No. 853
   2012年11月15日

諸要求実現11・15中央行動に3,000人

=退職手当の削減許さず、公務公共 サービス拡充求めて1500人が終日行動=

 16日にも衆議院の解散がひかえるなか、春闘共闘・全 労連・国民大運動実行委員会は11月15日、消費税増税阻止、社会保障の拡充、労働者の賃金・雇用を守れの課題を掲げ中央行動にとりくみました。午前中か らの行動に引き続き、中央総決起集会、霞が関包囲行動、国会請願デモなどに全国から3,000人が結集し、公務部会からは1,500人が参加しました。


各分野から怒りの発言、首都圏反原発連合からも連帯あいさつ

 東京では朝この冬一番の冷 え込みとなった15日、12時から日比谷野外音楽堂で「国民諸要求実現11・15総決起集会」が3,000人の参加で開催されました。
  集会は、「デキシーユニオン」によるジャズ演奏で始まりました。
 主催者あいさつした全労連・大黒作治議長は、「12月16日に総選 挙がおこなわれることになった。財界とアメリカいいなりの政治にストップをかけよう。新たな政治を模索している国民とともに政治の転換を求め、大いに燃え て奮闘しよう」と呼びかけました。

 連帯あいさつでは、首都圏反原発連合・越後芳(かおり) さんから、「あの原発事故があって、何かしなければと思いデモに参加するようになった。ひとりでも多くの方に行動を起こしてもらってデモに参加してもらい たい。官邸前の行動が、いま全国に広がり、どこの組織にも属さない市民にとっての受け皿という役割を担っている。これからもみなさんと一緒に原発ゼロをめ ざしてがんばりたい」と訴えがあり、会場からはひときわ大きな拍手が起こりました。

 国民大 運動実行委員会の黒田健司事務局長が「野田首相は、問責決議を受けながらも、支持率が2割台に低下しながらも、近いうちに国民に信を問うと約束しながら も、政権の座に座り続けた。その野田内閣を国民の運動と世論が追い詰め、解散に追い込んだ。運動の力が、いまたたかいの新たな大きなうねりをつくりだして いることにあらためて確信を持とう。今日1日お互い大いに奮闘し合い、そして職場・地域に帰って、さらに運動を広げていこう」と情勢報告しました。

 6 人の決意表明では、全教の今谷賢二書記長が「今日の行動には、少人数学級の前進、高校無償化の維持・拡充など独自の課題をもって参加している。放射能から 子どもたちを守ってほしいなどの要求に教職員組合としての役割を発揮したい。国家公務員の退職手当の400万円の引き下げは、地域経済や民間労働者への影 響も見逃せない。また、民間労働者と公務労働者を分断する攻撃で、私たちが願う連帯や協力や共同とは無縁の手法であり、橋下・大阪維新の会にも通ずるもの だ。労働者いじめと民主主義破壊の手法を全力で阻止したい」と力強く述べました。

 交運共闘 の相木(あいき)伸之・建交労副中央執行委員長は、「いま中小企業の経営は深刻だ。それに追い打ちをかける消費税の大増税と社会保障制度の大改悪は許せな い。行きすぎた規制緩和を阻止し、交通運輸職場の安全・安心、労働者の労働環境改善に向けて奮闘する」と述べ、全生連の前田美津恵事務局次長は、「生活保 護へのバッシングによって、生活保護世帯の人がなかなか外に出られなくなったり、申請をためらうなど多くの問題が生じている。生活保護は憲法25条そのも の。生活保護基準の引き下げは、国民生活全体に影響する。反対署名に取り組み奮闘したい」と述べました。

  また、農民連の白石淳一会長は、「東アジアサミットで野田首相がTPPへの参加表明を行う危険性がある。たたかいは、重要局面を迎えている。必ず阻止した い」と述べ、全日赤大津支部・佐々木英里執行委員は、「職場では、休憩もとれず、食事もとれないことがある。働き続けるために必要なものは休みだ。夜勤の 改善と大幅増員のため署名に取り組む」と訴えました。
 最後に、大阪から大阪市役所労組(自治労連)の田所賢治書記長が、「橋下市長 は、憲法違反の条例を次々と提案し、労働組合の権利を侵害する攻撃を強めている。思想調査の原告55人は、憲法に基づき、全体の奉仕者として生き生きと働 ける市役所をめざしたたかっているので、全国からの引き続きの支援をお願いしたい」と決意表明しました。

  生協労連の福丸裕子副委員長のリードで、「消費税の増税は許さないぞ!」「賃上げで景気を回復しよう!」とシュプレヒコールを唱和し、最後に全商連・国分 稔会長が閉会あいさつで「何としても12月16日に国民のくらしを守る国会をみなさんと一緒につくりたい。」と呼びかけ、最後に団結がんばろうで集会を締 めくくりました。

退職手当削減を許さず、公務公共サービスを守る決意を固め合う

 公務部会・公務労組連絡会 が主催した総務省前要求行動では、宮垣忠代表委員(国公労連委員長)は主催者を代表してあいさつし、「野田政権は、衆院を明日解散するもとでも来年1月か らの退職手当改悪強行をたくらんでおり、法案を葬り去るために奮闘しよう」との決意を表明するとともに、「消費税増税にストップをかけ、公務公共サービス 拡充のために、共同のとりくみを発展させよう」と呼びかけました。民間労組を代表して、連帯のあいさつに立った全国一般の林特別中執は、「公務員の賃下げ は、民間にも被災地にも大きな影を落としている。政治を変えなければ、日本の経済にも労働者の雇用にも未来はないとして、官民が力をあわせて、政治を変え ることを訴えました。

