No. 742
2010年3月4日
賃上げ・ 雇用拡大で景気回復をはかろう

= 「3・4中央行動」に公務・民間から3,000人が参加 =

  すべての労働者の賃金・労働条件の改善などをめざして、3月17日の一斉回答にむけた春闘ヤマ場に、全労連・国民春闘共闘が「3・4中央行動」を展開しま した。
 公務部会は、朝からの交運共闘の総決起集会(明治公園)に連帯参加し、午後からの人事院・厚生労働省前要求行動、総務省前要 求行動、総決起集会、国会請願デモなどに全国から1,000人が参加しました。
 中央行動全体では、公務・民間あわせて3千人の仲間 が行動を繰りひろげました。

仲間で埋め尽くされた厚生労働省・人事院前

人事院前  冷たい風が吹き抜ける中、全国からあつい炎を燃やす公務・民間の仲間が厚生労働省を取り囲み、春闘要求の実現をめざす厚生労働省・人事院前要求行動が、医 労連の山田真巳子中央執行委員の軽妙な司会・進行によって、12時ちょうどから開始されました。
 はじめに主催者を代表してあいさつ にたった大黒作治国民春闘共闘委員会・全労連議長は、春闘の山場に向けた本日の行動にあたり、厳しい雇用情勢に触れながら、大企業が内部留保を増やし続け ていることを批判しました。また、財界が盛んに内部留保は換金できないと言い訳していることに触れ、ヒステリックな反応を行うのは、財界・大企業にアキレ ス腱があるからだと述べました。
 加えて、鳩山政権が公約を果たしていないことに触れつつ、大きな課題となっている労働者派遣法の抜 本改正を実現させるとともに、大企業優先・アメリカ追随の政治姿勢から脱却させる世論を強めようと呼びかけました。
 次に、佐藤陵一 交運共闘議長(建交労委員長)から連帯のあいさつがあり、交運共闘が朝から明治公園で集会を開き、霞が関にむけたタクシー・トラック・ダンプパレードなど でアピールしながら、国土交通省で同時並行で要求行動を展開していることを報告し、連帯してたたかう決意が述べられました
 全労協からの連帯メッセ−ジが紹介されたあと、単産の代表4名によるリレートークが行われました。はじめに、全労連公務部会から秋山正臣事務 局次長(国公労連書記次長)が、社会保険庁の不当解雇を許さないたたかいに全力を挙げていこうと呼びかけつつ、政府・人事院との交渉で、賃金引き上げ、合 理化反対のたたかいに最後まで奮闘する決意を述べました。
 医労連の相沢幸敏書記長は、医療・介護難民が作り出され、地域医療が崩壊 している実態を告発しながら、世界第2位の経済力を誇る日本において、医療の充実ができないはずがないと述べ、春闘に結集して賃上げのたたかいとともに奮 闘する決意が述べられました。
 生協労連の北口明代副委員長は、中央行動に連結して全国から500名が集まり、最低賃金の引き上げ、 消費税の増税反対、パート労働法の改善をめざし、議員要請などをとりくみながら全力でたたかう決意が述べられました。
 リレートーク の最後は、京都自治労連の新田雅之書記次長が、保育現場での民営化による非常勤職員の雇い止め阻止のたたかい、自治体が100%出資した派遣会社が3年 たったので委託に変更するという偽装請負を行おうとしていることなどを告発し、最後に府知事選での勝利に向けたたたかいに全力を挙げていることを述べまし た。
 要求行動の締めくくりに全労連小松雅代事務局員のリードでシュプレヒコールが行われ、霞ヶ関に全国の仲間の熱い思いを込めた声 がとどろきました。

