「公務員制度改革」闘争ニュースNO.34【2003年11月17日】

「ILOアピール」に240人の学者・弁護士が賛同

= 民主的公務員制度確立を求める運動へ激励のメッセージ =

 全労連「公務員制度改革」闘争本部は、9月から「ILO勧告勧告にそった公務員制度を求めるアピール」運動(略称:ILOアピール運動)にとりくんできました。

 この運動は、昨年11月、今年6月の2度にわたってILO勧告が出されるもとで、労働基本権回復など民主的公務員制度の実現を日本政府に求める「アピー ル」(別添)への賛同をひろげるとりくみです。当面、学者・弁護士を対象にして、賛同を呼びかけてきましたが、現時点で240人から「賛同する」との返事 が届いています。

 11月19日の第3次中央行動の総決起集会には、賛同者の一人である自由法曹団団長の坂本修弁護士に激励にかけつけてもらうこととなっています。その他、寄せられたたくさんのメッセージからその一部を紹介します。

ILOアピールで国際的に恥ずかしくない国に

網屋喜行(鹿児島県立短期大学名誉教授)  公務員の労働基本権は、1948年夏のマ書簡・政令201号以前の状況に復帰するのが当然です。つまり憲法28条の完全実施です。

泉澤章(東京合同法律事務所 弁護士)
 いつまでも「世界の常識」に背を向けていられないことを政府は真摯に受けとめるべきです。

石川憲彦(桐生合同法律事務所 弁護士)
 労働基本権を獲得し、働く者の権利を行使し、働く者が報われる社会の原動力となって欲しい。頑張れ!

井上英夫(金沢大学教授)
  公務員の労働基本権の保障こそ日本政府の守るべきグローバルスタンダードである。

岩城穣(あべの総合法律事務所 弁護士)
  全面的に賛同します。一方で現行法でも十分に改善できる国家公務員のサービス残業の解消にもぜひ取り組んでください。

岡田尚(横浜法律事務所 弁護士)
  スト権剥奪の代償機関だったはずの人事院がマイナス勧告をするなどという無法がまかり通る国を何とかILOアピールで国際的に恥ずかしくない国にしましょう。

金子ハルオ(東京都立大学・大妻女子大学名誉教授)
  私はかつてイギリスに留学していたときに警察官までもがストに加わっているのを見て、日本の公務員制度がいかに時代遅れであるかを実感しました。ILO勧告に沿った公務員制度の改革は行政の民主化の一里塚です。

木下正義(拓殖大学名誉教授)
  ILO結社の自由委員会は、日本政府に公務員制度改革の勧告を再度行った。政府はILO87号・98号条約違反の審査を放棄し、最高裁の判例に依拠する態度をとり続けており、容認できない。労働組合は世論を結集し強力に政府に対抗すべきことを提言する。

小林保夫(きづがわ共同法律事務所 弁護士)
 日本政府の「公務員制度改革」は、ILO勧告等国際基準に著しく背反したまやかしであることは明らかです。民主的改革のため頑張りましょう。

公務員の権利侵害は社会全体の問題です

坂本福子(渋谷共同法律事務所 弁護士)
  公務員に対する労働基本権は、まさに大切と存じます。国際的発展の中でILO勧告を是非日本の中で生かしていきたいと思います。

辻村一郎(同志社大学名誉教授)
  公務員が劣悪な労働条件のもとで健康が脅かされて住民サービスが不十分であるのは結社の自由が侵害されているためです。

中村和雄(市民共同法律事務所 弁護士)
 市民・住民のために責任を持って行政サービスを行なうための体制・公務員としての身分の保障などについてきちんとしていくことが必要です。

橋本敦(北大阪総合法律事務所 弁護士)
 ルールなき資本主義といわれる労働者の基本的権利の侵害をただすためにも、公務員労働者の権利確立を軸とするILO勧告にそった公務員制度改革はさしせまった重要な課題です。頑張りましょう。

深草徹(神戸あじさい法律事務所 弁護士)
 占領下の遺物である公務員労働基本権の重大な制限を撤廃しなければ日本はあたりまえの国にはなれないと思います。

福島利夫(専修大学経済学部教授)
  公務員の権利が侵害されていることは、民間部門の権利にも大きな影響を与えます。つまり、社会全体の問題です。

宮島尭(工学院大学名誉教授)
  国際的なルールに基づき公務員制度改革をすること。余りにも当然のことです。

湯浅良之助(広島修道大学教授)
  日本政府はILO勧告を即座に受け入れ、労働基本権の回復をはじめ公務員制度の民主的改革をおこなうべきである。 (50音順、敬称略)
以 上