No.382
2003年3月4日
公務労組連絡会FAXニュース
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7千人が参加して共同行動を展開
=春闘要求の実現をめざし「3・4中央行動」でたたかう=
 全労連・国民春闘共闘の統一行動日となった4日、公務労組連絡会は今春闘最大規模の中央行動にとりくみました。
 全国各地から集まった仲間は、総務省・人事院・行革推進事務局への要求行動、日比谷公園での総決起集会、各ターミナルでの宣伝行動などを展開し、切実な要求実現にむけて力いっぱい奮闘しました。
 この日は、民間組合を中心にした国会前の座り込みや厚生労働省包囲行動、全労連女性部の「菜の花」行動などが同時並行でとりくまれ、民間・公務あわせて7千人が参加する大行動となりました。
 中央行動には、公務労組連絡会全体で3,500名が参加しました。
全労連など3者共同で決起集会・国会請願デモ
 抜けるような青空がひろがった東京は、前日の「春一番」とは名ばかりで、朝から冷たい北風が吹き荒れ、真冬の寒さの中の行動スタートとなりました。
 12時40分からは、全労連・国民春闘共闘・労働法制中央連絡下の3者共催による「雇用・暮らし・いのちを守る中央決起集会」が日比谷野外音楽堂で開会し、公務各単産をはじめ、建交労・全国一般・生協労連などたくさんの民間組合の旗が会場にならびました。
 主催者あいさつした全労連の熊谷議長は、「全国でひろがる運動を背景に、4野党共同で医療費3割負担凍結法案が提出された。労働法制改悪など悪法ねらう国会へのたたかいを強めよう。賃金闘争では、ストライキをふくむ闘争体制を確立し、要求前進に全力をあげよう」とのべ、春闘ヤマ場にむけたたたかいの強化をよびかけました。
 集会には、日本共産党の穀田恵二衆議院議員、中央社保協を代表して保団連の室生会長が連帯・激励にかけつけ、穀田議員からは「医療費引き上げ凍結の運動の盛り上がりをつくったのはみなさんの力だ。4野党共同して国会のなかで奮闘する」との決意ものべられました。
 つづく各組織からの決意表明では4人が発言し、公務労組連絡会を代表して駒場議長が「国公労連は明日、不利益遡及を裁判で争うため、国を相手に提訴する。公務労組連絡会としても、労働法制改悪阻止のたたかいともむすびつけてがんばりたい」と力強く決意をのべました。
 集会では、「民主的公務員制度の実現を求める決議」「イラク戦争反対、平和的解決を求める決議」など4本の「特別決議」が採択され、それらの決議をもってただちに各機関への要請行動がとりくまれました。
 最後に団結ガンバロウで集会をしめくくり、参加者は、国会請願デモに出発しました。
総務省・人事院は公務労働者の暮らしと権利を守れ
 デモ解散後は、総務省・人事院・行革推進事務局に分かれて、それぞれ要求行動にとりくみました。
 総務省前の要求行動では、堀口副議長(国公労連委員長)が主催者あいさつし、「政府・総務省が強行実施したマイナス勧告は、民間にも影響し、デフレの元凶となっている。こうしたなか出されたILO勧告は、日本政府の条約違反を明確に示した。アジア諸国の労働者の権利後退にもつながる『公務員制度改革』を許さない世論をひろげよう」と呼びかけました。
 各単産からの決意表明では、「失業率は5.5%、自己破産は20万件。どこまで国民と公務員をいためつけるのかと、片山総務大臣に言いたい。春闘勝利へ地域に足を出す」(全司法九州地連書記長・岩満さん)、「地域に密着して住民のために仕事をしている。公務員制度改悪が強行されても、住民は決して納得しない。共同してたたかう」(高知市職労・坂田さん)、「一般公務員の賃下げを口実に、総務省当局は賃下げを提案。2003年春闘要求を来週提出する。ともにがんばる」(郵産労委員長・田中さん)などの発言がつづき、最後に自治労連本部・佐藤さんのリードによるシュプレヒコールで要求行動をしめくくりました。
