No. 858
   2013年2月7日

「デフレ脱却」にむけて労働者の賃上げを

= 賃金・労働条件改善を求めて政 府・人事院に春闘要求書を提出 =

 「2・8中央総行動」を翌日にひかえて、公務労組連絡 会は7日、総務省と人事院に13年春闘統一要求書を提出し、春闘の交渉をスタートさせました。
 安倍内閣が「デフレ脱却」をめざすな かで、個人消費の拡大による景気回復にむけて、労働者の賃上げがますます道理のある要求となっています。一方では、地方交付税の削減などで地方公務員の賃 下げの圧力が強められるなか、政府・人事院に対して生活改善にむけた賃上げをねばり強く求めていく必要があります。
 公務労組連絡会 では、今後、中央行動や地域でのたたかいを背景にして、3月中下旬に誠意ある回答を引き出すため、交渉を積み上げていきます。

「賃下 げ法」は廃止せよ、民間よりも低い初任給はただちに改善を

 総務省 への要求書の提出には、公務労組連絡会から黒田事務局長、米田・関口の各事務局次長、国公労連から細川中執が参加、総務省側は人事・恩給局総務課の小泉課 長補佐ほかが対応しました。

 はじめに、黒田事務局長が「要求書」(別掲)を手渡したうえ、 「個人消費の拡大こそ景気回復の道だ。そのための労働者の賃上げは、政府にとっても重要課題であり、安倍首相も財界に賃上げを要請している。にもかかわら ず、自公政権が地方公務員に賃下げをせまることは認められない」とのべ、要求書に掲げる「平均1万円」の底上げ要求をはじめ、臨時・非常勤職員の「時給 1,000円以上」の実現などを求めました。

 参加者からは、「賃上げの必要性をマスコミも 主張するなど情勢が変わってきている。国・地方の公務員の賃下げをやめて、賃金改善の方向を示すべきだ。初任給は、現実として民間よりも低く、せめて民間 並みの賃金を求める」「今年の要求アンケートでは、5万円以上や10万円以上の要求が増えている。とくに高齢層の負担は大きく、それがアンケート結果にも あらわれている。また、臨時・非常勤職員が増えているが、待遇改善がすすんでいない。抜本的な改善が必要だ。使用者としての対応を求める」「デフレ脱却に はすべての労働者の賃上げが重要であり、そのためにも賃下げ法の廃止を求める。非常勤職員や公務職場の委託・請負などの労働者の賃金改善にむけて公契約法 の制定を求める」など、正規・非正規を問わず公務職場に働くすべての労働者の賃金・労働条件改善を求めました。

  小泉課長補佐は、「みなさんの要求はうけたまわった。誠意をもって検討し、3月のしかるべき時期に回答したい」とのべました。

  その後、交渉団は人事院を訪れ、対応した職員福祉局の井上主任職員団体調査官に「要求書」を提出し、要求実現へ誠意ある検討を求めました。井上調査官は 「本日うかがった話とともに要求内容を各部局の担当に伝え、検討をすすめたうえで回答したい」とのべました。

以 上


【総務省に提出した要求書】

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
総 務大臣   新藤 義孝 殿

公 務 労 組 連 絡 会
 議長  野村 幸裕

公務労組連絡会2013年春闘統一要求

  給与臨時特例法による平均7.8%の賃下げが昨年4月から実施され、また、400万円を超える法外な退職手当の削減が国会でのまともな審議もないまま強行 され、地方自治体でも混乱のなかで退職手当削減が強行されようとしています。そのうえ、安倍内閣は、地方公務員にも国家公務員に準じた賃下げを求め、地方 交付税の大幅削減をねらっています。このような公務員賃金・手当の削減が、公務労働者の生活悪化をまねき、仕事に対する働きがいさえも失わせています。
  一方で、260万人もの労働者が職を失い、年収200万円以下の労働者が6年連続で1千万人を超えるなど、依然として日本経済は長引く不況から抜け出すこ とができません。安倍内閣は「デフレ脱却」を旗印に掲げていますが、日本経済を支える個人消費の拡大こそ景気回復の筋道であり、その点でも、労働者の賃上 げは政府として取り組むべき最重点の課題です。
 公務員賃金があたえる社会的影響力をふまえれば、国・地方の公務員賃金の引き下げは 政府の政策とも逆行するものであり、震災から2年をむかえる被災地をはじめ全国の公務・公共サービスを支える公務労働者の奮闘に応えるためにも、賃金・労 働条件の積極的な改善にむけて、政府は使用者としての責任を果たすべきです。
 私たちは、公務・民間、正規・非正規を問わず、すべて の労働者の賃金・労働条件を改善する立場から、春闘期の統一要求を下記の通り取りまとめました。職場から練り上げた一つ一つの要求を真摯に受け止め、十分 な検討をはかり、誠意を持って回答するよう求めます。


