「公務員制度改革」闘争ニュースNO.43【2004年12月16日】
「公務員制度改革大綱」の撤回を申し入れ
= 「新行革大綱」の閣議決定ねらうもと白紙からの議論を求める =
小泉内閣は、国家公務員の大幅削減や「市場化テスト」などを通して、いっそうの公務職場の破壊をめざす「新行革大綱」の閣議決定をねらっています。
同時に、「新行革大綱」では、「公務員制度改革」の2006年からの制度実施を見送ることや、現行制度下での評価制度導入などの内容を盛り込もうとしています。
こうした「新行革大綱」の閣議決定がねらわれ、「公務員制度改革大綱」の見直しが政府に迫られているもとで、全労連「公務員制度改革」闘争本部は16日、あらためて「公務員制度改革大綱」の白紙撤回を求め、政府・行革推進事務局に申し入れました。
労働基本権の回復こそ「改革」に求められた課題だ
行革推進事務局への申し入れには、全労連闘争本部から、岩田事務局長、若井事務局次長、黒田闘争委員が出席しました。
はじめに岩田事務局長が、別掲の「申入書」を手渡し、「7月に提出した全労連の労働基本権の具体的要求にかかわって、10月26日に交渉した際にも、関
連法案の検討状況について明らかにするよう求めてきた。その時点では、引き続き法案提出にむけて努力するとの回答だったが、現在、検討されている『新行革
大綱』のなかでは、2006年度からの制度開始を見送るとの方向が伝えられている。それならば、『公務員制度改革大綱』も撤回すべきだ。また、前回も強く
求めた関係大臣との交渉は、現時点でも実現しておらず、あらためて実現にむけて努力せよ」と求めました。
また、若井事務局次長は、「昨年の通常国会から数えて、4度の国会で法案提出が見送られたこととなる。そこまでやって法案と
ならなかった以上、白紙から検討をやりなおすのがスジだ。2001年の『大綱』決定からしてボタンの掛け違いがあった。『改革』をするのならば、何よりも
ILO条約・勧告に沿った内容にすべきであり、一から出直すべきだ」とのべ、労働基本権問題を柱にした議論を求めました。
行革推進事務局側は、「いただいた『申入書』とともに、うかがった申し入れの趣旨は伝える」とのべ、闘争本部側は、新たな情勢をふまえ、関係大臣との早
い時期での交渉・協議の実現を重ねて要求し、申し入れを終えました。
以 上
2004年12月16日
行政改革担当大臣
村上 誠一郎 殿
全労連「公務員制度改革」闘争本部
本部長 坂内 三夫
ILO勧告に沿った民主的公務員制度の確立を求める申し入れ
政府・行革推進事務局は、第161回臨時国会への「公務員制度改革」関連法案の提出をめざして、8月には、「国家公務員制度関連法案の骨子(案)」「新しい評価制度について(案)」などを提示し、労働組合との交渉・協議をすすめてきました。
しかし、交渉では、労働基本権回復という根本問題を棚上げにしつつ、能力等級制や評価制度が労働組合との交渉事項であることを
認めなかったことや、さらには、能力等級制と、人事院がすすめる給与制度の検討との関係など「改革」の全体像を示しえなかったことなど、到底納得できるも
のではなく、結果的には、関連法案の臨時国会への提出も断念せざるをえませんでした。
こうしたもと、今月24日の閣議決定が伝えられる「新行革大綱」では、「公務員制度改革」関連法案の提出を「改めて検討す
る」とし、2001年12月に決定された「公務員制度改革大綱」が目標に掲げた2006年度からの制度実施を見送ることや、現行法制のもとで評価制度の試
行に入ることなどを盛り込むとの報道がされています。
また、過日開かれた自民党の「公務員制度改革委員会」では、村上行革担当大臣も出席のもと、上記の点についてすでに了承されたと伝えられています。
全労連闘争本部は、この間、2度のILO勧告に沿った労働基本権回復など民主的公務員制度の確立を繰り返し求めてきました
が、政府が「大綱」で示された方針修正を迫られているもとで、あらためて、「労働基本権の制約維持」を明記した「公務員制度改革大綱」を撤回したうえで、
労働基本権回復にむけた白紙からの議論を求めるものです。
さらに、そうした議論をすすめていくうえでも、行政改革担当大臣をはじめとする関係閣僚との交渉の場の実現はますます重要となっていると考えます。
「公務員制度改革」の取り扱いを含む「新行革大綱」の閣議決定がめざされるという新たな情勢のもとで、下記の事項について、その実現を申し入れます。
記
1、「公務員制度改革大綱」を撤回し、労働基本権回復をはじめとする民主的公務員制度の確立をめざした白紙からの議論をすすめること。
2、「すべての関係者との全面的で率直かつ意義のある交渉・協議」を求めたILO勧告にしたがい、全労連「公務員制度改革」闘争本部と関係大臣との交渉・協議の場をつくること。
以 上