No.378
2003年2月14日
公務労組連絡会FAXニュース
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政府・人事院に春闘要求書を提出
= 12,000円以上の賃上げなど要求実現を強く求める =
 公務労組連絡会は14日、「12,000円以上、誰でも10,000円」の賃上げなどを柱とする「2003年春闘要求書」を政府(総務省)と人事院に提出しました。
 財界が賃下げ攻撃をいっそう強め、トヨタをはじめ民間の大手組合がベア要求を見送るなか、切実な要求実現にむけて、民間・公務の共同をひろげながら、使用者としての政府追及を職場から強めていくことが重要となっています。
 要求書提出によって、賃金・労働条件改善を求める公務労働者のたたかいも本格的にスタートを切りました。今後、交渉を積み上げながら、3月12日の全労連・国民春闘共闘の「統一回答指定日」にむけて、政府・人事院から誠意ある回答を引き出すため、中央・地方のたたかいをすすめていきます。
「勧告尊重」の従来通りの回答では不十分だ
 午前11時からの総務省交渉には、公務労組連絡会から、浜島事務局長を先頭に、高坂・黒田両事務局次長、国公労連から本多中央執行委員が出席、総務省側は、人事恩給局総務課の伊藤総括課長補佐、山石課長補佐ほかが対応しました。
 浜島事務局長は、要求書を手渡したうえで、「デフレ不況のもとで、労働者の賃上げにむけて政府の役割は重要となっている。民間のきびしい状況はあるが、生計費にもとづいて賃金改善をはかっていくのが使用者としての責任でもある。賃金や労働条件の改善は、安定した公務労働を確保する上でも不可欠だ。そうした観点をふまえて、過日の臨時総会で要求を全体で確認した。誠意ある回答を求める」として、要求書にそって以下の点を主張しました。
○要求アンケートの結果にもとづく「12,000円以上、誰でも10,000円」の賃上げは、6割以上の組合員が「生活が苦しい」と回答していることからも、きわめて切実な要求だ。さらに、常勤・非常勤にかかわらず、すべての公務労働者の賃金底上げのため、要求に沿った賃金改善を求める。また、自立・自活していくには、初任給引き上げは重要だ。
○労働基本権の問題では、ILO勧告が出され、その対応が政治的にも焦点になっているもとで、現行法にとらわれず、公務労働者の権利確立にむけて、政府として、十分な検討をはかるべきだ。
○「公務員制度改革」は、法案策定にむけた作業がすすめられているが、その内容は、われわれの主張とは大きく異なっており、労働組合の要求をふまえた検討を求める。とくに、ILO勧告でも指摘されたように、労働組合との十分な交渉・協議を強く求める。
○労働時間短縮の課題では、年間1800時間の公約がいまだに達成されていないことは重大。要求アンケートでも、65%が「仕事がきつい」と回答しており、長時間労働の解消が求められる。健康だけでなく、人間らしい生活を確保する観点からも重要だ。
○男女共同参画にむけて政府も力をいれているが、育児休業や介護休暇など、男性をふくめてとりやすい制度にしていく必要がある。昨年の人事院勧告の指摘もふまえ、男女ともに育児休業がとれる制度や環境を整えるため緊急な手立てを求める。
○健康に不安を感じる職員が増えているなかで、災害補償制度の拡充が求められている。そのため、公務災害時の給付水準のひきあげなど国・地方公務員災害補償法の抜本的な改正を求める。
 これに対して、伊藤総括補佐は、「みなさんの要求はうけたまわった。多岐にわたる要求であり、担当部局で検討したうえ、3月のしかるべき時期に回答したい」とのべました。
 浜島事務局長は、「昨年の賃下げ勧告の経過からしても、『勧告尊重』とする従来通りの回答では不十分だ。使用者としての責任ある回答を示すべき。今後、誠意をもって交渉にのぞんでもらいたい。労使自治は重要な社会的ルールであり、ILO勧告も、そのことを労使双方に問題提起している。交渉レベルの引き上げもふくめ、積極的な対応を強く求める」とのべ、交渉を締めくくりました。
地域間格差の「見直し」、非常勤職員の賃金改善などを強調
 総務省に引き続いて、人事院に要求書を提出しました。人事院側は、総務局の青木主任職員団体調査官が対応しました。
 浜島事務局長は、総務省と同様に要求の趣旨をのべつつ、以下の点を強調しました。
○公務員給与の地域間格差の「見直し」が研究会で検討されているが、これまで主張してきたように、同じ仕事をしていながら地域間で格差をつけるのは公務になじまない。「同一労働同一賃金」の基本を堅持すべきだ。研究会の中間報告がまとめられるタイミングをみて、あらためて公務労組連絡会としての意見をのべたい。
○非常勤職員の均等待遇にむけて人事院として必要な対応が求められる。同じ公務の職場で働き、公務の能率向上に奮闘している。非常勤職員の実態調査を手始めに、労働条件の改善にむけて人事院として努力すべき。
○超過勤務の解消をめざして人事院は年間360時間の上限規制をしめしたが、依然として恒常的な残業の実態は改善されていない。年間120時間以内に制限をきびしくするとともに、実効ある超過勤務規制を求める。
 青木調査官は、「要求は、それぞれ関係部局に渡して検討したい」と回答しました。
以 上