1、 賃金・昇格等の改善について
(1)憲法違反の給与改定・臨時特例法に基づく給与減額支給措置を直ちに廃止すること。その上で、国家公 務員の賃金を月額平均10,000円(行政職(一))引き上げること。
(2)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)一般職 高卒初任給(1級5号俸)を160,000円、一般職大卒初任給(1級25号俸)を196,000円に引き上げること。
(3)55歳 超職員の給与減額措置を廃止すること。また、高齢層の昇格、昇給制度の改悪など年齢による給与抑制措置などの差別を行わないこと。
(4) 官民給与の比較は、国家公務員の給与支給実態を基礎としたものとし、比較企業規模を1,000人以上に引き上げるなど、同種・同等比較を徹底した官民賃金 比較方法に改善すること。
   また、官民比較における対応関係の検討にあたっては、労働組合と十分に協議し、納得と合意を得た上で 行うこと。
(5)俸給水準は、生計費や公務員としての専門性の高まりを反映した水準とすること。
(6)一時金の 支給月数を引き上げ、改善部分をすべて期末手当にあてること。また、役職傾斜支給、管理職加算は廃止し、全職員の一時金改善にあてること。
(7) 退職手当は、公務の特殊性に見合った制度・水準に改善すること。
(8)諸手当については、以下の要求を実現すること。
@  地域間格差の縮小、支給地域の拡大など地域手当を改善すること。
A 扶養手当の支給範囲及び支給額を改善すること。
B  住居手当の全額支給限度額・最高支給限度額を引き上げること。
C 職員に自己負担を生じさせないよう通勤手当を改善すること。
D  単身赴任手当の支給要件・支給額を改善すること。
E 超過勤務手当の支給割合を150%に、深夜勤務及び休日給の支給割合を 200%に引き上げること。また、正規の勤務時間を超えて移動に要した出張中の時間に対しても支給すること。
F 寒冷地手当の級地区 分や指定基準を改め、支給額等を改善すること。
(9)昇格改善について、以下の要求を実現すること。
@ 級別標 準職務表を抜本的に改正し、各職務の評価を引き上げること。
A 行(二)職員の部下数制限を撤廃し、職務の特性にふさわしい昇格基準 を確立すること。
B 本省・地方の機関間格差や府省別、組織別、世代間、男女間の昇格格差を是正すること。

2、 国民本位の行財政の確立と要員確保等について
(1)国民の安全・安心の確保に資する国民本位の行財政・司法を確立すること。
(2) 「道州制・地方分権改革」による事務・権限の移譲や国の地方出先機関の廃止は行わないこと。
(3)公務員の総人件費削減は行わないこ と。
(4)総定員法を廃止するとともに、定員合理化計画の策定などを行わないこと。
(5)「新規採用抑制方針」 の閣議決定を撤回し、要員を確保すること。
(6)行(二)職の不補充政策を撤廃すること。
(7)公共サービスの 劣化につながる「市場化テスト法」を廃止すること。
(8)公共サービス基本法に基づき、国が委託する事業で働く労働者の適正な労働条 件を確保するため「公契約法」を制定すること。
(9)国民生活及び社会経済の安定等に不可欠な独立行政法人の事務・事業は、国の責任 で存続・拡充すること。
(10)社会保険庁職員の分限免職を撤回し、安定した雇用を確保すること。

