私たちの声明・談話
公 務 労 組 連 絡 会



08年春闘の政府・人事院回答に対する声明

2008年3月19日
公務労組連絡会幹事会

1、政府・人事院は本日、2008年春闘要求に対する最終回答をおこなった。
 その内容は、「平均11,000円・2.8%」など賃金改善要求に対しては、「人事院勧告制度の維持尊重」(総務省)、「官民較差に基づく適正な公務員給与の水準確保」(人事院)と回答するとともに、本府省手当新設や住居手当の見直し、所定勤務時間の見直しや超過勤務縮減の具体的施策の実施、非常勤職員の給与にかかわる指針策定なども示された。
 昨年10月に出された専門調査会の最終報告を経て、公務員の労働基本権回復が、政府みずからがめざすべき課題となっているもと、従来と何ら変わらず、勧告制度の枠内の回答にとどまったことは、きわめて不満である。


2、増税や物価上昇で生活悪化がすすみ、要求はいっそう切実となっている。とりわけ、民間よりも低い初任給の引き上げや、灯油高騰に対応する寒冷地手当の改善を強く求めてきたが、明確な回答は示されず、勧告期に引き継ぐ重要課題となっている。また、本府省手当は、中央・地方の格差をさらに拡大するもので、認められるものではなく、自宅に係る住居手当の廃止を含む検討も、地方公務員への影響をふまえた慎重な対応が必要である。
 同時に、指針(ガイドライン)策定の方向が示された非常勤職員の給与改善や、所定勤務時間短縮の早期実施などは、春闘回答を足がかりにして、具体的な改善を確実に勝ち取るために、引き続き追及の強化が求められている。


3、福田内閣が、通常国会への「公務員制度改革基本法案」の提出をねらうもと、春闘交渉では、総務省に対して、労働基本権回復をはじめとする民主的公務員制度の確立にむけて、使用者としての具体的な検討を強く求めてきた。しかし、最終回答ではそのことにいっさい触れられず、前向きな姿勢はまったく見られなかった。
 一方で、労働基本権問題を棚上げにし、政府の専門調査会が示した労働協約締結権付与にむけた検討さえも先延ばしにする動きが、政治的にも強められていることは重大である。今後、政府が使用者としての責任を果たすとともに、すみやかな労働基本権の回復を強く要求するものである。


4、先週12日の民間大手の集中回答では、わずか1,000円程度の低ベアで妥結し、史上最高の利益をあげながらも、賃金抑制を貫徹した経営側、要求そのものを自粛した労働側の双方が、今年も、大幅な賃上げにむけた労働者の期待を裏切る結果となった。
 こうしたなかで、膨大なワーキングプアが生み出され続けている。偽装請負や違法派遣が横行し、「なくせ貧困!」の世論と運動は、ますます高まらざるを得ない。
 公務労組連絡会は、格差と貧困の根源にある「構造改革」にストップをかけ、大企業の横暴を許さず、仲間たちの怒りと要求に依拠して、正規・非正規を問わずすべての労働者の賃金底上げをはじめ、切実な要求実現へ全力でたたかう決意である。