No. 882
   2014年3月6日

「今年こそベースアップを!」と4千人が結集

= 全労連・国民春闘共闘が春闘ヤマ場へ「3・6中央行動」を展開 =

 全労連・国民春闘共闘は3月6日、「誰でも16,000円以上」の賃上げ、雇用の確保、労働法制の改悪 反対など切実な要求の実現をめざして、14春闘における最大規模の中央行動にとりくみました。
 この日は、3千人が参加した日比谷野外音楽堂の集会を中心に、各単産や共闘組織では、早朝宣伝行動や国会議員要請、各省庁交渉など「1日行動」を展開、 公務・民間から4千人が全体で参加しました。
 全労連公務部会・公務労組連絡会は、諸行動に結集するとともに、「給与制度の総合的見直し」に反対する人事院前の要求行動や、公務労働者の総決起集会を 独自にとりくみ、全国から1千名の仲間が参加、終日にわたって奮闘しました。


賃金下げる「給与制度の総合的見直し」は断じて許さない


 春の日差しを浴びながらも冷たい風が吹きつけるなか、公務部会・公務労組連絡会は11時から「給与制度の総合的見直し」許すな!人事院前要求行動をス タートしました。
 関口事務局次長の司会進行のもと、主催者あいさつで宮垣公務部会代表委員・公務労組連絡会副議長は、「2年におよぶ賃下げにもかかわらず、日夜奮闘して いる職員に冷や水をあびせる『給与制度の総合的見直し』など労働条件の改悪を許さず、14春闘ですべての労働者の賃上げと雇用改善を勝ちとろう」と呼びか けました。
 国公労連がとりくんだ人事院交渉の報告をかねて、九後健治事務局次長が、公務員賃金闘争をめぐる情勢について報告し、続いて3人から決意表明をうけまし た。
 自治労連の永冨現業評議会議長は、「自治体現場では民間委託されると最賃ぎりぎりになる。地方賃下げを許さず、実感できる景気の回復を現業職場に取り戻 したい」とのべ、35,202名分の署名を提出に総務省にむかいました。国公労連・全通信東海支部の鈴木書記長は、「電波にかかわる専門的な仕事をしてお り、50歳代のベテランの力が求められている。住宅ローンなどがかさみ、重要な仕事が増えてくる高齢層の賃下げは、行政の低下につながる」とのべ、全教・ 長野高教組の松樹副委員長は、「長野では3年間の独自カットに給与構造改革、退職手当切り下げ、給与の現給保障の廃止など次々改悪されこれからどうなって いくのか不安だ。人事院が機能しないなら労働基本権を返せ」と怒りを込めて決意表明しました。
 最後に郵政産業ユニオン上平書記次長の発声でシュプレヒコールを人事院にぶつけました。

「生 涯派遣」を許すな!雇用の改善、社会保障制度の拡充を

 人事院前の行動につづいて、民間の参加者も加わって、厚生労働省・人事院前の行動が全労連・国民春闘共闘の主催でとりくまれました。主催あいさつした国 民春闘共闘代表委員の伊藤東京地評議長は、民間大手のベースアップが伝えられる14春闘の情勢をのべ、「賃上げ実現と安倍暴走政治をストップさせるため、 14春闘を全力でたたかおう」と呼びかけました。
 全労協の中岡事務局長が激励に駆けつけ、労働法制大改悪に反対して「雇用共同アクション」でたたかってきた到達点に触れつつ、「派遣法改悪で非正規を拡 大することは許さない。声を一つにしてたたかおう。全労協も全力をあげる」と決意を込めてあいさつしました。
 労働法制や社会保障制度の改悪にかかわって、全労連の井上事務局次長が情勢報告し、労働者を生涯にわたり派遣に追い込む法改悪と医療・介護の改悪がねら われるなか、「雇用と社会保障を守る課題を一体でたたかい、大闘争を作り出そう」と行動提起しました。
 3人の決意表明では、「昨年10月から年金が引き下げられるなか、12万6千人が不服審査請求を出した。史上最大の運動となり、年金者の怒りを示した。 賃上げと年金改善を一体でたたかう」(年金者組合・増子中執)、「大日本印刷(DNP)の偽装請負で提訴して4年になる。約半分の賃金がピンハネされてき た。不当判決がつづくなかで、負けるわけにいかないたたかいだ」(DNP争議団・橋場さん)などの発言とともに、全厚生闘争団の松木さんが、厚労省による 分限解雇の取り消しにむけて、裁判闘争をたたかう決意をのべました。
 その後、参加者全員で厚労省・人事院にむけてシュプレヒコールを繰り返し、行動終了後は日比谷野外音楽堂にむかいました。