 人事院前行動では、松村副議長(全教委員長)が「マイナス勧告は、人事院の自滅行為だ。第三者機関としていったいどんな役割を果たしているのか。大義は私たちにある。さらに地域の共同を大きく前進させよう」と主催者あいさつし、各単産からは、「独自に家計簿調査にとりくんできた。6割は生活実態が苦しいと答えている。賃金要求実現にむけて奮闘する」(全建労本部・上間さん)、「公務員の利益擁護機関としての役割を放棄する人事院は、断じて許されない。広範なみなさんとともにたたかう」(全教副委員長・長谷川さん)、「公務員準拠とは名ばかりで、民間の福祉職場では、25年間働いても20万円というおそるべき低賃金だ。処遇が改善されてこそ福祉サービス改善にもつながる。意気高くたたかいぬく」(福祉保育労副委員長・前田さん)など、たたかう決意が表明されました。
 決意表明をうけて、人事院に対して、全教本部・北村さんのリードによるシュプレヒコールをぶつけました。
 これらの行動と並行して、虎ノ門の行革推進事務局前では、「公務員制度改革」関連法案の国会提出をねらう推進事務局に対して、怒りの要求行動がとりくまれました。
 主催者を代表し、若井副議長は「歴史的、画期的なILO勧告に対して、政府は『理解しがたい』などと居直っている。こうした態度を断固糾弾し、国内外で大きな世論をつくり、『大綱』撤回にむけて全力でたたかおう」とあいさつし、各単産の決意表明では、「公務員制度改革は、私たちの身分、労働条件だけでなく行政の執行面でも利用者・国民のためにならない。職場に無用な競争をもちこみ、上司や政府の顔色をうかがって仕事をする職場にしてはならない」(全労働九州地協・竹内さん)、「埼玉県志木市では、『構造改革特区』で、650人いる職員を、有償ボランティアを採用することで50人にする構想だ。そうした『改革』の先取りは許さない。地域住民とともにたたかう」(自治労連政策運動局長・田中さん)など、怒りの発言がつづきました。
「1分間決意表明」でおたがいの奮闘を誓い合う
 3つの行動に参加した仲間は、ふたたび日比谷公園に集結し、公務労組連絡会主催の「労働基本権回復、民主的公務員制度確立をめざす中央総決起集会」が開始されました。
 折からの強風で、ロープで固定された舞台上の看板は前後左右に揺れ、会場にはためく組合旗も吹き飛ばされそうななか、高坂事務局次長の司会ではじまった集会は、駒場議長が「医療費負担凍結の決議が、40以上の県議会で採決されたように、運動の大義はわれわれにある。『公務員制度改革』が重要局面を迎えているが、労働基本権をとりもどすため全力をあげよう」とあいさつし、つづいて、全労連の國分事務局次長、民間組合を代表して通信労組の岩崎委員長から、激励・連帯のあいさつが送られました。岩崎委員長から、NTTの不当なリストラ攻撃にふれながら、「公務員制度改革の能力主義強化は、国民サービスを低下させるもの。法案が出されたら、廃案にするためたたかう」と熱いエールが送られました。
 浜島事務局長の闘争報告では、この間の総務省・人事院との交渉の経過が報告され、「民間準拠・勧告尊重」の不当な態度を許さず、最終回答までたたかいを追い上げようといっそうの奮闘をよびかけました。
