No. 808
    2011年10月12日
各地の公務共闘が学習・要請を旺盛に展開

= 「賃下げ法案」は撤回を、3年連 続の賃下げは許さない =

 3年連続の月例給引き下げ、現給保障廃止の不当な「マ イナス勧告」をうけて、各地方公務産別組織では、地方労連とも共同した人事委員会への要請や「人勧学習会」が出足早くとりくまれています。
  先週1週間で、静岡、京都、群馬の各組織が学習会を開き、勧告の内容と問題点や運動の方向を意思統一し、「賃下げ法案」の強行を許さず、公務員賃金改善、 公務・公共サービス拡充にむけてたたかう決意を固め合いました。


「原発ゼロ」へ公務労働者が先頭に立って奮闘しよう

  静岡県公務共闘は10月3日夜、静岡市内で「11年人勧学習会」を開催しました。県内から約50人が参加しました。
 主催者あいさつ した県公務共闘の木藤功議長(県高教組委員長)からは、静岡県内の状況が語られ、「賃下げ法案」の廃案とともに、不当な「マイナス人勧」をふまえて、今 後、人事委員会へのとりくみを強化する決意がのべられました。
 その後、全労連公務部会の黒田事務局長が、「11年人勧・公務員制度 改革をめぐる情勢とたたかい」と題して、9月末に出されたばかりの人事院勧告を中心に約1時間にわたって講演しました。
 講演をうけ て、今回の勧告には疑問点が多いこともあり、参加者からは、「現給保障の廃止に連動して、地方交付金が削減されることはないのか」「定年延長は、地方公務 員はどのようなスケジュールですすむのか」「今後、退職手当の調査はどのようにおこなわれるのか」など10項目以上にわたって次々と質問が出されました。
  学習会を締めくくって閉会あいさつした林克副議長(静岡県評議長・静岡自治労連委員長)は、賃金改善と公務・公共サービス拡充の課題と一体でとりくむ重要 性を強調し、とりわけ、浜岡原発廃止をめぐって運動がひろがるもとで、「原発ゼロにむけた運動でも公務労働者が先頭に立って奮闘しよう」と呼びかけまし た。

「人勧新聞」を配って10万円のカンパも寄せられる

 京都公務共闘では、10月 6日夜に「ラボール京都」において、中央から黒田事務局長を講師に迎えて2011人勧学習会を開催しました。京都府中南部と京都市内から約50人の参加で 学習・交流を深めました。
 学習会では、公務共闘の藤本雅英議長(京教組委員長)が主催あいさつし、「賃下げ法案」や「マイナス勧 告」に職場の怒りが日ごとにたかまり、「府職新聞・人勧特集号」を職場に配るなかで、10万円のカンパが寄せられたことが紹介されました。
  黒田事務局長の講演では、改善できたはずの一時金を据え置くなど恣意的で、中高年層を狙い撃ちにした勧告であることが強調され、国民負担の突破口としての 公務員賃金の政治的利用を許さないこと、公務労働者と公務・公共サービス拡充を一体として政府追及を強めること、権利を生かすため労働組合を強く大きくす ることなどが訴えられました。
 その後、理不尽な勧告を反映してたくさんの質問・要望が出されました。「中高齢層のみの引き下げは、 世代間にくさびを打つ分断攻撃だ。その点を強調した運動が必要だ」との指摘とともに、「毎年のマイナスで組合員も元気をなくしている。職場にどう訴えるの か」などの率直な質問には、黒田事務局長からは、この間、各地の地方組織が宣伝や団体要請で共感をひろげていることが紹介され、外へ足を踏み出して公務・ 公共サービス拡充を訴える重要性がのべられました。
 各組合からの運動報告では、「府職新聞人勧特集号を、できるだけすべての職場・ すべての職員に渡し、肉声で訴えをしている」「職場では、非組合員を含めて怒りの声がでている。同時に何をしても無駄というムードもある。組合の存在意義 をかけてたたかう」「地方公務員にマイナス人勧を準拠させないため、若年層の改善など前進させる要求を掲げてたたかう。同時に人員削減で職場が大変だ。人 員増など職場要求も結合させてとりくむ」「経過措置を受けている教職員は4割を超える。教員の平均退職年齢は51.4歳だ。健康で働き続けられる職場作り と、子どもの教育を守る教育大運動を一体でたたかう」などの決意あふれる発言がつづきました。

県公務労組連絡会の正式結成後初の学習会

 群馬県公務労組連絡会は 10月7日、群馬県労会議(県労連)と共同して、2011年人勧学習会を前橋市内において開催しました。群馬県公務労組連絡会は、賃下げ反対をめぐるたた かいが前進するなかで、それまでの「準備会」を6月に正式組織に移行させるという組織的な前進も勝ち取ってきました。当日は、県内から約50名が参加しま した。
 木村恵一(初代)議長(群馬県国公議長)は、準備会から正式組織として発足するまでの経過報告をふくめて主催者あいさつし、 この間の運動への結集に感謝するとともに、新しく発足した県公務労組連絡会へのさらなる結集を訴えました。また、県労会議からは、真砂貞夫議長があいさつ しました。
 黒田事務局長が約1時間にわたって講演し、その後、質疑応答に入りました。約30分にわたり質問がつづき、その内容も、 勧告への疑問点にとどまらず、国会提出されている公務員制度改革関連などの問題点についても質問が出されました。
 最後に、清水裕県 労会議副議長(県高教組)が閉会あいさつし、木村議長の団結ガンバロウで学習会を閉じました。

「国に追随せず、主体的な改善勧告を」と人事委員会に要請

 山口県公務共闘は10月5 日、山口県人事委員会に対して「2011年県人勧に向けた重点要求書」とともに、「公務員給与削減に反対し、地域経済の活性化につながる改善勧告を求める 要請」(団体要請署名)を提出、交渉しました。
 県公務共闘からは河済議長はじめ6名が参加し、県人事委員会からは河野事務局次長以 下4名が対応しました。団体要請署名は、県労連はじめ山口、下関、宇部、周南など各地域労連や県国公共闘と各単組、高教組、県教組などから集約された89 団体分を提出しました。
 交渉では、人事院勧告が3年連続のマイナス勧告であり、現給保障の廃止や中高齢者層の給料表減額、一時金の 据え置きであったことを受け、あらためて国に追随せず、独立した地方人事行政機関として、また公務員の労働基本権制約の代償機関として主体的な改善勧告を おこなうよう求めました。
 参加労組代表からは、「マイナス勧告をはじめ、一時金については被災地3県を類推するなど、きわめて意図 的、政治的な勧告であり許されない」「賃金改善への期待を裏切る勧告であり、40歳以上という仕事の上でも責任を伴う世代への削減は士気にもかかわる問題 だ」「定年延長では、60歳前の給与水準の確保とともに定数増や臨時職員・臨時教職員の正規化など定年まで働き続けられる環境整備こそ重要だ」などの発言 が続きました。
 これに対して、県人事委員会側は、「民間調査の結果について集計中であり、現段階で具体的に言うことはできないが、 県は県として適切な勧告を行っていく。委員にも今日の要請内容を報告し、検討に活かしていきたい」と答えました。

以 上