NET ニュースNO.961 厚労省(8/10)・財務省(8/9)に要求書提出


公務員賃金改善へ厚労大臣・財務大臣の責任は重い

= 厚生労働省(8/10)・財務省(8/9)に要求書を提出 =

 公務労組連絡会は8月10日、人事院勧告の取り扱い等にかかる「公務員賃金等に関する要求書」(別記1)を厚生労働省に提出して、公務労働者の生活改善と景気回復のためにも勧告尊重にとどまらず積極的な賃金改善や非常勤職員の処遇改善などを求めました。

 また、前日の9日には財務省に要求書(別記2)を提出しました。財務省の申し入れには、川村事務局長と米田・杉本・秋山の各事務局次長が参加、財務省は主計局の若原幸雄給与共済課長と恵﨑恵課長補佐ほかが対応しました。

労働時間短縮へ厚労省みずからが実践せよ

  厚労省への要請は、猿橋議長を先頭に、川村事務局長、米田・杉本の各事務局次長で行い、厚労省は労使関係担当参事官室の森川善樹参事官と辻政司調査官、佐保隆室長補佐ほかが対応しました。

厚労省要請 猿橋議長は要求書を手交し、「使用者として、勧告尊重にとどまらず、積極的な賃金改善を行うよう求める。臨時・非常勤職員の処遇改善 へ、厚労省として均等待遇の確保にむけた努力を要請する。厚労省のガイドラインによる労働時間の把握について、総務省は地方自治体にその徹底を求めてい る。厚労省自らが実践することで各府省に広げるよう求める」とのべました。

 森川参事官は、「厚労省は、民間を指導する立場と、職場を良くする立場であり、民間に範を示す立場もある。厚労省では、子どもが生ま れた職員に対して育休取得を働きかけるよう政務が管理職に要請している。また、各職員のパソコンの稼働時間をチェックするなど、好事例は各省に普及するよ うにしている」などとのべ、「人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置であり、勧告は尊重する立場で給与関係閣僚会議には臨むこととなる」と回答しまし た。

 最後に、猿橋議長が「給与関係閣僚会議での厚労大臣の役割は重い。公務員賃金改善へ厚生労働大臣としての努力を求める」と発言して交渉を終わりました。
以 上


(別記1)
2017年8月10日
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿
公 務 労 組 連 絡 会
 議長  猿橋  均

公務員賃金等に関する要求書


 人事院は8月8日、国家公務員給与にかかわって、月例給および一時金の改定などを内容とした勧告・報告を内閣と国会に対しておこないました。

 勧告の内容は、4年連続の改善となったものの私たちの生活と労働実態からすれば非常に不満なものです。政府が真剣に景気回復や地域経済 の活性化をすすめるのであれば、770万人の労働者に直接影響する公務員賃金の社会的影響力をふまえ、政府が率先して大幅賃上げをおこない、すべての労働 者の賃金改善につなげていくことが重要です。

 また、年金支給開始年齢の繰り延べのもとで、定年後における雇用と年金の確実な接続が重要な課題であり、その間の生活を維持するため 賃金と諸手当の改善が必要です。くわえて、公務員労働者が保有する知識や経験をいかした働きがい・やりがいのある定年後の仕事を確保することは、国民・住 民に対する公務・公共サービスの充実につながります。そのためにも、定員の柔軟な管理や定年延長の段階的実施が必要です。

 長時間労働の是正も重要な課題です。公務員人事管理に関する報告において、超過勤務の事前確認などが指摘されていますが、根本的な解決のために定員管理のあり方を再考すべきです。

 非常勤職員の処遇改善は、政府あげての課題であり、速やかに改善することが求められています。同時に、非常勤職員の最大の要求は雇用の安定であることから、「公募要件の撤廃」や公開公募のあり方を見直すことが必要です。

