公務員制度にかかわる声明・談話


国家公務員法「改正」法の成立にあたって(談話)


2007年6月30日
公 務 労 組 連 絡 会
事務局長 若井 雅明

1、本日午前の参議院本会議で、「天下り自由化」などを柱とする国家公務員法「改正」法が、可決・成立した。
 安倍首相が「戦後レジームからの脱却の中核」と位置付け、自民党中川幹事長が参議院選挙対策の「三本の矢」としたこの法案は、そのねらい目的からして、憲法原則に基づく国民本位の民主的公務員制度改革とは無縁のものであった。

 その上、会期延長を図りながらも審議を深めるどころか内閣委員会での討論を打ち切ったうえ、「中間報告」による本会議での強行採決は、民主主義のルールを根底から切り崩すもので、内容においても方法においても到底容認できるものではない。

2、そもそも、第166通常国会に国家公務員法の「改正」法案を含む「公務員制度改革関連法案」の提出が浮上してきたのは、安倍首相の「美しい国」及び日 本経団連の「希望の国」をめざすこと並びに自民党の参議院選挙対策に端を発しており、国民が求める民主的「公務員制度改革」とは全く無縁のものである。

 「美しい国」「希望の国」とは、国民が主人公という戦後の憲法的価値観を否定し、「国家が主人公」「財界が主人公」という国 民主権など憲法原則を全面的に否定した国家をめざすものである。その国家に相応しい「公務員制度」と「公務員」をつくるというねらいがあり、憲法遵守を義 務づけられている公務員労働者として断じて認める訳にはいかない。

3.そのため、法案の内容においても「天下り」を規制するという喧伝とは裏腹に「天下り」を自由化するものになっており、また労働基本権を制約したまま「能力・実績主義の人事管理」を導入するものとなっている。

 さらには、財界のリクエストに応え「官民の人材交流」を口実に、行政中枢部を財界に開放すること、加えて使用者の恣意的な分限処分の危険性など問題点が多いものとなっており、国民の期待に応える内容とは異なるもの言わなければならない。

4.第166通常国会は、20回近くも強行採決が行われ、国会本来の役割と責務を投げ捨て、悪法の「成立マシーン」と化した。こうした強権的国会運営を強要した安倍政権を一日も早く終焉させることは、日本の民主主義にとって極めて重要なことと言わなければならない。

 7月12日公示、7月29日投票予定の参議院選挙において、憲法改悪を許さず、格差と貧困の拡大をなくし、国民の安全と安心を確立し、地方の切り捨てを許さないためにも、自公政権に絶対に過半数を与えないよう運動を強める。

 公務労組連絡会は、悪政をやめさせることと、みずからの要求実現を固く結合させ、国民的な共同をひろげるために引き続き奮闘する決意である。

以 上