No. 740 
2010年3月3日
地域から 「目に見え、音が聞こえる」春闘を

= 全労連公務部会第5回・公務労組連絡会第38回臨時総会特集 =

  全労連公務部会と公務労組連絡会は1月22日、全労連会館ホールにおいて臨時総会を開催し、すべての公務関連労働者の賃金・労働条件の改善、公務・公共 サービスを拡充するたたかいなどを柱とする「2010年春闘方針」と「2010年春闘統一要求」を決定し、全労連の「地域総行動」の先頭に立って奮闘し、 地域から「目に見え、音が聞こえる」春闘を作り上げていく決意を固めあいました。総会には5単産・23地方組織から77人が参加しました。


「対話と共同」こそ運動の柱であることを確認

  総会は、宮垣代表委員(国公労連委員長)の開会のあいさつで始まり、総会議長に国公労連の岩戸中央執行委員と自治労連の藤田中央執行委員を選出しました。

  続いて、山口代表委員(全教委員長)が「この春闘で公務員労働者の要求実現への展望を切り開くため力を合わせよう。労働者の雇用と生活を守れ、派遣切りを 許さない、大企業は内部留保を取り崩し社会的責任を果たせの声を、すべての労働者と共同して大きく広げていこう」と主催者あいさつ。来賓の全労連・大黒議 長、全労連民間部会・鈴木幹事、日本共産党・山下参議院議員からそれぞれ激励・連帯のあいさつをしました。

  議事に入り、@2010年春闘方針案、A2010年春闘統一要求案について、黒田事務局長が一括して提案。提案をうけての討論では、各地方や各単産から 11人が発言し、黒田事務局長の討論のまとめの後、両議案とも満場の拍手で採決されました。

 その後「社会保険庁職員の解雇撤回を求 める特別決議」と「2010年春闘アピール」を満場の拍手で採択。最後に、野村代表委員(自治労連委員長)による閉会のあいさつと団結ガンバローの三唱 で、公務における2010年春闘を意気高くスタートしました。

 また、午前中には総会に先立って「地方代表交流集会」を開催し、 2010年春闘における地方での取り組み状況などについて交流しました。

  討論での発言は次のとおりです。

@ 郵産労・上平書記次長
 郵政民営化から2年が過ぎ、サービス低下が明らかになってき た。郵政民営化の抜本的な見直しを求めていく。ワーキングプアの製造工場となっている郵政職場を変える決意で、非正規職員の処遇改善を求め春闘をたたか う。

 A自治労連・後藤書記次長
 自治体では依然として自治体リストラなどが行われ、政権交代の変化が感じられない。09秋年闘争では、非正規職員に関わる前進と、組織拡大がで きた。消防職員の団結権については、国民の安心・安全、生命・財産に関わる問題とも合わせて、権利回復へ取り組みを強めていく。

B全教(日高教)・藤田書記長
 高校卒業の就職内定率は68.1%で、約3割の高校生は卒業しても社会に出た等一歩から失業者になってしまう。企業の社会的責任は重大だ。おか しいという声をあげ、高校生の雇用を守るたたかいで大きな世論をつくっていきたい。

C北海道公務共闘・上川事務局長
 5月の一時金カットでは「異例」という文言を人事院勧告に入れさせた。千歳市のオルグに行った際など、民間から多くの励ましをもらった。地域総 行動の提起は重要だ。各単産において交流しながら、春闘で地域に足をふみだしていく決意だ。

D宮城公務関連共闘・野中事務局担当世話人
 くらし・教育・雇用を守る課題で地元の農協などの生の声を聞いてきた。地域に仕事がない、農業だけでは生活できない、どうしてこうなるのかの声 が出された。鳩山政権が進める政策を見極めながら、地域労連の結成に向けて声を出していく。

E特殊法人労連・杉浦幹事
 登記の窓口業務の市場化テストで、多くの民間人が採用され大量解雇が行われた。非正規労働者は、時給680円・年収200万円に満たない。国民 への公務・公共サービスの質の維持と、委託労働者の権利を守るためには公契約運動が急務だ。

F京都公務共闘・福島幹事
 5月の一時金削減阻止の運動で官民共同のたたかいが大きく広がった。京都府知事選では、府民本位の新しい政治をつくるため、医師・門ゆうすけ候 補の支援を決めた。する。全国からも物心両面での支援をお願いしたい。

G国公労連(全厚生)・杉浦書記長
 社保庁職員の分限解雇撤回のたたかいに最後まで支援をお願いしたい。年金記録問題などの責任を職員に転嫁し、雇用破壊が強行された。全厚生組合 員31人が人事院に対して不服申し立てを行った。「安心・年金つくろう会」でも共同を大きく広げていく。

H青森県公務共闘・谷崎議長
 自分の勤めている定時制高校の授業料は月2,700円だが、PTA会費・生活改善費など別にお金がかかる。授業料の無償化にとどまらず、「教育 の無償化」が必要だ。不況のなか負の連鎖で母子家庭の生活はいっそう困難だ。地域を活性化するため奮闘する。

I全教・北村書記長
 大量宣伝ビラを春闘のとりくみのなかで大きく位置づ けている。長時間過密労動の解消、非正規労働者の処遇改善などは、国民との共同がないと実現できない。ビラは2月中に全職場に届けて3月中に運動を広げ る。

J 全教・木原中央執行委員
 大阪府では母性保護のための休暇制度と両立支援の改悪が提案 された。母性保護や両立支援を後退させてはいけない。女性差別撤廃条約30年、世界の流れから大阪は大きく逆行している。公務から民間へよい影響を与え、 命を守る春闘にしていきたい。

