「公務員制度改革」闘争ニュースNO.58【2008年5月28日】

自公民三党が「公務員制度改革基本法案」採決を強行

= 衆議院内閣委員会、わずか15時間の審議で =


 衆議院内閣委員会は28日午後3時過ぎから「公務員制度改革基本法 案」の審議を再開し、自公民三党による修正案を、共産党を除く与野党の賛成多数で可決しました。法案は、明日(29日)の衆議院本会議で採決され、30日 には福田首相出席のもと、参議院(本会議)での審議がはじまる見込みです。  全労連「公務員制度改革」闘争本部は、委員会再開を前にした午前11時30分から、公務労組連絡会と共同で衆議院議面集会を開催、引き続き傍聴監視行動 を行いました。

労働基本権は「国民に開かれた自律的労使関係を措置する」と修正

専門調査会の最終報告からも後退

 自公民三党による共同修正案は、政財官の癒着を断ち切ることをはじめ、天下り禁止や特権キャリア優遇 の人事制度を改めるという国民が求める改革とはならず、労働基本権についても専門調査会報告から後退した内容です。国民生活ともかかわる重要法案が、わず か1時間半あまり、5月9日の趣旨説明からさえ15時間という短い審議で採決が強行されたことは、けっして認められるものではありません。

 また、こうした法案が、自公与党と民主党の密室協議にもとづいて強行可決されたこと、それに形ばかりの修正で採決に協力した民主党の責任もまた重大です。  引き続き参議院において徹底した審議がすすめられるよう、全国から「公務・公共サービス充実署名」を最大限集約し、5.30中央行動の成功をはじめとする運動の強化が求められます。

 修正案の主な内容は次のとおりです。

1.基本理念として、男女共同参画社会の形成に資することを追加。

2.国家公務員の役割に関し、政治主導を強化する旨を明記するとともに、国家戦略スタッフ及び政務スタッフを特別職の国家公務員とする。

3.内閣の人事管理機能を強化し、多様な人材の登用及び弾力的な人事管理を行えるよう措置を講じる。

 @幹部職員、管理職員を対象とした新たな制度を設ける。

 A幹部職員の任用は、内閣官房長官が的確性を審査し候補者名簿を作成する。任免は、各大臣が総理及び官房長官と協議して行う。

 B幹部職員、管理職員に国の行政機関の内外からの人材登用に努める。

 C幹部職員等の任用、給与等の処遇は、職務の特性や能力・実績に応じた弾力的なものにする。

4.職員の育成及び活用を府省横断的に行い、幹部職員等の適切な人事管理を徹底するために一元的に行う事務を次のよう改める。

 @総合職試験合格者からの採用・各府省への配置・調整の規定は削除。

 A幹部職員等の定数の設定・改定、管理職員の選考の統一基準、幹部職員以外の職員の府省横断的な配置の指針作成を追加。

5.政策の立案等の責任を明確化するとして、政務官の設置及び他の職員の国会議員への接触を制限する規定は削除し、職員と国会議員との接触に関する記録の作成、情報の適切な公開のための措置をとる。

6.定年を段階的に65歳に引き上げ、その際、高年齢職員の給与を抑制できる制度を検討。

7.内閣人事庁の設置に代えて内閣官房に内閣人事局を置く。

8.労働基本権に関する規定は次のようにする。

「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとすること。

「自民・公明・民主の修正協議は茶番に過ぎない」と怒り

 法案の採決がねらわれる緊迫した情勢のもと、全労連「公務員制度改革」闘争本 部は、28日の昼休みに衆議院議面集会を開催しました。主催者あいさつした小田川本部長は、「修正協議は、自民・公明・民主による茶番だ。政治的思惑を優 先させ、国民全体の奉仕者としての公務員の性格が欠落している」と厳しく批判し、採決が強行されても、民主的公務員制度の実現へ引き続くたたかいの強化を 呼びかけました。

 国会から駆けつけた日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は、急テンポで変化する国会情勢を報告しつつ、「法案は、官民の癒着を いっそう促進するものだが、修正されてもその方向は変わらない。労働基本権の取り扱いも、あいまいなままとなっている。さらに国民的な議論をひろげて、法 案の問題点を明らかにしよう」とのべました。

 各単産の参加者からは、「各地で憲法キャラバンがとりくまれ、自治体首長に公務・公共サービスの拡充を要請してきた。国民の 求める改革を実現するため、公務・公共サービス拡充署名の最大限の集約をめざす」(自治労連・鈴木中執)、「国会傍聴に2回はいったが、同じ答弁の繰り返 しは法案審議に値しない。このうえ、採決などとんでもない。安全・安心の公務員制度改革へ奮闘する」(国公労連全気象・冨安委員長)、「財界は、労働行政 に対して、指導・監督するなと主張している。官民交流の拡大は、こうした財界の意向をひろげ、行政の癒着をすすめるものでしかない」(国公労連全労働・河 村副委員長)、「先日のILOユネスコ調査団は、労働基本権が焦点の一つだ。憲法を守り、憲法をいかす公務員制度へ奮闘したい」(全教・東森書記長)など の決意がのべられました。

 最後に、全労連闘争本部の寺間事務局長が行動提起し、「自公民の合意は認められず、引き続く国会審議で、修正合意の不当性を 明らかにしていこう」とのべ、30日の中央行動への結集、公務・公共サービス拡充署名の追い上げとともに、労働基本権剥奪から60年にあたって開催する7 月12日のシンポジウムへの参加が訴えられました。

以 上