No. 863
   2013年3月5日

今ただちに賃上げと雇用の改善を!と力強く訴える

= 13春闘勝利へ公務・民間の 3,000人が終日にわたって奮闘 =

 全労連・国民春闘共闘は、13春闘の山場をひかえた3 月5日、13春闘における正規・非正規、民間・公務すべての労働者の大幅賃上げ、全国一律最賃1,000円以上の実現などを求めて民間・公務が結集して中 央行動にとりくみました。3月14・15日には「暮らしを守る50万人総行動」が配置されるなか、中央行動には全国から3,000人が参加しました。
公 務部会・公務労組連絡会は、「賃下げ法」の廃止や、安倍内閣による地方公務員の賃下げの押しつけに反対して、独自に総務省前要求行動にとりくみながら、 1,000人がさまざまな行動で終日にわたって奮闘しました。


公務労働者に賃下げを押しつける政府に怒りの発言

 前段では、安全・安心の自 治体づくり、自治体現業職員の賃金・労働条件改善を求める自治労連の要求行動がとりくまれ、引き続いて11時すぎから全労連公務部会の主催で、公務員賃金 改善・公務員総務省人件費削減、公務・公共サービス拡充を求めるとともに「賃下げ法」廃止・公務労働者の賃下げ許すなの課題を掲げて総務省前の要求行動に とりくみました。
 関口全労連公務部会事務局次長の司会進行で、主催者あいさつした宮垣表委員は、「国民の暮らしと日本の経済を立て 直すには、大企業が溜め込んだ内部留保の活用で、雇用と賃金を改善することだ。そのためにも、7.8%の賃下げをただちにやめるべきだ。地方への賃下げ強 行に対して全国知事会などから強い反対の声があがっている。世論で包囲して、すべての労働者の賃上げで13春闘に勝利しよう」と呼びかけました。

  4名の決意表明では、「政府の要請にさっそく応えて、福岡市と北九州市で賃下げがねらわれている。マスコミを使って情報を流すというやり方に怒りがひろ がっている。市職員の賃下げは、市内の民間企業に影響する」(福岡自治労連・懸谷(かけたに)書記長)、「公務員の賃下げ・退職手当の削減・定員削減で は、国民の暮らしは良くならない。ひとつでも要求を実現させるためがんばる」(国公労連・全通信関東支部酒井書記長)、「賃下げ、退職手当の強要で臨時・ 非常勤職員が増え生活が脅かされている。デフレ脱却に待ったなしだ。埼玉では2・20地域総行動に11,000人が結集した。事業所や医師会、農協・病院 にも申し入れた。賃上げで景気回復を求めて地方からたたかいをひろげていく」(埼玉県教職員組合・贄田(にえだ)委員長)、「郵政事業の見直しから5年が 経過したが、郵便配達のさいにも著しくサービスの低下がおこっている。震災復興に郵便事業の売却益を入れ利益を得ようとしている。売却する株価をあげるた めサービスよりもコスト削減を優先している。非正規社員の正社員化こそ急務だ」(郵政産業ユニオン・安達中央執行委員)など怒りの発言がつづきました。最 後に、特殊法人労連の西村幹事のリードで総務省にむけてシュプレヒコールをぶつけました。

  総務省前の行動と並行して、全労連・国民春闘共闘が主催する厚生労働省・人事院前の行動がとりくまれ、全労連女性部副部長の水谷中執・公務部会幹事が、男 女雇用機会均等法の改正を求めるたたかいについて発言し、また、国公労連からは全厚生闘争団の草川さんが、社保庁職員の不当解雇撤回を勝ち取るためにたた かう決意をのべました。
 要求行動には、反貧困ネットワーク代表で元日弁連会長の宇都宮健児弁護士が連帯あいさつに駆けつけました。

雇用を増やせ、最賃引き上げ、TPP参加阻止へたたかおう
〜 日比谷公会堂の決起集会に会場いっぱいの2,000が参加 〜

 12 時すぎからは日比谷野公会堂で「13春闘勝利をめざす3・5総決起集会」が開かれました。各省庁前行動や院内集会などを終えた公務・民間の仲間が会場に 駆けつけ、2,000人が参加しました。
 デキシーユニオンの演奏で幕を開けた集会は、青年劇場の菅原修子さんが司会をつとめ、主催 者を代表してあいさつした全労連の大黒議長は、「267兆円の内部留保をため込む大企業に、社会的責任を果たさせることがどうしても必要だ。マスコミも賃 上げが必要と報道し、経団連への批判も強まっている。私たちの力で賃上げの風をもっと強く吹かそう。国民と力を合わせてねばり強くたたかおう」と呼びかけ ました。

 連帯あいさつでは、JAL支援共闘共同代表でもある全国港湾の糸谷委員長は、 JALの不当解雇と断固たたかう決意や港湾労働者をとりまく厳しい現状を報告しつつ、「非正規労働者を正規にすることが社会を活性化させる。この集会を きっかけに、働くものの連帯で労働条件を改善しよう」と訴えました。
 また、安倍首相がTPP交渉参加をねらうなか、厳冬の北海道か ら駆けつけた農民連の白石会長は、「TPP参加に踏みだし、暴走をつづける安倍首相に農村で怒りが渦巻いている。日本の国の形を変えるTPP参加を何とし て阻止するためがんばる。国民的な声で安倍内閣を包囲しよう。春闘勝利へみなさんの積極的なたたかいに期待する」と参加者を激励しました。

