【第5回ILO勧告:2009年6月19日】


ILO結社の自由委員会中間報告(勧告部分のみ)

委員会の勧告

 これまでの中間的結論に照らし、結社の自由委員会は、以下の勧告を承認するよう理事会に求める。

(a) 公務員の労働基本権の問題以前に公務員給与制度の再検討および適切な代償措置に関して特定の提案が一方的にされているという申し立てに留意し、委員会は、 公務員給与制度の検討の手続きに関して、労働基本権制約の代償措置を担保することが必要であることに留意し、双方が受けいれ可能な条件を決定することを視 野に、日本政府がすべての関係する労働組合と完全かつ率直な協議をおこなうことを期待する。

(b) 労使関係制度検討委員会における制度化された三者協議と、顧問会議の設置を歓迎し、委員会は日本も批准済みの87号、98号条約に示された結社の自由原則 の実現に必要な措置を効果的に遅滞なくおこなうことを目的に、完全な社会対話の促進の確保に必要な措置を日本政府が取るべきであるという過去の本委員会の 勧告を強く繰り返し、特に以下の点を強調する。

 (1) 公務員への労働基本権の付与

 (2) 消防職員と監獄職員への団結権の付与

 (3) 国家の運営に寄与しない公務員への団体交渉権と協約締結権の保障、および、団体交渉に関して法的制限がある職員に関して適切な代償措置が保障されること

 (4) 国家の名において権限を行使しない公務員が結社の自由原則に則ってストライキ権を行使でき、この権利を正当に行使した組合員や職員が重い民事・刑事罰を科されることがないよう保障すること

 (5) 公務分野における交渉の範囲
  委員会は、上記のすべての事項に関する進展を委員会に報告するよう政府に求める。

(c) 委員会は、労使関係制度検討委員会の追加委員を検討するときには、労使関係の観点からきわめて重要な機能を検討するという、委員会の公正な構成について、 すべての労働者の信頼を取り戻すことを視野に、すべての代表組織に公正な取り扱いをおこなう必要があることを日本政府が考慮するよう期待する。委員会は、 この点での日本政府への情報提供を要請する。

(d) 委員会は再度、日本政府が望むならばILOからの技術的支援を利用できることを指摘する。

(e) 委員会は、この件の法的側面に関する条約勧告適用専門家委員会の注意を促す。
以 上