 その後、7つの単産から「1分発言」にうつりました。各単産からは、「一方的な市町村合併に反対し、市町村長会などの決起大会が開かれた。地方・地域から共同する仲間たちとともにがんばる」(自治労連書記長・三宅さん)、「指導力不足教員のレッテルを張るやり方は、『公務員制度改革』と根っこは同じ。団結の力で運動を発展させよう」(日高教書記長・北野さん)、「特殊法人つぶしの独立行政法人化法案が国会に提出されている。非常勤職員の雇い止め、労働条件改悪を許さずたたかう。特殊法人労働者は、戦争に協力しない」(特殊法人労連事務局次長・篠原さん)、「春から郵政公社がスタートする。能力賃金の強化に反対しつつ、公社移行後も郵政事業のあるべき姿を国民に訴える」(郵産労本部・日巻さん)、「賃下げの強行に反対し、サービス残業の根絶をめざす。アメリカの労働組合とも連帯し、イラク戦争を許さず、平和を守るため力いっぱいたたかう」(福祉保育労書記長・桑本さん)、「大学法人化の法案が国会に提出され、いよいよ重大局面をむかえた。国立大学そのものの解体を許さず、みなさんの力を借りながら、全力でたたかう」(全大教副委員長・三宅さん)など、公務職場の仲間の声を代表した決意あふれる発言がつづきました。また、近畿ブロック国公の仲間たちが舞台に上がり、代表して秋山事務局長が、「国公労連の裁判闘争には、近畿から28名の原告を出す。全力でたたかう」と決意表明しました。
 集会は、国公労連本部の井上さんによるシュプレヒコールのあと、大橋幹事の提案で「集会アピール」を全体で採択し、最後に松村副議長による団結ガンバロウで決起集会を閉じました。
 その後、東京駅丸の内口・有楽町マリオン前・虎ノ門交差点に分かれて、街頭宣伝行動にとりくみ、すべての労働者の賃金底上げ、民主的公務員制度の確立を訴えました。
以 上
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3・4集 会 ア ピ ー ル
 いのちと暮らし、雇用を守れ!戦争反対、平和な世界と日本をつくろう!2003年春闘の前進をめざし、全国各地から集まった仲間たちは、今日、首都東京において「3・4中央行動」で奮闘しました。
 小泉内閣は、「構造改革」の名のもとに、社会保障制度の大改悪、大増税などいっそうの国民いじめをすすめています。財界も、賃下げや大リストラによって、労働者への「痛み」を押しつけながら、その一方で、高水準の利益をあげています。
 景気はいっこうに回復の兆しが見えてこないのに、このうえ消費税引き上げまでもたくらむ財界・政府の姿勢は、少しでも暮らしを良くしたいという庶民のささやかな願いを土足でふみつけるもので、怒りの声は国民的に高まっています。そのことは、4月からの医療費3割負担凍結をもとめる運動が、自民党の支持基盤も巻き込んで各地で盛り上がっていることにも象徴されています。
 こうしたなか、2003年春闘を文字通り「国民総決起」のたたかいの場にするため、私たち公務労働者は、その先頭にたってがんばることがもとめられています。
 史上初めての「マイナス勧告」「マイナス仲裁裁定」、道理のない「賃下げ遡及」などの攻撃は、労働基本権回復など民主的公務員制度確立のたたかいとも結びついて、民間・公務の仲間による共同をこれまで以上に前進させました。こうした共同の力を、この春闘でどうやって実を結ばせるのか、それは、いまこの瞬間の私たちの奮闘にかかっています。
 とりわけ、労働組合との交渉・協議による納得や合意をないがしろにして、「公務員制度改革」関連法案の国会提出がねらわれるもと、民主的な行政・教育、住民本位の地方自治体づくりのためにも、法案提出を断じて許すわけにはいきません。私たちは、「全体の奉仕者」としての役割を発揮するため、民主的公務員制度の実現をもとめます。働くものの権利である労働基本権確立をもとめます。国際労働基準であるILO勧告にそった改革を心からうったえます。
 春闘のヤマ場はもう目前です。賃金底上げなどすべての労働者・国民の生活の改善にむけて全力でたたかうこと、イラク戦争阻止、有事法制反対、教育基本法・憲法改悪阻止など平和と民主主義を守るたたかいに職場から結集すること、そして、小泉「構造改革」に反対する人々と固く手を結び、地方政治と国政の民主的転換をめざすこと、そうした奮闘をおたがいに誓い合おうではありませんか。
 2003年春闘に勝利しよう!