「公務員制度改革」闘争ニュースNO.6【2001年6月11日】

小泉流「改革」許さず、国民のための公務員

制度確立を求めて6・8中央行動を実施


 全労連「公務員制度改革」対策本部は、小泉内閣が「聖域なき『構造改革』の断行」を声高に叫ぶ中で、政府・行革推進事務局による「公務員制度改革」の 「6月中の基本設計」とりまとめを断じて許さず、国民のための公務員制度確立をめざす総決起の場として「6・8第1次中央行動」を実施しました。

 当日は天候にも恵まれ、全国から2,400名の仲間が参加する中で、国会請願デモ、全政党要請行動を経て日比谷公会堂で中央総決起集会を開 催し、公務・民間一体のたたかいを組織内外に大きくアピールしました。また、公務労組連絡会と公務各単産もこれに呼応して、早朝の霞が関一斉宣伝行動、午 前中の行革推進事務局や総務省との 交渉、午後からの全国会議員要請行動や行革推進事務局前、総務省前、人事院前での同時並行の要求行動、行動終了後の第13 回地方代表者会議と終日にわたり多彩な行動を展開しました。

● 国会請願デモに全国から2,400人が参加

 出発前集会では、岡部公務労組連絡会幹事の司会進行の もと、尾張部全労連対策本部事務局長の主催者挨拶、全国一般・大木書記長の連帯挨拶を受けてデモ行進に出発しました。この国会請願デモには、全国から参加 した仲間や霞が関で働く国公労働者が続々と集合し、2,400人が「国民のための公務員制度を確立しよう!」「生活改善できる賃金引き上げを実現しよ う!」と国会にむけてシュプレヒコールを載量かせました。

● 13万筆の請願署名で全国会議員に要請

 デモ終了後、公務労働者は、行革推進事務局前、総務省前、人事院前の3カ所で要求行動を展開し、民間単産を代表して建交労・藤吉中央執行委員、福祉保育労・村木書記長、全印総連・深野東京地本委員長がそれぞれ激励・連帯挨拶を行いました。
 また、これらと並行して短期間に全国から集まった約13万筆の「国民のための公務員制度確立を求める請願署名」を携え、衆・参両院の全国会議員に紹介議員になってくれるよう要請するとともに、全政党にも当日の午前中を中心に要請を行いました。

国民のための公務員制度改確立を

〜公務・民間一体で中央総決起集会〜

 一連の諸行動の締めくくりとして、「小泉流『改革』を許さず、国民のための公務員制度確立を! 6・8中央総決起集会」を日比谷公会堂で開催しました。会場には民間の仲間が100人近く参加して公務労働者を励ますとともに、公務員制度課題で初めて公 務・民間一体による大規模な中央集会となりました。

 集会は浜島対策本部委員と国公労連伝副委員長の司会進行で始まり、まず主催挨拶に立った小林全労連議長は「先進国のなかで、日本の公務員は 労働基本権をもつとも制限され、国民1000人当たりの公務員の数は最低である」と指摘し、「公務員制度改悪に反対し、国民サービス向上を掲げて、全職場 の団結、国民的視野にたち、世論に広く訴えて政府に立ち向かおう」と呼びかけました。次に日本共産党の大沢たつみ参議院議員、新日本婦人の会の尾田中央常 任委員から激励挨拶を受けました。

 闘争報告にたった山瀬対策本部事務局次長は、12年前の労働基準監督官当時のへルメット、作業服、安全靴という『昔の姿』で登壇し、公務員 制度の原点にかかわる課題として自らの原点に立ち返ってたたかう決意を形で表しました。山瀬氏は、政府の「公務員制度改革」が政官財のゆ着・腐敗構造にメ スを入れていないなど、叩けばいくらでも『ホコリ』がでるような公務員づくりではなく、真に国民に役立ち仕事に『誇り』の持てる公務員制度が重要であると 強調した後、「私はこの姿で言いたい!『政府の公務員制度改革は作業中止だ!』」と監督官当時の仕草で報告を結び、パフオーマンスの健在に会場は大いにわ きました。

 続いて公務・民間単産代表の決意表明に移り、国公労連・小田川書記長は、今回の 公務員制度改革が、自民党の参議院選挙対策の側面から検討されたこと、その進め方が政治主導を口実に、決められているルールを無視して進められてこと、政 と官の関係にメスを入れるといいながら『天下りの自由化』、スーパーキャリアとも言える『国家戦略スタッフ群』に見られるように、自民党と官僚の癒着=一 体化をねらっていることなど、逆立ちし、ゆがんだ改革の本質が私たちのたたかいもあって、表面化しているからだ。国民のための公務員制度確立のたたかい と、自らの労働条件改悪を無権利状態のままで強行させないという職場の怒りとを結合し、さらにたたかいを強めたい」と語りました。

 JMIU・生熊書記長は、「公務員制度改革は公務員だけの問題でなく、私たちにとっても重要な課題と考え、今日の集会には100名の仲間が 参加した。公務のみなさんは、悪政の中で、国民本位の行政を進めることが困難になっていると思うが、自分たちはこんな行政をすすめたいんだと国民に大きく アピールし、国民の求める公務員像を追求して欲しい。私たちも共同してたたかっていきたい」とエールを送りました。

 全教・東森書記長は、公務員制度改革の先取りとして、学校と教育に対してはすでに教育改革国民会議の報告が打ち出している「問題教員」排除 の人事考課制度が各地で強行されています。こうした「信賞必罰」の人事制度を盛りこんだ教育3法案阻止のため、私たちは地域に根ざして、人間的な成長を求 めている子どもたちの願いに答える教育要求で世論を結集するために奮闘しています。今朝、大阪教育大学で多数の子供が犠牲になる事件が発生した。安全で安 心して学べる学校づくり、子供たちが人間として大切にされる学校と社会をめざして、これから国会前での座り込み行動を行います。

 通信労組・野形書記長は、NTTグループで空前のリストラがおしすすめられ、労働者が苦しみ悩んでいる実態を訴えました。そして、働きがいを奪う会社の強引なやり方に職場の怒りの声がうずまき、労組を超えたたたかいに取り組み始めていることを報告しました。

 自治労連・武下書記長は、今の「改革」攻撃が、「国民全体の奉仕者」としての公務員から、時の政権や特殊な政策の従順で忠実な職執行者につ くりかえ、国民・住民と敵対する職員づくりを狙っていることを厳しく批判しました。さらに、公務とは何なのか、国民的議論で合意形成をかちとる最大のチャ ンスだと訴え、「自治体労働者として、住民に喜ばれる仕事がしたいという良心を実現するため、地域で対話をすすめ大きな国民世論としていくため全力で奮闘 することを誓う」と表明しました。

 集会は、郵産労・田中書記長の提案で「集会アピール」を採択した後、田中公務労組連絡会幹事のリードで参加者全体の力強いシュプレヒコール を唱和し、公務・民間労働者の熱きエール交換を行った後、熊谷対策本部副本部長の閉会あいさつと参加者全員の「団結ガンバロー」の大合唱で集会を締めくく り、この日の行動を終えました。

以上