 決意表明では、大阪自治労連の高本幸義執行委員は、橋下維新の会の攻 撃とのたたかいと、大阪府下の自治体当局への要請行動のとりくみを報告。大阪維新の会とのたたかいや総選挙闘争にむけた決意を表明しました。国公労連・全 司法近畿地連の山本青年対策部長は、公務員宿舎の廃止にともない、「乳飲み子を抱えて住居を探し、子どものために蓄えていた資金が敷金などに消えた」と発 言。「子どもたちと子育て世代のために、一緒にがんばりたい」と決意を述べました。

 全教広 島の杉本麗次副委員長は、広島における確定闘争の経過を報告。現給保障の廃止や住居手当の廃止、成果主義賃金の導入に対するたたかいを引き続き進めていく 決意を表明しました。郵政産業ユニオンの上平光男中執は、郵政会社の赤字を理由にした、一時金の削減と非正規労働者の雇用を守るたたかいについて報告し、 「安定した賃金と雇用を守るたたかいを、正規、非正規を問わず進めていく決意だ」と語りました。
 最後に、特殊法人労連の岡村稔事務 局次長の音戸で総務省に対してシュプレヒコールを唱和し、行動を締めくくりました。
 この間取り組んできた退職手当削減に反対する署 名は、16万筆に達しています。

賃金・雇用の改善、社会保障の拡充を

 厚生労働省前要求行動は全 労連江花新常任幹事の司会進行のもと、主催者あいさつにたった春闘共闘の伊藤潤一代表幹事は、「政府は、今年7-9月のGDPが年率換算でマイナス 3.5%と発表した。これは労働者の所得が減り消費が低迷しているからにほかならない。労働者の収入は2005年比で9兆円も減っている。景気を回復させ るには、消費を拡大するしかない。そのために、労働者の可処分所得を増やし、最賃引き上げ、安心して働ける雇用を実現、年金や社会保険など社会保障改悪を 許さないことだ。来る都知事選で、東京から構造改革を止め、秋季年末闘争を旺盛にたたかいつつ、国民の声に聞く耳を持つ都政・国政にしていこう」と呼びか けました。

 情勢報告で小田川義和事務局長は「明日、民自公の談合で衆議院が解散になる。消 費税増税と社会保障改悪をセットにした「一体改革」や「社会保障推進基本法」は、自己責任と自助努力を押し付けるもので、野田政権は超市場原理主義の立場 にいる。生活保護基準を切り下げる見直しが行われようとしているが、生活保護受給者が過去最大に増えた責任は、低賃金、不安定雇用、首切り・雇い止めを繰 り返す企業にある。雇用の安定で生活保護受給者を減らす施策をとり、企業に安定した雇用を増やすよう働きかけることが厚労省がやるべきことだ。総選挙と都 知事選挙で暴走政治にレッドカードをつきつけるよう」と報告しました。

 各団体の決意表明で は「埼玉では最賃審議会の使用者側、連合の労働者側、審議会長などと懇談を重ねてきた。徐々に審議会のあるべき姿を共有でき、審議会で使用者側が「少なく とも1年で、生活保護とのかい離12円を埋めるべき」との発言が出たのも私たちの運動のひとつの成果。まだまだ暮らせる額ではない。最賃を1000円以上 に引き上げ、「寒い」暮らしを終わらせよう」(生協労連 市川 京子 コープネット労組副委員長)、「日本IBMでは、「ロックアウト」解雇を行ってい る。突然解雇通告を言い渡され、会社からも追い出されまともな理由も示さず、法に触れる暴挙を絶対は絶対に許されない。3人が裁判に立ち上がっている。解 雇撤回を勝ち取るまでたたかう」(日本IBM支部木村さん)、「年金者の大半はわずかな年金で厳しい生活を送っている。民自公は談合して2.5%減額を明 日にも決めようとしている。こんな重要なことをまともに議論もせず決めるのは許せない。怒りを運動に反映させ、今度の選挙で私たちの運動を励まし、要求実 現に頑張ってくれる政党・議員が一人でも多くなるよう全力をあげる」(年金者組合・篠塚 多助 委員長)、「生活保護の切り下げが前提に議論されている が、どうして生活保護受給者が増えたのか。年金制度や雇用保険制度に不備があり、非正規雇用が増やす政策が間違っているからだ。不正受給も受給総額のわず か0.2%、件数でも2%しかない。基準を切り下げると、所得税の非課税世帯基準などにも影響し、負のスパイラルがすすむ。全ての国民の課題として一緒に たたかって、阻止しよう」(自治労連社会福祉部会・二見清一会長)と決意表明しました。
 最後に国公労連の廣瀬由美中央執行委員が シュプレヒコールを行いました。

消費税増税阻止、国民本位の予算実現を

 財務省前は消費税増税阻 止、国民本位の予算実現を求め、要求行動を展開しました。岩永千秋常任幹事司会進行のもと全労連の高橋信一副議長が主催者を代表してあいさつしました。
4 団体から決意表明をうけ、全商連今井誠常任理事、新婦人児玉紀子中央常任、宮城一般赤松浩幸副委員長、国公労連・国交労組無田中央執行委員がそれぞれ決意 表明しました。最後に自治労連桑嶋聡書記が財務省へ向けてシュプレヒコールをぶつけました。
 参加者は再度、日比谷公園に集合し、国 会へ向けて“請願デモに出発しました。デモ終了後は、公務単産の参加者は、全参議院議員に対し、退職手当の削減法案を廃案にし、労働者の賃金改善と権利回 復を求める要請書をもって議員要請行動にとりくみました。

以 上