3、 民主的公務員制度と労働基本権の確立について
(1)公正・中立・民主的な公務員制度の確立に向けて、国民的な議論を保障するととも に、関係労働組合や専門家の意見をふまえた慎重な検討を行うこと。
(2)憲法28条の原則やILO勧告など国際基準にそって、基本的 人権としての労働基本権の全面的な回復を実現すること。
(3)職員団体のための職員の行為の制限(国公法第108条の6)を廃止する こと。
(4)公務員の政治的行為の制限を撤廃し、市民的権利を十全に保障すること。
(5)公務における団結権の 保護及び雇用条件決定手続に関するILO第151号条約を批准すること。
(6)労働組合の団結と自治を破壊する組織介入、不当労働行 為は一切行わないこと。
(7)中立・公正な行政を確立するために、公務員の身分保障を形骸化させないこと。
(8) 採用試験区分にもとづく人事運用での差別を撤廃すること。

4、労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立につ いて
(1)所定勤務時間を「1日7時間、週35時間」に短縮すること。
(2)交替制勤務者の連続勤務時間を短縮 し、勤務間隔を11時間以上確保すること。
(3)勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業を根絶すること。
(4) 短時間勤務制度の拡充・改善を図ること。
(5)休暇制度は、以下のとおり改善すること。
@ 介護休暇の取得期間 を延長し、取得方法、要介護期間の制限撤廃など改善すること。
A 短期介護休暇における要介護家族の定義及び範囲を見直し、拡充する こと。
B 子の看護休暇を子ども一人につき5日以上とし、対象年齢を引き上げること。
C 経済的措置を含めて長 期勤続休暇(リフレッシュ休暇)を早期に制度化すること。
D 年次有給休暇、夏季休暇、結婚休暇を拡充すること。
(6) 休暇・休業制度が取得しやすい環境を整備するよう各府省を指導すること。
(7)男性も育児参加しやすいよう職場環境を整備すること。
(8) 育児休業や介護休暇中の所得保障を充実すること。
(9)評価制度について、導入の目的に照らして問題点を検証するとともに、以下のと おり改善すること。
@ 評価結果は全面開示とすること。
A 短期の評価結果を給与等の決定に直接反映しないこ と。
B 苦情処理システムに労働組合の関与を保障すること。
(10)公務員宿舎の大幅削減、宿舎使用料の値上げ を行わないこと。宿舎の削減及び宿舎使用料値上げを行う場合はそれに見合った対策を行うこと。

5、高齢期雇用・ 定年延長について
(1)「天下り」や早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障するとともに、雇用と年金の確実な接続をはかる ため、定年年齢を65歳とすること。
(2)65歳までの定年延長が完成するまでの間は再任用制度を併置することとし、以下の要求を実 現すること。
@ 政府の責任で必要な定数を確保し、希望者全員の雇用を保障すること。
A 給与水準は退職前の給 与水準を基本とし、少なくとも定年退職時給与の7割の水準を確保すること。
B 再任用後のポストや処遇に著しい格差を生じさせないよ うにすること。特に、単身赴任手当や寒冷地手当などは正職員と同様に支給するとともに、通勤手当における新幹線特急料金加算をはじめとした労働条件につい て再任用以前と連続性を持たせること。
C ポストや処遇の設定などについて、任命権者による恣意的な運用が行われないようガイドライ ンを示すなど政府として責任ある対応をとること。

6、非常勤職員の処遇改善について
(1) 非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。
(2)非常勤職員の時給を100円以上引 き上げること。
(3)非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」「日額7,500円」「月額 160,000円」以上に引き上げること。
(4)非常勤職員の賃金は行政職(一)1級5号俸を基礎として、学歴、経験年数及び職務内 容等の要素を考慮して決定すること。また、諸手当については、期末手当及び通勤手当の支給額を改善するなど充実すること。
(5)非常 勤職員の休暇を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について早急に改善すること。
@ 無給とされている休暇を有給とする こと。
A 非常勤職員の忌引休暇、病気休暇、子の看護休暇について、6ヶ月以上任用の制限を撤廃すること。また、年次有給休暇を採用 時から取得できるようにすること。
B 非常勤職員に対しても、結婚休暇、夏季休暇を制度化すること。