■討論のまとめ・黒田事務局長
 討論を通して、職場・地域での共同が確実に広がっていることが明らかになり、改めて「総対話と共同」が公務産別の運動の柱であることが確認でき た。労働基本権の問題は新たな局面に入った。今春闘では、すべての職場で要求書を提出して交渉していく運動をしっかりと進めていこう。「地域総行動」を公 務労組連絡会としても積極的に取り組み成功させよう。

2010年春闘アピール

  完全失業者数が依然として増え続けるなか、新卒者の就職内定率は7割を切り、この春に卒業をむかえる高校生たちは、不安なまま年越しを迎えている。「派遣 切り」の実態は昨年も改善されず、年末に設置された東京の「公設派遣村」には、職も住居も失った労働者800人以上が殺到した。

 2010 年春闘では、外需依存の経済を内需中心に変えていくため、労働者・下請けいじめを続ける大企業の横暴を規制し、賃上げや雇用拡大で景気回復を求めるたたか いが重要となっている。そのため、「大企業は社会責任を果たせ」「膨大な内部留保をはき出せ」という道理ある要求を高くかかげ、「誰でも1万円以上」の賃 金底上げ、「時給1,000円以上」の最低賃金引き上げ、非正規労働者の均等待遇、労働者派遣法の抜本改正などを実現するたたかいを重視する。

  自公政権による「構造改革」のもとで公務・公共サービスが切り捨てられ、職場では定員削減や人事評価制度の導入がすすんでいる。地方自治体では、財政悪化 を口実にした賃金カットや、休暇制度等の諸権利の改悪が、住民サービス後退と一体で強行されている。
 また、「構造改革」による社会 保険庁の「解体・民営化」では、500人を超える大量の分限免職さえ強行される事態となっている。今後さらに、国の出先機関や独立行政法人・公益法人の見 直しがねらわれ、これらが、「行政のムダの排除」などとして「政治主導」で乱暴にすすめられる危険性を強めている。

 このように、民 主党を中心にした新政権は、自公政権の「構造改革」路線を抜本的に転換するまでにはいたっておらず、公務・公共サービス拡充にむけた国民への具体的な呼び かけを強め、共同をひろげていく必要がある。

 公務員制度改革をめぐっては、労働基本権回復がいよいよ現実のものとなりつつある。憲 法原則に立った公務労働者の権利回復のたたかいを前進させるため、職場や地域での学習・討議、組織拡大の取り組みを強化していくことが求められている。

  新政権下で初めてたたかわれる2010年春闘では、全労連が国民共同のたたかいとして提起する「地域総行動」の先頭に立って奮闘し、地域から「目に見え、 音が聞こえる」春闘を作り上げよう。夏の参議院選挙も見据えながら、政治の民主的転換を展望して、社会保障や教育の拡充、地域経済の活性化、不況の打開な ど、すべての国民に共通する要求の実現に全力をあげよう。
 2010年春闘での意気高い奮闘を心から呼びかける。

  2010年1月22日

公 務部会第4回・公務労組連絡会第38回臨時総会


社会保険庁職員の分限免職の撤回を求める決議


  鳩山内閣は、年金記録問題の解決のメドもたっていないのに、公的年金の運営を担う社会保険庁を昨年末に廃止・民営化し、今月から日本年金機構を発足させ た。
 ところが、現行より2,500人も人員を減らす一方で、民間から1,000人以上も採用しながら、昨年12月28日に、再就職 先が決まっていない525人の社会保険庁職員に対して、長妻厚生労働大臣は、民間企業の解雇に当たる分限免職を強行した。
 しかし、 実質的に年金業務という仕事がなくなったわけでもなく、過員が生じているわけでもなく、分限免職の必要性は全くない。また、厚生労働省の雇用確保策は有期 雇用で賃金も大幅に低下するなど極めて不十分で、分限回避義務がつくされていない。さらに、懲戒処分を受けたことを理由に画一的に不採用とするのは、二重 処分の禁止に違反し、不公正であるばかりか、職員や労働組合に対して十分な協議も説明も行われていない。
 これらのことからも、今回 の分限免職は、日本労働弁護団も指摘しているように、「裁量権の濫用」であり、違法な解雇である。
 日本年金機構は、250人を超え る欠員が生じたまま業務を開始しており、年金記録問題を解決し、安定した年金業務の運営体制の確立のためには、経験豊富で専門知識のある社会保険庁職員の 能力を活用することが必要である。長妻厚生労働大臣は、分限免職を撤回してすべての社会保険庁職員の雇用を継続すべきである。
 ま た、このような分限免職が許されるなら、他の公務職場にも大きな影響を与えるばかりか、雇用を守るべき厚生労働省が国家公務員の違法解雇を行っていること を理由に、民間企業でもリストラによる解雇が自由に行われるようになる。
 こうした不当な攻撃と対決して、国公労連・全厚生労働組合 の組合員31人は1月18日、人事院に分限免職は違法だとして撤回を求める不服申し立てを行った。このたたかいは、単に社会保険庁職員の雇用を守るだけで なく、日本の労働者の雇用を守り、働くルールを確立するたたかいでもある。
 全労連公務部会、公務労組連絡会は、人事院に不服申し立 てを行った組合員のたたかいを全面的に支援し、分限免職を撤回させるとともに、国民が求める安心・安全な年金業務を行うための日本年金機構の体制拡充と安 心信頼できる年金制度を確立するために全力をあげるものである。
 以上決議する。

  2010年1月22日

公 務部会第4回・公務労組連絡会第38回臨時総会
以 上