会 場いっぱいの3千人が集合、各団体が要求実現をアピール

 全労連・国民春闘共闘の主催により、日比谷音楽堂で12時すぎから開いた「14春闘をめざす3・6労働者総決起集会」には、厚労省・人事院前行動の参加 者をはじめ、各単産で独自行動にとりくんでいた自交総連をはじめ民間の仲間が各所から駆けつけ、3,000人が参加する集会となりました。
 全教の中田中執、全印総連の寺沢青年部長の進行ではじまり、主催者を代表して全労連の大黒議長があいさつし、「アベノミクスの効果は限定的だ。賃上げこ そ景気回復の道であり、今年こそ賃上げへ公務・民間で力を合わせてねばり強くたたかおう」と呼びかけました。
 連帯・共同してたたかってきた3つの団体の代表があいさつし、航空連の津惠事務局長は「リストラでは空の安全は守れない。利益第一主義をはね返し、労働 条件改善へ全力をあげる」とのべ、MIC(マスコミ文化情報労組会議)の日比野議長・新聞労連委員長は、琉球新報への政府による弾圧に抗議しつつ、「戦争 をする国」づくりを許さない決意をのべました。全港湾の糸谷委員長は、港湾労働者が劣悪な賃金・労働条件で働いているもと、「全労連とともに14春闘をた たかいぬき、成果を勝ち取る決意だ」と参加者を激励しました。
 全労連の小田川事務局長が情勢報告をおこない、一部民間大企業でベースアップが報道されるもと、「ベアを大企業止まりにせず、中小をふくめて正規・非正 規すべての労働者の賃上げを勝ち取ろう。大企業は社会的責任を果たせと声を強めよう。3・13統一行動でストライキをふくむたたかいで立ち上がろう」と力 強く呼びかけました。
 決意表明では、6団体から思い思いのアピールが示されました。自治労連の猿橋書記長は、全国から集まった自治労連加盟組合の旗に取り囲まれるなかで、 「自治労連が地域のたたかいのつなぎ役となり、3・13国民大行動を成功させる決意だ」とのべました。
 午前中に440台のタクシーによる国土交通省への「車両請願」にとりくんだ自交総連は、東京地連・南部ブロックの片岡議長が、「先日の夜行バスの事故 は、規制緩和がもたらしたものだ。企業の利益優先は許されない。安倍内閣の早期退陣を求めてがんばる」とのべ、今春闘で4万円の賃上げ要求をかかげる日本 医労連から山田委員長が、「黄色のマスコット『ゴールデンベア』を付けて13日の統一行動に結集する。組合員の半数が参加するかまえでとりくむ。ベース アップでやる気もアップ!」と決意をのべました。
 建交労東京都本部の遠藤書記長は、「トラック業界の経営が厳しくなるなか、経営者と労働組合の集団交渉で、支払い能力論を超えて有額回答を引き出してい る。1円でも1%でも高い賃上げへ全力でたたかう」とのべ、横断幕やむしろ旗をかかげて登壇した生協労連からは木下副委員長が、「正規が当たり前の社会を つくり、パートは賃金が低くて当たり前という社会を変えていきたい。そのためにも、仲間を増やし、組合を大きくする」とのべました。「菜の花行動」を展開 してきた全労連女性部は、「愛と正義をつらぬく労働者の味方LOVE9」とアピールし、「戦争をする国」づくりを許さず、すべての女性の権利を守るために がんばる決意が示されました。
 最後に国民春闘共闘代表幹事の大谷出版労連委員長が閉会あいさつし、「主権者の声にそむく安倍首相は絶対に許せない。ベア実現は、私たちのたたかいにか かっている。連帯して成果をあげよう」とのべ、参加者全員で団結ガンバロウを三唱して集会を閉じました。
 閉会後は、国会請願デモと銀座パレードの二手に分かれてデモ行進に出発し、悪法粉砕・諸要求実現をアピールしました。