7、 男女平等・共同参画について
(1)雇用の全ステージにおける男女差別を禁止すること。
(2)女性の採用を拡大す るとともに、数値目標を設定して大幅な登用をはかること。
(3)役職段階別に占める女性の割合を男女の職員構成比に応じたものとする こと。

8、健康・安全確保、母性保護等について
(1)職員の健康・安全を確保するため、以 下の対策を講じること。
@ 労使協議で超勤規制、夜勤制限、勤務時間帯等の実効ある基準を策定すること。
A 心 の健康づくり対策を強化すること。
B パワーハラスメントに対する指針を策定し、具体的な対策を講じること。
C  看護師の夜勤は、3人以上・月6日以内に制限すること。
D 行政対象暴力に対する安全対策を確保すること。
(2) 産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、代替要員を確保すること。
(3)妊産婦の負 担を軽減するため、軽易な業務への転換、勤務時間短縮などを行うこと。
(4)生理休暇を特別休暇に戻すこと。
(5) 更年期障害に関わる措置等を制度化すること。
(6)一般健康診断・特別健康診断を充実させること。
(7)国家公 務員災害補償の認定を速やかに行うこと。
(8)公務・通勤災害の各種給付水準を引き上げること。

9、 独立行政法人の制度等について
(1)独立行政法人制度について、以下の要求を実現すること。
@ 自主性・自律性 が発揮できる独立行政法人制度の運用を保障すること。
A 中期目標・計画等の策定権限を独立行政法人に付与し、各独立行政法人が策定 する際に、労働組合との協議を行い、職員の意見を反映させること。
(2)独立行政法人の抜本的見直しにあたっては、以下の要求を実現 すること。
@ 国民生活と社会経済の安定向上に資する独立行政法人の事務・事業については、国の責任で財源措置をはじめとして存続・ 拡充させることを前提とすること。また、国として直接運営した方がより効率的・効果的で、高い公共的見地から貢献できる事務・事業については、国の行政機 関に戻すこと。
A 職員の身分・雇用、労働条件に関わっては、当該労働組合との誠意ある交渉・協議を行い、雇用確保に責任を持つこ と。
(3)事業の安定性と継続性を保障する財政的措置を講じること。
(4)必要な人員確保を保障し、総人件費抑 制は行わないこと。
(5)労使自治による賃金・労働条件決定を保障すること。

以 上


【人事院に提出した要求書】

人 事院総裁  原 恒雄 殿

公 務 労 組 連 絡 会
 議長  野村 幸裕
公務労組連絡会2013年春闘統一要求

  給与臨時特例法による平均7.8%の賃下げが昨年4月から実施され、また、400万円を超える法外な退職手当の削減が国会でのまともな審議もないまま強行 され、地方自治体でも混乱のなかで退職手当削減が強行されようとしています。そのうえ、安倍内閣は、地方公務員にも国家公務員に準じた賃下げを求め、地方 交付税の大幅削減をねらっています。このような公務員賃金・手当の削減が、公務労働者の生活悪化をまねき、仕事に対する働きがいさえも失わせています。
  一方で、260万人もの労働者が職を失い、年収200万円以下の労働者が6年連続で1千万人を超えるなど、依然として日本経済は長引く不況から抜け出すこ とができません。安倍内閣は「デフレ脱却」を旗印に掲げていますが、日本経済を支える個人消費の拡大こそ景気回復の筋道であり、その点でも、労働者の賃上 げは国をあげて取り組むべき最重点の課題です。
 とりわけ、公務員賃金があたえる社会的影響力とともに、震災から2年をむかえる被災 地をはじめ全国の公務・公共サービスを支える職員の奮闘に応えるためにも、公務労働者の賃金・労働条件の積極的な改善は不可欠であり、人事院は、中央人事 行政機関としての専門性を発揮することが求められています。
 私たちは、公務・民間、正規・非正規を問わず、すべての労働者の賃金・ 労働条件を改善する立場から、春闘期の統一要求を下記の通り取りまとめました。職場から練り上げた一つ一つの要求を真摯に受けとめ、十分な検討をはかり、 誠意を持って回答するよう求めます。


