No. 830
    2012年4月12日
12春闘の追い上げへ官民が共同

= 消費税大増税反対の「4・12国 民集会」に5千人以上が参加 =

 全労連・国民春闘共闘は、12春闘の第2次集中回答日 を10日に、11〜13日を統一行動ゾーンに設定するもと、12日に中央行動にとりくみました。
 午前中の霞が関・省庁前包囲行動、 午後からの日比谷野音での消費税大増税ストップ!国民大集会、国会請願デモ、各課題での国会議員要請行動に参加し、最後に12春闘勝利・労働法制改正を求 める院内集会で今後のたたかいを意思統一しました。
全労連公務部会・公務労組連絡会は500人が参加し、総人件費削減反対、「地域主 権改革」許すな、公務・公共サービス拡充、定年延長の実現をかかげ総務省前での要求行動にとりくみ、民間の仲間も多く参加しました。

増税の突破口としての公務員攻撃許すな

  午前中の霞が関・省庁包囲行動が10時から国土交通省前で、10時45分からは財務省と経済産業省前での要求行動がとりくまれ、その後参加者は総務省前に 結集し、11時25分から要求行動を開始しました。東京春闘共闘の民間の仲間やJAL不当解雇撤回を求める原告団も駆けつけました。
  初夏のような暖かさのもと、総務省前での行動で、主催者を代表して公務部会代表委員の全教・北村委員長は、「新規採用抑制や再任用による高齢期雇用制度な ど公務員の人件費抑制は社会保障・税一体改革の突破口にされている。アメリカ言いなりの野田内閣の暴走にストップをかけ、労働条件改善、公務・公共サービ ス拡充実現のため、公務労働者が先頭に立って奮闘しよう」と呼びかけました。
 続いて、民間労働者からの連帯あいさつに立った自交総 連の菊池書記長は、「タクシー労働者の賃金は平均58歳で年収248万円と低い。他の労働者の賃金が上がっても自分たちの賃金は上がらない。民間・公務で 団結して全体の底上げをめざそう。労働基準監督署に要請しても『人手が足りない』といわれる。公務員の人員削減は安心・安全を削るもの」と指摘しました。 公務部会の黒田事務局長が情勢報告をおこないました。
 各単産からの決意表明で、国公労連(全医労)の三浦中執は「医療崩壊が進む中 で現場は必死にがんばっている。看護師の賃金を下げることは人員の確保をより困難にする。現在組合員拡大にとりくんでいるが、新規採用を含めて1200名 が加入した。労働条件と医療を守る運動に奮闘したい」と決意を述べました。
 神奈川自治労連(横浜市従)の石原執行委員は「横浜市で も国と同様、議員提案で賃下げ条例が議会に提出された。多くの会派の反対で否決されたが、住民のいのちとくらしを守る公務労働者が安心して働けることが必 要。賃下げ裁判をたたかう国公の仲間とも連帯してがんばりたい」と述べました。
 都教組の池田副委員長は、現在導入が狙われている、 あらたな人事管理にもとづく勤勉手当の成績率適用問題で、「職員間で原資を奪い合うことになり、がんばっている人に報いることにならない。病休者も10年 前の三倍にふくれあがり、業績評価が原因と思われるメンタル不全での休職は7割にのぼる。安心して働ける職場づくりと公務・公共サービス拡充が必要」と訴 えました。
 郵産労からは兼子中執がマイクを握り、郵政事業会社の赤字を、労働条件切り下げという形で転嫁しようとしていることに対 し労働者の怒りを結集してたたかう決意を述べるとともに、現在国会で審議中の郵政法案について「小泉改革を前へ進め営利企業への道を進めようとするもの。 国民の財産である郵政事業を守るためがんばる」と力強く訴えました。

これ以上の生活破壊は許せない!消費税大増税にストップを!

  野田内閣が3月30日に消費税増税法案を閣議決定するもと、実行委員会の呼びかけで「消費税の大増税にストップ!4・12国民集会」が開かれ、会場の日比 谷野外音楽堂に入りきれないほどの5,000人が集結しました。
 前進座の白波5人衆の踊りで会場がわくなか、お昼過ぎから本集会が 始まりました。呼びかけ人を代表して主婦連合会の山根香織会長とジャーナリストの齋藤貴男さんから発言がありました。山根さんは「広く公平な税制であるべ き。所得の低い人ほど重くなる。富裕層や大企業の減税に力をつぎ込むことには納得できない。弱いものいじめの大増税には断固反対する」、齋藤さんは「『消 費税のからくり』という本を出したころから、集会に呼ばれるようになった。被害者は弱者、加害者は大企業・富裕層だ。増税では被災地の復興もありえない。 このようなふざけた税制では、弱いものいじめが主流になってしまう。増税に賛成する人は、情報操作で知らないので賛成する。反対する人も税務署の暴力団か ら何をされるかわからないから賛成するのだ。命をかけて増税する勢力に命をかけて毒を注射する」と切り込みました。
 全労連大黒議長 が主催者を代表してあいさつをおこない、政党を代表して日本共産党の志位委員長が参加者を激励しました。
 各階層からの消費税増税な んてとんでもない!リレートークでは、「子どもの小学校入学準備に10万円かかった。子ども手当てが削減され、そのうえ消費税増税では共働きでも大変」 (新婦人・神奈川の真島さん)、「介護・医療・年金引き下げのトリプルパンチでどこにも行かない、買わないでひっそり暮しているお年寄りもいる。弱者を苦 しめる消費税増税に反対する」(年金者組合・森口副委員長)、「国民皆保険制度の先には患者に添加することになる。医療費をはじめ生活必需品にはゼロ税に すること。そもそも開業医は消費税に反対する」(兵庫県保団連・吉岡医師)、「福島の南相馬市で米と野菜をつくっていたが、20キロ県内で避難させられ、 3月に3度目の一時帰宅を果したが、家も荒れ食物も作ることを断念された。東電は損害賠償を打ち切り、折りしもTPP参加・消費税ではどうして暮せという のか」(福島農民連・亀田会長)、「公務員の賃下げ法で給与が年間で一月分ほど減らされ、これでは勤労意欲もなくなる」(国公一般・杵島さん)、「橋下市 長の横暴はもう限界だ。輸出大企業は確実に儲かる仕組みだが、中小企業の私たちは仕事をしても儲からない。内税でかぶせられる状況では生きていけないこの 困難をなんとか乗りこえてている」(大商連・藤井寺民商原田さん)、「被災地では1年1ヵ月が経過したが、福島原発被害の真只中にいる。例年にない雪と寒 さで仮設住宅は厳しい。失業手当も1月から切れ始めている。政治災害でもあり福島の復興を妨げる」(福島県労連・齋藤議長)など怒りの発言がつづきまし た。
 アピールの提案を東京土建の巻田委員長がおこない、拍手で採択されました。閉会あいさつで、全商連の国分稔会長は、列島を揺る がす大運動にし、国民的なうねりにすることを呼びかけました。
 
 集会終了後、参加者は国会請願デモに出発し、 安心して働き暮せる社会の実現をもとめて、ディーセントワーク請願署名、公務・民間の高齢期の雇用確保、原発ゼロ請願署名を携えて国会議員要への請行動に とりくみました。
 参加者は最後に、12春闘勝利・労働法制改正など諸課題の前進をもとめて衆議院第1議員会館で院内集会を開催しま した。集会には議員要請をやり終えた参加者が次々とあつまり、250人が参加しました。

以上