NET ニュースNO.953 5・25中央行動に550人


公務員賃金改善、最低賃金の大幅引き上げを

= 全労連「第1次最賃デー」行動に公務・民間から550人が参加 =

 全労連・国民春闘共闘、東京春闘共闘は5月25日、全国一律最賃制の実現と最低賃金の大幅引き上げを求めて「第1次最賃デー」中 央行動にとりくみまし た。中央行動では、霞が関周辺での早朝宣伝行動、厚生労働省前要求行動、国会請願デモ、国会議員要請などを展開。行動には、公務・民間あわせて全国から 550人が参加しました。

 全労連公務部会・公務労組連絡会は、8月の人事院勧告にむけた17夏季闘争のスタート行動と位置づけ、公務員 賃金改善、退職手当改悪阻止、臨時・非常勤職員の処遇改善にむけて、独自に人事院前要求行動、内閣人事局前要求行動にとりくみました。

臨時・非常勤職員の処遇改善、均等待遇実現を(人事院前)

 梅雨入りを感じさせる小雨がふるなか、都内各所の早朝宣伝行動がスタートしました。公務 の参加者は虎ノ門交差点と日比谷公園噴水前で、「労働法制改悪反対、最賃の大幅増員を!」とティッシュ入りビラを配布しました。

 その後の人事院前要求行動で主催者あいさつした公務労組連絡会の猿橋議長は、「すべての労働者の賃金を下支え してきた公務員賃金の引き上げ、臨時・非常勤ではたらく労働者の賃金改善を求めて、本日を契機に地域の民間の仲間とも力をあわせていこう」と呼びかけまし た。

 秋山正臣事務局次長は、人勧をめぐる情勢を報告し、「人事院は人勧にむけて作業をすすめている。『給与構造見 直し』にともなう現給保障の最終年 度であり、来年4月には実質的な賃下げの強行がねらわれている。一時金は同水準か引き下げもねらわれている」とのべ、たたかいの強化を訴えました。

 3人がたたかう決意をのべ、「本省庁で働く非常勤職員が安心して働きつづけられるよう、賃金・労働条件の改善 を求める」(国公労連・全厚生本省 支部・渡名喜(となき)まゆみ執行委員)、「生計費調査の結果では、都市部でも地方でも生計費には格差がないのに、賃金に格差があるのはおかしい」(静岡 自治労連の小泉治書記長)、「子どもたちの未来をになう学校現場で、一生懸命働いても65歳から年金はもらえるのかと若い人たちに不安がひろがっている。 人間らしく働き生きる権利を追求していく」(全教・山口県教組の林淳生書記長)と訴えました。
 最後に、郵政ユニオンの上平光男副委員長の発声で、人事院にシュプレヒコールをぶつけました。

 厚労省前要求行動では、国民春闘共闘代表委員の全労連小田川義和議長が主催者あいさつし、国民春闘共闘の伊藤 圭一常任幹事が情勢報告しました。福祉保育 労の民谷孝則書記次長、自治労連・非正規公共評議会の仁木将副議長、東京・JMITU東京地本の菊池勝彦副委員長の3人が決意を表明し、全労連の高島事務 局員の発声で厚労省にむけたシュプレヒコールを行いました。

 参加者は、12時30分から国会へむけて請願デモに出発し、共謀罪の創設反対!憲法改悪反対!最低賃金を引き 上げろ!いますぐ、どこでも1000円以上に引き上げろ!とシュプレヒコールをあげました。

一方的な退職手当改悪には断固反対(内閣人事局前)

 雨があがり気温が一気に上昇するなか、国会請願デモを終えた公務の参加者は、首相官邸む かいの内閣人事局人事局前へと移動し、退職手当の引き下げ阻止などを求めて要求行動にとりくみました。

 川村好伸事務局長が情勢報告し、昨日開かれた人事管理運営協議会幹事会で非常勤職員の処遇改善となる「非常勤 職員の給与にかかわる当面の取り扱 い」を決定したことや、退職手当の引き下げは労働条件の不利益変更であり、政府に対して、使用者として公務労組連絡会の要求を踏まえた交渉・協議を求めて いくことなどを報告しました。

 続いて3人が決意表明を行い、「非常勤職員なしには日常業務は回らない。4月に3年雇止めを撤回させ、4年目 も展望がもてるようになった。引き 続き雇用の安定をめざす」(国公労連・国土交通労組の伊藤浩司副委員長)、「地方公務員法の一部改正が成立するもと、国の臨時非常勤職員の改善に地方も遅 れることなく実施させるためとりくむ」(自治労連の福島功副執行委員長)、「定年は20年以上先だが、その頃は退職手当が1円もなくなるのではないかと漠 然とした不安が襲ってくる。働き続けたあとの退職後の生活をきちんと確保してほしい」(全教の市塚絢子中央執行委員)と訴えました。

 最後に、別記の「退職手当の引き下げに反対する決議」を特殊法人労連の矢野事務局長が読み上げて提案・確認 し、シュプレヒコールで内閣人事局に要求をぶつけました。確認した決議は、終了後、川村事務局長が内閣人事局の福澤聡参事官補佐に手渡しました。

【別掲:政府 に提出した決議文】

退職手当の引き下げに反対する決議

 政府からの要請によって民間企業の退職給付水準を調査した人事院は4月19日、公務が民間を78万1千円(3.08%)上回っており、民間との均衡をは かるため水準の見直しを行うことが適切とする見解を表明した。いま、政府による見直し作業がすすめられている。

 5年前の2012年見直しでは、400万円を超える大幅な引き下げが行われ、多くの職場に混乱をもたらした が、今回の78.1万円も決して小さ い額ではない。そもそも、この官民格差の要因が、運用の失敗や低金利などによる民間の年金払い退職給付の減少にあることも納得できるものではない。

 退職手当は、年金とともに退職後の生活を支える重要なものであり、多くの職員は現行の退職手当額を見込んで生 活設計をたてている。しかし今の制 度は、単純な官民比較による見直しの度に水準が低下するものとなっている。これでは、若手職員は将来への見通しを持てないばかりか、多くの職員のモチベー ションの維持は困難になり、公務の安定的な運営にも悪影響を及ぼしかねない。長期勤続を大前提にした公務にふさわしいルールの確立が必要である。

 来年3月定年を迎える職員の年金の支給開始年齢は63歳に引き上げられる。定年後のフルタイム再任用や生活で きる賃金が保障されていないもとで、官民均衡をタテに退職金が引き下げられることは断じて認められない。

 最高裁判例で退職手当は「賃金」であるとされている。さらには、人事院の見解でも勤務条件性が指摘されている もとで、公務労組連絡会との交渉・協議を尽くすことは政府として当然の責務である。

 「5・25内閣人事局要求行動」の参加者の総意として、政府・内閣人事局に対して以下の事項の実現を求めるも のである。

1、官民比較 を唯一の根拠とした一律の退職手当の引き下げは行わないこと。

2、公務と民間の退職金や関連制度の違いをふまえ、退職手当が公務員の重 要な勤務条件であることから公務労組連絡会との十分な交渉・協議を行い、合意を前提に見直しのルールなどを整備すること。その際、定年の段階的引き上げと 一体的な検討を行うこと。

3、地方自治体、独立行政法人等への退職手当削減の押しつけは行わないこ と。


2017年5月25日
公務労組連絡会「5・25内閣人 事局要求行動」参加者一同

以 上