No.383
2003年3月4日
公務労組連絡会FAXニュース
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「勧告制度尊重」のみで具体的回答なし
= 中央行動に連動して総務省交渉を配置 =
 全国から3,500人が参加した「3・4中央行動」を背景に、公務労組連絡会は4日午前、春闘要求で総務省と交渉しました。
 2月14日の要求書提出から2回目となるこの日の交渉では、中間的な回答を求めたのに対し、総務省は、かたくなに「勧告制度の尊重」を繰り返すのみで、要求に対する具体的な回答を何ら示しませんでした。
 こうしたことから、交渉団は、3月中旬とされる最終交渉にむけて、使用者として誠意をもって検討するよう強く求めました。
これまでどおりの回答では容認できない(交渉団)
 午前11時からの総務省交渉には、公務労組連絡会から、駒場議長を先頭に、松村副議長、、若井副議長、浜島事務局長、高坂・黒田両事務局次長、吉田幹事、松本幹事、国公労連から高森中央執行委員が出席、総務省側は、人事恩給局総務課の伊藤総括課長補佐、山石課長補佐ほかが対応しました。
 はじめに駒場議長が、「過日提出した要求書に対して、現時点で回答できるものがあれば、今日の交渉で示してもらいたい」と求めたところ、伊藤課長補佐は、「要求は多岐にわたっており、現在、担当部局に照会し、検討を求めているところで、いま回答することは難しい。とりわけ、公務員制度課題は、内閣官房が担当し、議論の最中でもある。したがって、今日は、みなさんの話をうかがうことにとどめたい」としました。
 これを受けて浜島事務局長は、以下、要求書にかかわって次の点を主張しました。
○政府は、これまで「人事院勧告制度の尊重」とする態度をとってきたが、「マイナス勧告」のもとで、そもそも労働基本権制約の「代償措置」としての勧告制度そのものが崩れてきており、「勧告制度尊重」は重大な問題を持っている。ILO勧告でも労働基本権制約は条約違反と指摘されているもとで、少なくとも昨年のような回答は受けいれられない。
○「公務員制度改革」では、現在、労使合意にむけた努力が行革推進事務局に見られないことから、交渉・協議ができない状況だ。いくら、内閣官房中心ですすめられているとしても、こうした事態に使用者である総務省が傍観していていいのか。内閣官房まかせでいいのか。総務省としての態度を明らかにすべき。
○労働時間短縮は、国際公約の1800時間がいまだに実現していない。「民間待ち」の姿勢ではなく、公務主導で労働時間短縮の実現をはかるべき。とくに、超過勤務の規制は喫緊の課題だ。われわれの要求をふまえつつ、すみやかな検討を求める。また、不払い残業は違法行為であり、民間の福祉の職場では逮捕者まで出ている。不払い残業根絶を中心的課題にすえるべき。
きびしい意見あるが「勧告制度尊重」は基本姿勢だ(総務省)
 これに答える形で、伊藤課長補佐は、次のように考えを示しました。
●賃金にかかわっては、昨年の勧告から閣議決定までの交渉で、大変きびしい指摘があったことは受けとめているが、あくまで「人事院勧告制度尊重」が政府としての基本姿勢であり、勧告が出れば、国政全般の情勢を考慮し、実施するかどうかを検討する。当然、その過程で、みなさんとも話し合い、理解がえられるように努力する。
●公務員制度改革は、内閣法にもとづく内閣官房の企画・調整機能を発揮しながら検討されている。総務省は、それと連携・協力の立場にある。だからといって、傍観しているわけではない。総務省としても、労働組合との話し合いが大切と考えている。
●労働時間短縮は、1800時間の目標を掲げてから時間が経つ。古くて新しい課題だ。「公務員制度改革」でも改善が明示され、政府をあげてとりくんでいる。総務省として、「超過勤務縮減連絡会議」を設置し、業務の見直しなどトータルな検討をすすめている。
 これをうけて、松村副議長が、「『勧告制度尊重』というが、賃下げを遡及したうえ、地方自治体では、それを上回る賃金削減が強行された。公務員の生活実態はもとより、地域経済への影響を政府としてどう考えているのか?」とただすと、伊藤課長補佐は、「民間が下がっているなかで、そこから乖離して公務員の賃金を決定するのは困難だ。賃金削減は、労働組合との交渉もふまえた各自治体での判断だ。経済への波及効果については、税金の使い方をどうするかという、つっこんだ議論となる」などとのべました。
地域経済や民間の賃下げは公務員賃金と無関係と強弁
 交渉団からは、「税金の使い方と言うが、公共事業費などと違って、公務員の人件費は、個人消費につながり、地域経済に直接影響する。750万人の公務関連労働者はもとより、年金生活者など3000万人への影響を理解しているのか」「これまでとは違い、公務員までマイナスだと言って、中小企業の経営者が賃下げしている。そうした実態を総務省としてきちんと把握したうえで、公務員賃金を検討すべきだ」など、公務員賃金の社会的影響をふまえようとしない姿勢を非難する声が上がりました。
 伊藤課長補佐は、「民間賃金の決め方は、こちらがどうこう言う話ではない。経営者が公務員賃金を見て、給与を下げるのに反対というのなら、声を出すべき人が出せばよい。労使で話し合うべきことだ」などとのべ、民間の賃下げは、すぐれて労使間の話であるとの態度をとったため、交渉団は、「賃金も、市場の原理のなかで動いている。公務が下がれば、それと連動して民間が下がるのは市場の原理だ。それを労使間の話に矮小化するのはそもそもおかしい。公務員賃金の社会的影響をどう考えるのか!」ときびしく追及しました。
 伊藤課長補佐は、「勧告がマイナスになったことで、インパクトがあったことは確かだ」などとし、「社会的影響がないとは断言するつもりはない」とのべましたが、それ以上の言及はありませんでした。
 これらのやりとりをふまえ、駒場議長は、「マイナス勧告が影響して、社会福祉法人に対する補助金の削減を各自治体が求めている。総務省は、そうした事実を受けとめ、認識をあらためるべき」と強く指摘したうえで、最後に、「人事院勧告制度はすでに破綻しており、そのことから、最終交渉でも『勧告制度尊重』の回答が示されるならば、断じて容認できないことを言っておく。職員の生活改善、消費不況の打開にむけた賃金改善が必要であり、徹底した労使間の協議のもとで決めていく制度確立を求める。また、『公務員制度改革』では、労働組合の主張に耳を貸さず、話を聞き置くだけの行革推進事務局の態度は、ILO勧告の『意味のある交渉・協議』とは相いれない。ILO勧告にそった『改革』にむけた対応を総務省に求める。不利益遡及問題では、国公労連が明日、裁判所に提訴する。公務労組連絡会としても、最後まで足並みをそろえてたたかっていく決意を申し上げておく」とのべ、この日の交渉を終わりました。
以 上