No. 902
   2015年3月4日
「大幅賃上げを実現しよう」3,000人が結集

= 全労連・国民春闘共闘が 「3・4中央行動」を展開 =

 全労連・国民春闘共闘は3月4日、「誰でも20,000円以上」の賃上 げ、雇 用の確保、労働法制の改悪反対など切実な要求の実現をめざして、15春闘における最大規模の中央行動にとりくみました。日比谷野外音楽堂の集会を中心に、 各単産や共闘組織では、早朝宣伝行動や国会議員要請、各省庁交渉など終日行動を展開し、公務・民間から全体で3千人が参加しました。
  全労連公務部会・公務労組連絡会は、公務員賃金の大幅改善を求めて人事院と内閣人事局への要求行動にとりくみ、全国から集まった1千人が奮闘しました。

人事院は権利制約の「代償機関」の責務を果たせ!

 全労連公務部会・公務労組連絡会は、午前中の 人事院要求行動からスタートしました。北村佳久議長は、官民一体での春闘での奮闘を呼びかけるとともに、「人員や予算削減のきびしい中で、骨身を削って奮 闘している公務員労働者の労苦に報いるため、人事院は、労働基本権制約の『代償機関』としての役割を果たせ」と訴えました。

  賃上げなどをめぐって情勢報告した笠松鉄兵事務局次長は、公務労組連絡会が2月19日に内閣人事局と人事院に提出した統一要求をめぐって、政府・人事院へ の追及を強化するもと、人事院地方事務局交渉をはじめ職場・地域からのとりくみや3月12・13日の「50万人総行動」への結集を呼びかけました。

  各単産の決意表明では、自治労連現業評議会の永富雅生議長は、「広島の土砂災害では、学校給食の現業職員が炊き出しをして被災者救援に奮闘した。住民の生 活を支えるとともに、すべての労働者の賃上げにがんばる」とのべ、自治労連現業評議会としての総務省への3万筆の署名を提出することが紹介されました。国 公労連・国土交通労組北海道航空支部の足立支部長は、「若手職員から仕事を辞めたいとの相談があった。明るい未来が見えない。賃下げを許していいのか。す べての労働者の賃上げが必要だ」と訴え、全教・秋田高教組の菅徹書記長は「秋田では少子化に歯止めがかからない。出生率は6割も減少している。地方をない がしろにしているからだ。給与制度の総合的見直しの中止にむけてがんばる」と決意をのべました。

 最後に郵政ユ ニオンの兼子隆中央執行委員の音頭で、人事院に対してシュプレヒコールをぶつけて行動を終了しました。

労働法制の大改悪はただちに断念しろ

 引き続き厚生労働省前では、労働法制大改悪反 対、大幅賃上げ実現、社会保障制度拡充をかかげて公務・民間共同の要求行動にとりくみました。国民春闘共闘の森田稔代表幹事(東京地評議長)が主催あいさ つし、「大幅賃上げ、くらし、医療・介護など社会保障を守ると同時に、日本と世界の平和を守るため15春闘をたたかおう。本日の行動を成功させ、すべての 悪法を阻止しよう」と呼びかけました。

 激励にかけつけた中央社保協の山口一秀事務局長は、社会保障の解体攻撃 に対して、「国民に寄り添う医療介護、健康促進へむけて共同を大きくしていこう」と連帯を表明しました。
 情勢報告した全労連の井上 久事務局長は、「安倍暴走政治に対して全国で反撃の火の手があがっている。労働法制の改悪は8時間制労働そのものの危機である。12・13日のヤマ場に向 けて全組合員総決起で春闘勝利を勝ちとろう」と呼びかけました。

 3人が決意表明し、公務からは国公労連・全労 働の津川剛書記長が、「労働行政を支える立場から労働法制大改悪に反対する。5年間で10%もの国家公務員の定員削減は許さず、大幅増員を求める。臨時・ 非常勤職の削減は即解雇につながる。公務におけるブラック企業化を許さない」とのべ、民間労組からは、「政府は介護職員の人材確保が必要というが、他産業 に比べると月額10万円も安く、『これでは結婚もできない』との声があがっている。処遇改善を求め、国会要請行動にとりくむ」(福祉保育労・西浦哲副委員 長)、「1カ月間最賃体験にとりくんだ。使えるお金は必要経費を引くとわずか17,437円。これでは人間らしい生活はできない。全国一律最賃制の確立 を」(全労連・全国一般・宮城一般 菊池亮太さん)と力強く訴えました。

労働者の底力で安倍暴走政治をストップさせよう

 12時過ぎから日比谷野外音楽堂で「大幅賃上 げ実現、労働法制の大改悪反対労働者総決起集会」を開始しました。主催者あいさつで小田川義和全労連議長は、「物価上昇を上回る賃上げを勝ち取るため、こ れからの一週間で力を集中するたたかいが必要。平和と民主主義擁護、憲法改悪阻止にむけて安倍暴走政治にストップをかける草の根の運動を大規模に展開しよ う」と呼びかけました。

