「公務員制度改革」闘争ニュースNO.9【2001年11月15日】

いのちとくらし守る公務労働の崩壊は国民生活を直撃する

MIC、民医連との懇談会 

 対策本部は、公務員制度改革に対するたたかいへの理解と民主的公務員制度確立にむけた要求・課題を結集することを目的に各界各層の諸団体との懇談をおこ なっています。11月5日の農民連を皮切りに13日には、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)及び全日本民主医療機関連合会(民医連)代表との懇談を 全労連会館で行いました。

 いずれの懇談でも公務員と行政に対して日頃感じている問題や公務員の姿に対する批判がだされ、労働者・国民のいのちとくらしを支える公務の役割と在り方に様々な要求と課題が提起され、極めて有意義な懇談となりました。

【MICとの懇談】

国民生活と密接な関係にある公務労働を知らせて

 3時から全労連応接室で行われたMICとの懇談は、今井MIC議長(出版労連委員長)、池田新聞労連副委員長、井戸民放労連副委員長、篠塚電 算労事務局長、景山MIC事務局員を迎えて、対策本部から堀口副本部長(国公労連委員長)、尾張部事務局長、浜島事務局次長とおこなわれました。

 は じめに堀口副本部長より「公務員制度改革」の現局面と政府の「公務員制度改革」にたいする見方と要求について述べ、公務員や行政に対する批判、我々の運動 に対する意見などを聞かせてもらいたいと懇談の趣旨を述べた。また、尾張部事務局長からも公務労組連絡会が取り組んだ宣伝活動で辛辣な公務員と労働運動に 対する意見や批判が寄せられていることを資料を示して補足した。

 今井議長は、普段の生活の中では、国や自治体が国民の生活と人生にどんな係わりがあるのかが見えない。そうしたなかで多くの 労働者・国民は、倒産・失業増大で日本経済が「沈没」するのではないか、自衛隊の海外派遣で戦争に巻き込まれるのではないかと言った不安がありる。その閉 塞感とイライラが外務省不祥事や官僚の汚職事件で一般公務員も「どうしょうもない連中だ」ととらえている。不安定雇用労働者からは、公務員は「天国」とい う認識がある。何かこと(事件)が起こると、公務員労働者の姿と態度に目をむけることになる。
 日常生活を支える公務員の仕事を分かり易く宣伝することが必要だ。みなさんが出されたビラでは見えてこない。

国民に目を向けた公務員が求められている


 新聞・放送記者として自治体など公務職場を見てきた池田氏は、公務員のなかには「働く者」と「働かない者」がいる。その差は仕事 に対する認識にあるといえる。「働く人」は、国民、住民のみなさんに「喜んでもらいたい」という仕事に対する意欲がみえる。多くの公務員は、国民に目が向 かず、「議会さえ取り込めばよい」という認識で、夜遅くまで仕事をしているが国民に目が向いていない。その典型が霞ヶ関の国会対応だ。
 予算の使い方も、公務はバブル期のやり方を改めていない。また、「天下り」はノンキャリも広く行われている。
 人事考課は必要だ。そのためには公務員として何をやるか仕事の目的と目標を明確にすることだ。管理職が保身のために評価するのでは恣意的な 人事管理になってしまう。以前のキャリヤは国を意識していた。近年の官僚のトップ・事務次官には、誇りを持って仕事をしている者が少なくなっている。

労働者・国民から信頼されるたたかいを


 民放労連の井戸氏は、国鉄が民営化されたのは「親方日の丸」として「サービスの悪さ」が批判の対象にされ、民営化された。  民放労働者に対して世間は、高給を取っているとの声がある。これに対しては、仕事の実を説明をし、納得を得ることができる。しかし、「キー局が制作して いる番組は下請けや外部委託でつくられ、その労働者の賃金はどうなっているのか」という批判に答えられない弱点が労働組合にある。アルバイト、パートなど 不安定雇用労働者に目を向けた運動をしないと社会的信頼を失ってしまう。公務の場でも非常勤、派遣が増えていると聞くがどうか。

 民放労連は人事考課導入に反対している。放送文化分野で作品の評価が賃金と連動したら文化の破壊になると反対している。公務も評価が賃金に反映すれば、公務の破壊につながるのではないか。

 電算労の篠塚氏は、情報産業職場が有期・短時間雇用労働者や派遣労働者で成りたっている実態にふれて、不安定雇用労働者の要求 と支持が得られない労動組合は職場に存在できないことを強調した。日本の労働組合・労働運動が弱い立場にある労働者に目を向けたとりくみをしなければ正規 労働者の要求も前進できないことを自覚しておかなければならない。


【民医連との懇談】

 小泉「改革」に共同してたたかおう


 3時30分からは、全労連「公務員制度改革」対策本部の熊谷副本部長(全労連副議長)、小田川本部委員(国公労連書記長)、小林事務局員の3人で、民医連(全日本民主医療機関連合会)と懇談しまし。民医連からは、相野谷常任理事、大河原、永田事務局次長ら4が対応。

 最初に熊谷副本部長から公務員制度改革のねらいについて述べ、ついで小田川本部委員から「改革」の経過、内容について説明した。  民医連からは、「国民の目に映りにくい問題、国民の目から見た運動が大事では」「国民生活に対する影響は」などの質問が出された。  「ビラに対する意見」に話が集中し、公務員に対する厳しい意見は、自分たちの生活が厳しい反映であり、そのへんを解明するビラなどが必要ではないかと意見が出た。

 そして、現在政府が進めようとしている医療制度の改悪は、診療報酬が5%も引き下げられようとしており、病院経営が成り立たな いこと、保険料引き上げ、患者負担の引き上げなどであり、これへの反対運動を進めていく。こうした医療改悪も公務員にかけられている攻撃も、小泉内閣が進 める「構造改革」路線によるもので、まさに土台は一緒。医療で働くものと公務労働者との懇談を地方・地域で進めることが必要。地方社保協のなどへも呼びか けてほしいと表明した。

以 上