内需拡大のため最低賃金・公務員賃金の引き上げを

総務省前  総務省前要求行動は、公務部会中川幹事の司会ですすめられました。主催者あいさつに立った宮垣公務部会代表委員(国公労連中央執行委員長)は、「地域主権 改革」をめぐる枝野大臣発言が国家公務員の35000人以上の削減をめざすものであることを厳しく糾弾し、「国際的に欧米の半分以下の少ない日本の公務員 を、さらに削減して国民の人権を守ることができるのか」と指摘するとともに、憲法15条2項に逆行する公務員づくりを許すなと訴えました。
  福祉保育労の清水書記長は、民間部会の立場から連帯あいさつし、「地方分権が叫ばれる中、待機児童解消を名目に保育所の最低基準が廃止されようとしてい る」と現状を訴え、地域間格差を生まないためにも最低基準の引き上げと福祉保育分野で働く労働者の劣悪な労働条件を改善するたたかいをすすめる決意を述べ ました。
 蟹澤公務部会事務局次長は、前日の公務労組連絡会の政府・人事院交渉にふれながら、公務員の定員増、非正規問題、内需拡大 のための最賃引き上げと公務員賃金の引き上げ、労働基本権の全面回復の課題などについて情勢報告しました。
 決意表明では、全労働の 小田さんが「派遣きりから育休きりや産休きりに広がっているなか、職員削減ではなく労働行政の充実こそ求められている」、鳩ヶ谷市職労の岩村さんは「学校 給食民営化が偽装請負であることを告発したたかってきた。民間委託では良い仕事ができない」、郵産労本部の安達さんは「国民にとってのサービスが簡易局の 廃止などですすめられてきたが、回復できるよう郵政民営化の見直しを求める。また、非正規社員の均等待遇と正社員化での前進、大幅賃上げ、大幅増員が4つ の要求だ」と力強い訴えが続きました。
 最後に特殊法人労連の小林幹事のリードによるシュプレヒコールが総務省に向かって大きく響き 渡りました。  

変化をチャンスにねばりつよくたたかおうと決意固 めあう

決起集会 14時過ぎから国会議事堂近 くの社会文化会館で、全労連・国民春闘共闘主催による中央総決起集会を開催しました。
 公務部会の木原幹事の司会進行のもと、主催者 あいさつで全労連小田川事務局長は、2010年春闘に焦点をあてた課題にふれ、要求書提出が例年にもまして多くなっていること、要求額については福祉保育 労の4万円をトップに積極的な賃上げを要求していること。地域での公契約条例が進んでいること。最賃引き上げ・地域経済の活性化こそ内需拡大につながるこ とをあげ、「変化をチャンスに貧困・格差の解消、内需拡大・雇用確保で粘り強くたたかおう」と呼びかけました。
 情勢報告で黒田公務 部会事務局長(全労連常任幹事)は、春闘をめぐる闘争課題3点についてふれ、「民間も要求が出そろってきており軒並みベア要求を放棄しているが、内部留保 を取り崩せば賃上げは可能である。大企業の横暴を追及し、誰でも1万円以上の賃上げにむけ力を合わせよう。目に見え音に聞こえる春闘が幅広い共同と対話を 進めていこう」とのべ、全国統一行動日の18日には、郵産労、JMIU、通信労組、全国一般などでストライキが配置されているなか、「さまざまな行動で立 ち上がり、すべての組合員の参加で統一行動を大きく成功させよう」と訴えました。
 情勢報告をうけた決意表明では、公務三単産の書記 長が顔をそろえ、「今春闘の要求課題を公務労働者の役割と責任を発揮し労働者・国民の期待に答えたい。国公労連は1992年からビクトリーマップ、企業通 信簿をつくり大企業のアキレス腱ともいえる内部留保を告発してきた。行政分野から対話をひろげ、国公労働者の存在を地域から見えるよう大運動をすすめい く」(国公労連・岡部書記長)、「年末・年始の年越し派遣村から公設派遣村へ第2のセーフティーネットが壊れている。そして財政健全化の取り組みでも 働 くルールを確立するために公務・民間でたたかおう。」(自治労連・猿橋書記長)、「30人学級実現のために文科省に粘り強く求めていく。また貧困と格差か ら子どもたちを守るたたかいにも奮闘する」(全教・北村書記長)とのべ、また、民間を代表して全労連・全国一般の鈴木副委員長は、「宮城の商店街で200 件の訪問対話し、中小企業振興と消費税増税反対、ポスターを持っていっている。力をあわせてたたかおう」と春闘にむけた決意がのべられました。
  閉会あいさつで公務部会野村代表委員は、「多くの労働者・住民や国民と一体になって飛躍のたたかいへ踏み出そう」とあいさつし、最後に団結がんばろうで決 起集会をしめくくりました。
 集会終了後、参加者は国会請願デモに出発し、小雨が降るなかを、三宅坂から赤坂見附、溜池を通って、道 行く人たちにアピールしました。

 こうした行動とあわせて、各単産でも独自行動を配置、国公労連は内閣府への要 求行動、自治労連は午前中の総務省前の要求行動にとりくみ、また、郵産労は、非正規職員の賃金・労働条件改善を求めて、郵政本社前の行動や国会内での集会 を開きました。

以 上