人事院東北事務局と交渉し、賃金改善や労働時間短縮など切実な要求の実現を求めました。交渉には14名が参加しました。
公務労組九州ブロック
地域給研究会「中間整理」の問題点をきびしく追及
 公務労組九州ブロック連絡会は3月7日、第9回定期総会を開くとともに、これにあわせて人事院九州地方事務局と交渉しました。交渉には、西村議長、仙道事務局長ほか各県代表など14名が参加しました。
 交渉では、「マイナス勧告で生活が一段と苦しくなっている。12,000円は生活に必要な金額だ。今年の勧告についてどのような考えを持っているのか、誠意ある回答を示してもらいたい」とただしたところ、人事院は、「今年度の民調はまだ決まっていない。これからだ。例年ペースで進むだろう。官民比較が一番納得する方法だ。較差があれば、勧告をする」と従来どおりの回答を示しました。
 これに対して、交渉参加者からは、「人事院は、労働基本権制約の『代償措置』として設置されている。手足がもがれている公務員に利益が保護されないとなれば、基本権を返せ。マイナス勧告は、人事院の存在を否定するものだ」「民間の経営者は、国家公務員の労働条件を参考にする。『不利益遡及』は民間ならば脱法行為だが、監督官は『公務員はしているじゃないか』と経営者からつめられる」「地方自治体では、首長との交渉がある。遡及されないところもある」など、「民間準拠」にとどまらず、公務員労働者の利益擁護機関としての役割をきちんと果たすよう追及が集中しました。
 また、公務員給与の地域間格差拡大の問題では、「人事院の研究会が出した『中間整理』では、『職務評価の手法』や『人事異動・転勤の見直し』にまで言及、地域給を変えるために公務員制度を見直す話にまでひろがっている。人事院として、この方向とどう見ているのか。研究会の議論は中止せよ」などのきびしい意見が出されました。
 人事院は、「研究会については5月頃をめどに作業をすすめている。研究会は事務総長の依頼で設置されており、その報告をスライドさせてそのまま勧告などに反映されることはない。あくまで人事院で議論して判断することになる」と回答しました。
 最後に、「今回の意見は、かならず本院に上げよ。昨年の国会の『職員団体等の意見を十分聴取し、理解を得るよう最大限の努力を払う』とする付帯決議を尊重すべきであり、私たちの意見がどのように反映されるのか、どのように努力するのかを組合は見ている。今後、そうした対応をおこなえ」と、引き続く誠意ある対応を求め、交渉を終了しました。
以 上