No. 854
2012年11月16日

12年人事院勧告の実施見送りを閣議決定

= きたるべき総選挙で政治の転換を 呼びかけ幹事会声明を発表 =

 野田内閣は16日、12年人事院勧告の取り扱い方針を 閣議決定しました。
 その内容は、給与臨時特例法(賃下げ法)によって高齢層職員が若年層よりも厳しい減額措置を受けているとして、 賃下げ法の減額措置が終了する14年4月まで実施を繰り延べるとするものです(別掲資料参照)。
 実施時期の繰り延べとはしています が、昨年の政府決定と同様に、賃下げ法のもとで勧告実施見送りを判断したことは明らかです。
 また、この間、公務労組連絡会が繰り返 し求めてきた賃下げ法の廃止、賃金改善の要求にはまったく応えようとしておらず、納得できるものではありません。
 一方、国会では同 日、退職手当削減法の成立が強行されました。400万円以上もの引き下げという重大な法案を、解散間際の国会で、わずか1日で衆参ともに委員会・本会議の 審議を強行し、成立させたことは前代未聞の暴挙にほかなりません。
 こうしたもと、公務労組連絡会は、幹事会声明を発表し、きたるべ き総選挙での政治の転換をはじめ、労働者・国民の暮らしといのち、公務・公共サービス拡充にむけてたたかう決意を内外に明らかにしました。

12年 人事院勧告の取り扱い決定にあたっての幹事会声明

2012年11月16日
公務労 組連絡会

1、野田内閣は16日、高齢層職員の昇給制度の見直しなどを求める12年人事院 勧告の取り扱いを閣議決定した。
 決定は、給与臨時特例法(賃下げ法)によって、高齢層が「若年層職員よりも厳しい減額措置を受けて いる」としつつ、「世代間の給与配分の適正化や雇用と年金の接続の観点から幅広く検討」したうえで、賃下げ法による減額措置が終わる14年4月から本年勧 告を実施するとしている。実施時期の先送りとしているが、賃下げ法のもとで、昨年の政府決定に続いて、実質的に人事院勧告実施を見送ったものである。

2、 公務労組連絡会は、給与減額後で比較して「7.67%、28,610円」の官民較差がありながらも、給与改善を見送った12年勧告が8月に出されるもと、 政府に対して賃下げ法の廃止、賃金改善を強く求めてきた。
 しかし、こうした要求に政府は何ら応えず、8月10日の第1回給与関係閣 僚会議以降、3か月以上も勧告取り扱いの議論は棚上げにされて、国会解散直前の突然とも言える勧告実施見送りの閣議決定は、納得できるものではない。
  あらためて、労働基本権を幾重にも踏みにじった憲法違反の賃下げ法の廃止を求めるとともに、公務労働者の労働基本権をただちに回復するよう求めるものであ る。

3、閣議決定と日を同じくして、国会では、国家公務員の退職手当を400万円以上引き下げる法律の成立が強 行された。同法案は、政治の混乱のもとで提出から2週間、趣旨説明さえされてこなかったが、民主・自民の各党が合意し、衆・参の総務委員会の質疑、両本会 議での採決を1日の日程に押し込め、国会解散目前で成立をはかった。
 憲政史上まれにみる暴挙は、民自公三党による消費税増税法の強 行などとともに、談合政治のもとで、国会が「悪法製造装置」となっていることを象徴している。
 民主・自民の各党、加えて、国会解散 間際まで退職手当削減法の今国会成立をせまった政府に対して、怒りをもって抗議するものである。

4、国会が解散 したことにより、公務員の協約締結権回復にむけた国家公務員制度改革関連法案は廃案となり、党利党略で解散日前日に提出された地方公務員制度改革関連法案 も、当然ながら廃案となった。
 公務労働者の権利が蹂躙され、その一方で、賃下げや退職手当削減が一方的に強行されている。公務員総 人件費削減、公務・公共サービスの切り捨てがすすみ、国の出先機関の地方移管を内容とした関連法案も、15日夜に閣議決定されている。
  きたるべき総選挙では、消費税増税、社会保障大改悪など国民犠牲を許さず、国民の暮らしといのちを守るとともに、公務労働者の労働条件の改善、労働基本権 回復、公務・公共サービス拡充が実現できる政治をつくりあげるため全力で奮闘する決意である。

以 上