 以上をふまえ、給与関係閣僚会議での人事院勧告の取り扱いにあたって、貴職が下記要求にそって公務労働者の賃金・労働条件の改善に力を尽くすよう求めます。



1、職員の生活と働きがいなどを維持・向上させるため、また、公務員賃金の持つ社会的影響力をふまえ、初任給をはじめ公務労働者の賃金・労働条件の積極的な改善をはかること。

2、臨時・非常勤職員の賃金・労働条件改善をはかり、均等待遇を実現すること。5月24日の人事管理運営協議会幹事会「申合せ」による処遇改善を完全に履行にすること。

3、雇用と年金の確実な接続をはかるため、定年延長を早期に実現すること。当面、フルタイム再任用の定員は別枠とするとともに、希望者全員のフルタイム再任用を保障すること。また、再任用職員の賃金・諸手当は、年金支給開始までの生活が維持できるよう改善すること。

4、公務職場における長時間・過密労働を是正し、誰もが安心して働き続けられるようにすること。厚生労働省のガイドラインにもとづきすべての職員の労働時間の適正な把握を徹底すること。

5、労働基本権の全面回復など憲法とILO勧告に沿った民主的公務員制度を確立すること。
以 上


(別記2)
2017年8月9日 
財務大臣 麻生 太郎 殿
公 務 労 組 連 絡 会
 議長  猿橋  均

公務員賃金等に関する要求書

 人事院は8月8日、国家公務員給与にかかわって、月例給および一時金の改定などを内容とした勧告・報告を内閣と国会に対しておこないました。

 勧告の内容は、4年連続の改善となったものの私たちの生活と労働実態からすれば非常に不満なものです。政府が真剣に景気回復や地域経済の活性化 をすすめるのであれば、770万人の労働者に直接影響する公務員賃金の社会的影響力をふまえ、政府が率先して大幅賃上げをおこない、すべての労働者の賃金 改善につなげていくことが重要です。

 また、年金支給開始年齢の繰り延べのもとで、定年後における雇用と年金の確実な接続が重要な課題であり、その間の生活を維持するため賃金と諸手 当の改善が必要です。くわえて、公務員労働者が保有する知識や経験をいかした働きがい・やりがいのある定年後の仕事を確保することは、国民・住民に対する 公務・公共サービスの充実につながります。そのためにも、定員の柔軟な管理や定年延長の段階的実施が必要です。

 長時間労働の是正も重要な課題です。公務員人事管理に関する報告において、超過勤務の事前確認などが指摘されていますが、根本的な解決のために定員管理のあり方を再考すべきです。
 非常勤職員の処遇改善は、政府あげての課題であり、速やかに改善することが求められています。同時に、非常勤職員の最大の要求は雇用の安定であることから、「公募要件の撤廃」や公開公募のあり方を見直すことが必要です。

 以上をふまえ、給与関係閣僚会議での人事院勧告の取り扱いにあたって、貴職が下記要求にそって公務労働者の賃金・労働条件の改善に力を尽くすよう求めます。



1、職員の生活と働きがいなどを維持・向上させるため、また、公務員賃金の持つ社会的影響力をふまえ、初任給をはじめ公務労働者の賃金・労働条件の積極的な改善をはかること。

2、臨時・非常勤職員の賃金・労働条件改善をはかり、均等待遇を実現すること。5月24日の人事管理運営協議会幹事会「申合せ」による処遇改善にかかる十全な財政措置を行うこと。

3、雇用と年金の確実な接続をはかるため、定年延長を早期に実現すること。当面、フルタイム再任用の定員は別枠とするとともに、希望者全員のフルタイム再任用を保障すること。また、再任用職員の賃金・諸手当は、年金支給開始までの生活が維持できるよう改善すること。

4、公務職場における長時間・過密労働を是正し、誰もが安心して働き続けられるようにすること。厚生労働省のガイドラインにもとづく職員の労働時間の適正な把握を行うとともに、長時間労働を是正するため各府省庁の増員をはかること。

以 上