1、 賃金・昇格等の改善について
(1)憲法違反の給与改定・臨時特例法に基づく給与減額支給措置を直ちに廃止すること。その上で、国家公 務員の賃金を月額平均10,000円(行政職(一))引き上げること。
(2)民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)一般職 高卒初任給(1級5号俸)を160,000円、一般職大卒初任給(1級25号俸)を196,000円に引き上げること。
(3)55歳 超職員の給与減額措置を廃止すること。また、高齢層の昇格、昇給制度の改悪など年齢による給与抑制措置などの差別を行わないこと。
(4) 官民給与の比較は、国家公務員の給与支給実態を基礎としたものとし、比較企業規模を1,000人以上に引き上げるなど、同種・同等比較を徹底した官民賃金 比較方法に改善すること。
   また、官民比較における対応関係の検討にあたっては、労働組合と十分に協議し、納得と合意を得た上で 行うこと。
(5)俸給水準は、生計費や公務員としての専門性の高まりを反映した水準とすること。
(6)一時金の 支給月数を引き上げ、改善部分をすべて期末手当にあてること。また、役職傾斜支給、管理職加算は廃止し、全職員の一時金改善にあてること。
(7) 退職手当は、公務の特殊性に見合った制度・水準に改善すること。
(8)諸手当については、以下の要求を実現すること。
@  地域間格差の縮小、支給地域の拡大など地域手当を改善すること。
A 扶養手当の支給範囲及び支給額を改善すること。
B  住居手当の全額支給限度額・最高支給限度額を引き上げること。
C 職員に自己負担を生じさせないよう通勤手当を改善すること。
D  単身赴任手当の支給要件・支給額を改善すること。
E 超過勤務手当の支給割合を150%に、深夜勤務及び休日給の支給割合を 200%に引き上げること。また、正規の勤務時間を超えて移動に要した出張中の時間に対しても支給すること。
F 寒冷地手当の級地区 分や指定基準を改め、支給額等を改善すること。
(9)昇格改善について、以下の要求を実現すること。
@ 級別標 準職務表を抜本的に改正し、各職務の評価を引き上げること。
A 行(二)職員の部下数制限を撤廃し、職務の特性にふさわしい昇格基準 を確立すること。
B 本省・地方の機関間格差や府省別、組織別、世代間、男女間の昇格格差を是正すること。

2、 労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立について
(1)所定勤務時間を「1日7時間、週35時間」に短縮すること。
(2) 交替制勤務者の連続勤務時間を短縮し、勤務間隔を11時間以上確保すること。
(3)勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不 払い残業を根絶すること。
(4)短時間勤務制度の拡充・改善を図ること。
(5)休暇制度は、以下のとおり改善す ること。
@ 介護休暇の取得期間を延長し、取得方法、要介護期間の制限撤廃など改善すること。
A 短期介護休暇 における要介護家族の定義及び範囲を見直し、拡充すること。
B 子の看護休暇を子ども一人につき5日以上とし、対象年齢を引き上げる こと。
C 経済的措置を含めて長期勤続休暇(リフレッシュ休暇)を早期に制度化すること。
D 年次有給休暇、夏 季休暇、結婚休暇を拡充すること。
(6)休暇・休業制度が取得しやすい環境を整備するよう各府省を指導すること。
(7) 男性も育児参加しやすいよう職場環境を整備すること。
(8)育児休業や介護休暇中の所得保障を充実すること。
(9) 評価制度について、導入の目的に照らして問題点を検証するとともに、以下のとおり改善すること。
@ 評価結果は全面開示とすること。
A  短期の評価結果を給与等の決定に直接反映しないこと。
B 苦情処理システムに労働組合の関与を保障すること。
(10) 公務員宿舎の大幅削減、宿舎使用料の値上げを行わないこと。宿舎の削減及び宿舎使用料値上げを行う場合はそれに見合った対策を行うこと。