 2人が連帯あいさつに立ち、全国港湾の糸谷欽一郎委員長は、「雇用確保、6%の賃金改 善を求めて春闘をたたかっている。港湾職場では派遣労働者を入れさせていないが、非正規労働者が4割を超えるこの国をともに変えていこう」と呼びかけ、全 労協の金澤壽(ひさし)議長は、「大手は2%、6,000円などの数字も出しているが、非正規の賃上げ、諸権利をともに勝ちとってこその春闘。大手だけの 春闘であってはいけない。全労協は権利春闘としてたたかっており課題は同じ、みなさんの春闘での行動が、全労協の春闘にもトリクルダウンすることを期待す る」と激励しました。

 国会情勢報告に駆けつけた日本共産党副委員長の小池晃参議院議員は、政治とカネで大問題 が起きているなか企業団体献金の禁止を強く訴え、「国民の声を見ざる聞かざるで言うことは言うのが安倍首相だ。早期に退陣に追い込むため、ともにがんばろ う」と呼びかけました。

 つづいて各単産が趣向を凝らした決意表明を繰り広げ、公務からは国公労連近畿ブロック の矢野芳彦事務局長と各県国公の代表が登壇。「一にも二にも賃上げ。公務労働者の賃上げのためにも、民間の春闘をともに奮闘したい。ビラを受けとった学生 が行動にも参加するなど手ごたえを感じる。今春闘では目に見え音に聞こえ、目立つたたかいをすすめたい」とのべたあと、15(いち・ご)春闘にかけて真っ 赤なイチゴのかぶり物でパフォーマンスをして会場を湧かせました。

 その他、「3月4日は回答指定日、昨日の時 点で171支部が平均で26,577円・8.95%の要求を出した。今年も良い回答で春闘を引っ張りたい。家計簿調査では、40歳代後半の組合員で一か月 7万円の赤字という結果も出た」(JMIU・笠瀬隆司書記次長)、「医労連は月平均4万円、時給250円以上の賃上げ、医師・看護師・介護職員の増員を求 めて春闘をたたかっている。深刻な夜勤や交代制勤務の実態改善など労働条件の改善で、患者さんに寄り添いたい」(東京医労連・長澤貴之さん)、「子どもが 19歳になると母子手当てがなくなる。医療費も有料になり病院にいけない。時給を上げて!」(生協労連・中井智美中央執行委員)などの決意表明とともに、 「菜の花春闘」を早朝からとりくんできた全労連女性部のみなさんから、男女平等指数が142カ国中104位、女性の6割が非正規労働者という日本の実態を 示したパフォーマンスで決意をあらわしました。

 最後に国民春闘共闘の大谷充代表幹事が閉会あいさつし、その 後、参加者は国会請願デモと銀座デモに分かれて会場を出発しました。

公務員の賃下げと定員削減はゆるさない

 公務の仲間は国会請願デモにとりくみ、終了後 は、首相官邸前の内閣人事局への要求行動にうつりました。公務労組連絡会の宮垣忠副議長が主催者あいさつし、「個人消費は減少しており物価上昇に追いつい ていない、大企業は285兆円もの内部留保を溜め込んでいる。安定した雇用こそが景気回復への道。公務員の新たな定員削減計画は中止させ、公務・公共サー ビス拡充にむけて奮闘しよう」と呼びかけました。

 民間部会を代表して笠瀬JMIU書記次長がかけつけ、官民共 同のたたかいの強化を訴えました。
 内閣人事局への課題にかかわり情勢報告した川村好伸事務局長は、「給与制度の総合的見直し」の中 止、臨時・非常勤職の雇用安定、総人件費削減に反対することなどを報告しました。

 各単産の3人が決意表明し、 「『給与制度の総合的見直し』は矛盾を重ねることになる。地方・地域を励まし、15春闘で実質賃金の大幅賃上げを勝ち取るため民間のなかまとたたかおう」 (自治労連・田川英信副委員長)、「北海道では法務局まで30キロかかる官署が点在する。それなのにさらに10%もの定員削減の合理化計画が出されてい る。国民への行政サービスの拡充こそが必要」(国公労連・全法務北海道地本・宇美隆浩副委員長)、「大阪都構想にむけての安倍政権と維新の会のヤミ取り引 きは許さない。大阪都構想ノーを維新の会に突きつけ、安倍退陣へ追い込む。教育長のパワハラ人権侵害も許さない」(大教組・藤川真人副委員長)と決意を語 りました。

自交総連の要求行動を支援、民間・公務の共同を強める

 民間労組では各省交渉や国会議員要請などがと りくまれ、自交総連の国土交通省前の座り込み・個人請願・抗議行動には公務の仲間も連帯して参加しました。
 公務労組連絡会の北村議 長は、「春闘をともにたたかおうと、全労連民間部会とも2度の懇談会にとりくんできた。2月28日のJMIU東日本集会にも参加してエールを送った。とも にがんばろう」とあいさつしました。
以 上