  その後、全労連の小田川事務局長が、13春闘をめぐる現状と国民春闘共闘のたたかいについて簡潔に情勢報告をおこない、とりわけ労働者の賃上げを敵視する 財界に対して、賃金底上げ、最低賃金改善の要求を高く掲げてたたかう重要性を強調しました。
 決意表明では、5つの単産が登壇しまし た。公務からは、全教の加門副委員長・日高教委員長が「戦争をする国づくりへ教育分野でも安倍首相は暴走している。青年を『国防軍』の兵士にしてはならな い。4億筆を超える署名を確信に、30人学級の実現へ全力をあげる」とのべ、また、自治労連の山口毅副委員長が「賃上げを財界に要請しながら公務員に賃下 げをせまる安倍内閣は『あべこべ内閣』だ。賃上げと正規労働が当たり前の声をひろげるため官民共同で奮闘する」と決意をのべました。

  午前中の国土交通省への個人請願を終えて会場に駆けつけた自交総連は、高城中央執行委員長が「最賃以下のタクシー労働者もいるなかで、最賃を1,000円 に上げることが賃上げにもつながる。自交総連からも最賃委員に候補を立てて奮闘したい」とのべ、生協労連は、被災地から参加したいわて生協労連の阿部恵子 さんが「岩手県の最賃は全国で2番目に低い。一人一人が強い気持ちを持ち、運動をひろげて最低賃金1,000円以上を勝ち取ろう」と決意表明しました。日 本医労連からは、白衣の看護師のみなさんが「夜勤・交替制勤務の改善を」などの横断幕をかかげて壇上に並ぶなか、全日赤広島の三上さんが「准看護師は同じ 仕事をしても一番安い賃金になる。働きつづけられるだけの賃上げを勝ち取りたい。看護師になって良かったと思えるような職場にするためがんばる」と力強く 決意をのべました。

 最後に国民春闘共闘代表幹事で出版労連の大谷委員長が閉会あいさつし、 「山のような内部留保をため込んだ大企業は社会的責任を果たせ。アベノミクスは物価だけ上がって生活は苦しくなるだけだ。人間らしく生き働く社会の実現へ 大いに奮闘しよう」とのべ、参加者全員で団結ガンバロウを三唱して集会を締めくくりました。
 集会後はただちに銀座パレードに出発 し、ノボリ旗や横断幕、プラカードなどをかかげ、「賃上げでこそ景気回復を」「暮らしを壊すTPP参加反対」などとシュプレヒコールをあげて目抜き通りを 歩く人たちに要求を訴えました。

労働者を犠牲にする「財界の総本山」を仲間たちが完全包囲

 銀座パレードを終えた参加 者は、大手町の経団連ビルに歩いて移動し、「ため込んだ内部留保は雇用と賃金に回せ!日本経団連包囲行動」にとりくみました。
 東京 春闘共闘の久保常幹の司会ではじまり、主催者あいさつした国民春闘共闘代表幹事の伊藤東京地評議長は、「公務員の賃下げは、デフレ脱却という安倍内閣の政 策と矛盾している。原発推進やTPP参加など財界がねらう攻撃に反対して、国民との共同を地域から強めよう」と、横暴勝手をつづける財界へのたたかいを呼 びかけました。

 行動に連帯して駆けつけた全商連の鎌田副会長は、「働く人の賃金が増えて、 正社員が当たり前にすることがデフレを克服できる。消費税ほど不公平な税制はない。消費税増税をやめさせるためみなさんとともにたたかう」と決意をこめて あいさつしました。
 4名の決意表明では、郵政産業ユニオンの須藤書記長が、春闘ヤマ場でストライキを配置してたたかうことや、年収 200万円以下の非正規社員の実態を報告しつつ、「膨大な内部留保をため込みながら、賃下げと非正規を拡大する財界・大企業は泥棒と変わりない。怒りを 持った人はすべて立ち上がる春闘にしよう」とのべました。

 全労連・全国一般の青池書記長 は、「賃上げを財界に要請するならば、安倍首相は、まず最賃引き上げを決断すべき。結局は公務員の賃下げで官民の賃金を下げようとしている。職場からしっ かりたたかう決意だ」とのべ、JMIUの三木書記長は、「3月6日を回答指定日にして統一ストライキでたたかう。インフレターゲットと言うなら、賃上げを ターゲットにしろ。経営トップは、今すぐに賃上げを決断すべきだ」と経団連にせまり、また、「経団連のみなさん、あなたたちはすでに包囲されている。ムダ な抵抗はやめて要求に応えよ」と声を上げたいわて労連の金野(こんの)議長は、「全県が最賃のC・Dランクの東北では、最賃キャラバンにとりくんで奮闘す る。財界はたまっている内部留保を活用しろ」と被災者から怒りをこめて発言しました。

 全労 連女性部の大西事務局長のリードで、参加者全員が経団連ビルにむかって怒りのシュプレヒコールをぶつけ、全労連の根本副議長が閉会あいさつし、「きょう一 日の行動を通して、雇用と賃上げの必要性がいっそうはっきりした。われわれの後ろには幾千万の労働者の要求がある。本日の中央行動を契機にして、国民と連 帯しておおいにたたかいぬこう」とのべ、最後にガンバロウ三唱で団結を固め合いました。

以 上