3、 非常勤職員の処遇改善について
(1)非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。
(2) 非常勤職員の時給を100円以上引き上げること。
(3)非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」 「日額7,500円」「月額160,000円」以上に引き上げること。
(4)非常勤職員の賃金は行政職(一)1級5号俸を基礎とし て、学歴、経験年数及び職務内容等の要素を考慮して決定すること。また、諸手当については、期末手当及び通勤手当の支給額を改善するなど充実すること。
(5) 非常勤職員の休暇を常勤職員と同等の制度とするとともに、以下の事項について早急に改善すること。
@ 無給とされている休暇を有給と すること。
A 非常勤職員の忌引休暇、病気休暇、子の看護休暇について、6ヶ月以上任用の制限を撤廃すること。また、年次有給休暇を 採用時から取得できるようにすること。
B 非常勤職員に対しても、結婚休暇、夏季休暇を制度化すること。

4、 民主的公務員制度と労働基本権の確立について
(1)公正・中立・民主的な公務員制度の確立に向けて、国民的な議論を保障するととも に、関係労働組合や専門家の意見をふまえた慎重な検討を行うこと。
(2)憲法28条の原則やILO勧告など国際基準にそって、基本的 人権としての労働基本権の全面的な回復を実現すること。
(3)職員団体のための職員の行為の制限(国公法第108条の6)を廃止する こと。
(4)公務員の政治的行為の制限を撤廃し、市民的権利を十全に保障すること。
(5)公務における団結権の 保護及び雇用条件決定手続に関するILO第151号条約を批准すること。
(6)労働組合の団結と自治を破壊する組織介入、不当労働行 為は一切行わないこと。
(7)中立・公正な行政を確立するために、公務員の身分保障を形骸化させないこと。
(8) 採用試験区分にもとづく人事運用での差別を撤廃すること。

5、高齢期雇用・定年延長について
(1) 「天下り」や早期退職慣行を廃止し、定年年齢までの雇用を保障するとともに、雇用と年金の確実な接続をはかるため、定年年齢を65歳とすること。
(2) 65歳までの定年延長が完成するまでの間は再任用制度を併置することとし、以下の要求を実現すること。
@ 政府の責任で必要な定数を 確保し、希望者全員を雇用すること。
A 給与水準は退職前の給与水準を基本とし、少なくとも定年退職時給与の7割の水準を確保するこ と。
B 再任用後のポストや処遇に著しい格差を生じさせないようにすること。特に、単身赴任手当や寒冷地手当などは正職員と同様に支 給するとともに、通勤手当における新幹線特急料金加算をはじめとした労働条件について再任用以前と連続性を持たせること。
C ポスト や処遇の設定などについて、任命権者による恣意的な運用が行われないよう、ガイドラインを示すなど政府として責任ある対応をとること。

6、 男女平等・共同参画について
(1)雇用の全ステージにおける男女差別を禁止すること。
(2)女性の採用を拡大す るとともに、数値目標を設定して大幅な登用をはかること。
(3)役職段階別に占める女性の割合を男女の職員構成比に応じたものとする こと。

7、健康・安全確保、母性保護等について
(1)職員の健康・安全を確保するため、以 下の対策を講じること。
@ 労使協議で超勤規制、夜勤制限、勤務時間帯等の実効ある基準を策定すること。
A 心 の健康づくり対策を強化すること。
B パワーハラスメントに対する指針を策定し、具体的な対策を講じること。
C  看護師の夜勤は、3人以上・月6日以内に制限すること。
D 行政対象暴力に対する安全対策を確保すること。
(2) 産前休暇を8週間、産後休暇を10週間とし、産前6週間の就業禁止期間を設けるとともに、代替要員を確保すること。
(3)妊産婦の負 担を軽減するため、軽易な業務への転換、勤務時間短縮などを行うこと。
(4)生理休暇を特別休暇に戻すこと。
(5) 更年期障害に関わる措置等を制度化すること。
(6)一般健康診断・特別健康診断を充実させること。
(7)国家公 務員災害補償の認定を速やかに行うこと。
(8)公務・通勤災害の各種給付水準を引き上げること。

8、 東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に伴う労働条件改善について
(1)震災にともなって遠距離通勤を強いられている職員に対し て、通勤緩和措置を講ずること。
(2)福島県の各官署に勤務する職員の放射線量管理を徹底させるとともに、定期的に特別健康診断を行 うこと。
(3)自主避難等している職員に対しては、自己都合とせず通勤手当を満額支給するなど特例措置を講ずること。また、家族のみ が自主避難している場合は、単身赴任手当を支給すること。

以 上