No. 892
   2014年8月4日

炎天下の座り込みを3日間わたって打ち抜く

= 連日の猛暑のなか800人が参加して人事院に怒りを示す =

 「給与制度の総合的見 直し」に反対し、公務員賃金の改善を求めて7月31日からとりくまれていた人事院前の座り込み行動は、3日間の全日程をやりあげ、8月4日に幕を下ろしま した。連日、気温が35度の猛暑がつづくなか、人事院前には全国の公務労働者をはじめ、民間労組の仲間も駆けつけ、参加者は3日間でのべ800人にのぼり ました。
 こうしたもと、人事院は、賃金水準を2%程度引き下げる「給与制度の総合的見直し」の勧告を、労働組合との納得と合意もないまま、7日にも強行しようと しています。
 最終日の座り込み行動でも、人事院への怒りの発言がつづきました。

「高 齢層の賃下げは若い人が希望を持てない」などとリレートーク

 国公労連の柊中執の司会で10時から開始された3日目の座り込み行動では、各地からのメッセージが紹介されたあと、連帯して参加していた生協労連の鈴木 書記長があいさつし、「賃下げの悪魔のサイクルがつづくなか、一人の労働者として怒りを持ってみなさんと座り込んでいる。最低賃金の目安額の格差がひろが り、給与制度の見直しでも格差が拡大すれば、地域経済はますます疲弊する。連帯してたたかいたい」と行動を激励しました。
 また、連日支援参加をつづけているJAL争議団は、「安倍首相は何を考えているのか。これ以上、労働者をいじめるな。賃下げなどとんでもない。ともにが んばりましょう」とあいさつ、日本医労連の仲間も「民間も公務もいっしょになってがんばろう」と激励しました。
 参加者のリレートークでは、全国から30人が参加した全医労から、「看護士の賃金は低い。人勧準拠の病院が多く、国家公務員の給料を上げないと看護士が 集まらない」「これでは、より地方は過疎化する。職場に戻ってもがんばる」などの発言とともに、「36年間、看護士として働いてきた。賃金が下がれば看護 士がやめていく。55歳以上の賃下げは若い人が希望を持てない。若い看護士がやめない賃金を求める」と涙ながらの訴えもありました。
 リレートークでは、「地方の職員は地方の仕事をしっかりやっている。同じ仕事なのに、働く場所が違うだけで賃金が違うのは納得できない」「安倍首相は大 企業に賃上げを要請して、なぜ公務員は賃下げなのか」「四国は大雨がつづいている。土日を返上して公務労働者が防災のために働いている。人事院は地域を支 える公務員を大事にしろ!」など、参加者の人事院へのストレートな怒りがぶつけられました。

ね ばり強いたたかいが人事院を追い込んでいることを確認

 昼休みの人事院前要求行動では、公務部会の九後事務局次長が進行し、主催あいさつに立った野村公務部会代表委員は、「いまだに見直しの具体的な中身が示 されていない。結論だけを押しつけるならば、人事院は代償機関としての役割を果たしていない。見直しは中止しろ。暑いなかの行動だが、最後まで整然と正々 堂々とたたかい抜こう」と訴えました。
 民間労組を代表して全農協労連の舘野書記長があいさつし、「安倍内閣の暴走がつづいている。農協解体の攻撃がかけられているが、みなさんへの賃下げ攻撃 と根っこは同じだ。暑い中での座り込みだが、たたかいに困難はつきものだ。みなさんといっしょにしっかりとたたかう」と決意を込めてあいさつしました。
 国公労連の鎌田書記長が闘争報告をおこない、この間の人事院との交渉経過を報告しつつ、「7年ぶりのベア勧告実現は、ねばり強いたたかいの到達点だが、 『給与制度の総合的見直し』による2%程度の俸給水準引き下げは認められない。地域手当の見直しでは具体的な地域をいまだに明らかにしていないのは不当 だ。一方、職場のたたかいが人事院を追い込んでおり、道理は私たちにある。最後の最後までがんばろう」と呼びかけました。
 つづいて各単産・単組の4人の代表が決意表明し、「データも示されず、労働組合に見えないところで『見直し』が議論されている。ほとんどのところで地域 手当が付いていない長野は、『見直し』は賃下げに直結する。景気回復と逆行だ」(全司法長野支部・古田書記長)、「人事院のヒアリングでは、人勧は地場賃 金に影響するので賃下げは困るという意見が、業界団体からも出されている。公務労働者が足を出してがんばる必要がある。どんな勧告が出ようとも、賃金が上 がるまでたいはつづく」(国交労組関東建設支部・上間書記長)、「低額の最低賃金目安額と『給与制度の総合的見直し』は、上がりだした民間賃金の流れにス トップをかける。なぜ見直すのか、交渉でも明らかにされていない。人事院は要求に正面から応えよ」(自治労連・猿橋書記長)、「教育の職場は長時間・過密 労働で疲弊している。金は天下の回りものどころか、大企業に内部留保としてとどまっている。こんな日本を変えて、だれもがまともな生活ができるようがんば る」(全教神奈川障教組・佐藤書記長)など、職場の実態とたたかう決意がのべられました。
 最後に、人事院にむけて青柳公務部会幹事の発声でシュプレヒコールをぶつけました。昼休みの行動には、全労連から井上事務局長、伊藤常任幹事らが駆けつ け、その他、民間労組から多数の参加がありました。
 午後からのリレートークでは、「裁判所で、国民のためと思い毎日残業に休日出勤して頑張って働いている。50歳代後半層の賃金水準を下げようとしてい る。志気の低下になる」「非正規の職員からどうなるのかと声をかけられた。みんな動向を注視している」など職場の実態を交えたトークが続きました。
 最後に、人事院前座込み行動の3日間の締めくくりとして、宮垣代表委員は「明日、8月5日には国公労連、公務労組連絡会は最終交渉に臨む。大幅賃上げに むけて中央・地方で最後まで奮闘しよう」と呼びかけ団結がんばろうで終結しました。

以 上