「給与制度の総合的見直し」の問題点とたたかいを意思統一

 全労連公務部会・公務労組連絡会は、国会請願デモ解散後に「『給与制度の総合的見直し』阻止、総人件費削減許すな!公務労働者決起集会」を砂防会館で開 き、500人が参加しました。
 水谷幹事の司会で15時前に始まった集会では、主催者を代表して野村代表委員・公務労組連絡会議長があいさいつし、中立の第三者機関でありながら、政府 の意向にそって賃下げをねらう人事院を批判、「国だけでなく地方公務員にもおよぶ攻撃として、学習・討議を強め、国民の間にねらいをひろげていこう」と呼 びかけました。
 全商連の鎌田保副会長から連帯のあいさつを受け、「公務員の賃金が上がることは、業者としても嬉しいことだ。公務員を賃下げして消費を冷え込ませる政府 の攻撃に反対する。労働者にとってふさわしい賃金が実現する社会を何としてもつくりたい」との言葉は、参加者を大きく激励しました。
 黒田事務局長が、「給与制度の総合的見直し」をめぐる現状と問題点、今後のたたかいの重点について報告し、その後、6人がたたかう決意をのべました。
 各組織の代表からは、「地方公務員の賃下げに対して、地域に打って出ることによって共感が広がった。分断攻撃に対して、昨年以上に地域に足を出すこと。 すべての労働者の賃上げに全力をあげる」(自治労連・橋口副委員長)、「いま『教え子を再び戦場に送るな』のスローガンが切実さを持って胸にせまる。安倍 『教育再生』ストップ!憲法を守りいかす3・29全国学習決起集会にむけて、たたかいのうねりをつくりだしていきたい」(全教・長尾副委員長)、「公務員 賃下げと公務労働者の変質をねらう公務員制度改革に反対してたたかう。憲法違反の賃下げを糾弾するため、大詰めをむかえている違憲訴訟裁判に全力をあげ る」(国公労連・鎌田書記長)、「独立行政法人の職場にも給与の引き下げと限定正社員制度が出されており交渉をしている。『給与制度の総合的見直し』は、 独法にも波及する点で断固反対する」(特殊法人労連・平岡議長)、「郵政職場では、正社員2万円の賃上げ、非正規社員の正社員化と均等待遇を求めてたた かっている。非正規職員の要求行動には200人が参加した。3月18日には全国統一ストライキでたたかう」(郵政産業ユニオン・兼子中執)、「05年の給 与構造改革では、『国家公務員は東京だけで仕事をしているのではない』と仲間が立ちあがった。地方の賃下げ許さず、『給与制度の総合的見直し』に全力で反 対していく」(長崎県国公・中倉事務局長)など、単産・地方から決意あふれる発言がつづきました。
 最後に、北村代表委員・公務労組連絡会副議長が閉会あいさつし、「政府・人事院がねらう給与制度の改悪に反対し、すべての労働者の賃上げを実現するたた かいにむけた意思統一ができた。本日の集会の成果を持ち帰り、職場や地域からたたかおう」とのべ、最後に、会場全体に響き渡る力強い団結ガンバロウを全員 で唱和し集会を締めくくりました。
以 上