No.612 2007年5月18日 |
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「新人材バンク」など「天下り」問題に議論集中 |
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= 「公務員制度改革」関連法案の委員会審議はじまる = |
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「成績不良者はさっさと民間に行ってもらえばいい」午前中の質疑で質問に立ったのは、西村康稔・平井たくや・後藤田正純(以上、自民)、石井啓一(公明)の各議員で、主に、民主党提出法案を中心にして質疑がおこなわれました。また、衆議院本会議をはさんで、15時から再開された委員会では、細野豪志・馬淵澄夫・武正公一・泉健太(以上、民主)、吉井英勝(共産)の各議員が、「官民人材交流センター」など「天下り」問題を中心に、 政府を追及しました。 民主党の細野議員は、国土交通省所管の財団法人建築保全センターに、6代続いて国交省の同じポストの職員が理事長として天下りをしている例をあげ、「保全センターからの希望、依頼にもとづいて、同じポストからの天下りが続けられてきた。政府の定義している『権限を背景にした各府省からの押しつけ的な再就職あっせん』にはあてはまらないが、法案では、これをどうやって規制するのか?」と見解を質しました。 渡辺行革担当大臣は、「法案では、あっせんや口利きに対する刑罰を設け、中立的な監視員会も置くなど規制は強化される」としつつも、細部については、今後、政府の有識者懇談会が制度設計をはかるとし、具体的な答弁を避けました。 細野議員は、「法案のどの条文に書いてあるのかを示せ。何でもかんでも有識者会議で決めるというのでは、国会で法案の審議をする意味がない」とせまると、渡辺行革担当大臣が、「有識者懇談会では、国会審議もふまえて議論されるはずだ。法案の精神を理解してもらいたい」などと抽象的な答弁に終始したことから、明確な答弁を求める民主党との間で会議が紛糾し、委員会審議が一時ストップする一幕もありました。 つづく馬淵議員は、「天下り」の一因ともなっている早期勧奨退職(肩たたき)こそ全面禁止すべきだとせまりました。これに対して、渡辺大臣は、「早期勧奨退職は、役所の年功序列の人事が背景にある。だから、能力・実績にもとづく人事管理で、年功序列人事をあらためていく」と答弁すると、馬淵議員は、「民間でも年功序列人事はある。肩たたきは、事務次官を頂点にしたピラミッド型の人事構成にこそ根本的な問題がある。それを正さず、人事管理を変えるというのは本末転倒だ」と指摘すると、「民主党の考え方は、年功序列を擁護し、組織の劣化を招くもの。組織を活性化させ、筋肉質の政府をつくることが法案の考え方だ」と反論し、「公務員制度改革」が、「小さな政府」づくりなど「構造改革」の一環であることをあらためて明らかにしました。 また、その後の泉議員の質問でも、繰り返し肩たたき問題を追及された渡辺大臣は、「民主党案のように単に肩たたき全面禁止ではなく、人事管理の根本を変えていく。能力・実績主義がすすめば、従来型の人事は、自然になくなっていく。新しいカルチャーが生まれる」とのべ、さらに「成績が悪い人までなぜ税金で養わなければならないのか。成績不良者は、定年まで働かずに民間に行ってもらえればいい。それが本人のためにもなる」などと暴言ともいえる答弁を繰り返しました。 民間から要請された「天下り」を規制できるのか共産党の吉井議員は、東京証券取引所が、新設される自主規制会社の理事長に元財務事務次官を起用する人事を内定したこと実例にあげ、「民間から就任を要請された天下りの典型例だが、新人材バンクができても、こうした天下りは規制ができないのではないか」と質すと、渡辺大臣は、「外部の監視機構があり、法案では、立ち入り検査や事情聴取もできると明記している。民間から乞われても、新たな法律のもとでは、求職活動や口利きが懲戒や刑事罰の対象となる。チェックの目は光っている。今までとはまったく違う」と答弁しました。政府代表として同席した塩崎内閣官房長官にも答弁を求めると、「東証の問題は、政府としてのコメントは差し控えさせてもらうが、民間から乞われて就職した場合も、新たな法律では、あっせん行為となり、実質的には禁止される。ただし、現段階では、それを規制する法律がない。金融庁への届出が必要なだけだ」として、府省からの押しつけがなくとも、違法行為になるとの見解を示しました。こうした答弁もうけ、吉井議員は、塩崎官房長官に対して、焦点となっている「官民人材交流センター」の長に内閣官房長官が就くことをふまえて、法案質疑の場には、担当大臣だけではなく、毎回、官房長官も出席するように内閣委員長に要求し、扱いについては、今後、理事会で協議していくこととなりました。 さらに、吉井議員は、天下りにとどまらず、民間銀行から「MOF担」などとして財務省に社員を派遣し、かつて不祥事を招いた「天上がり」の例をあげ、官民交流の促進によって、こうした新たな癒着が生まれる問題点を指摘しました。しかし、渡辺大臣は、「民間からの中途採用は大いに結構なことだ。『天上がり』などとさげすむ考えはない。官と民の垣根はできるだけ低くするのが良い」とのべ、まったく問題にしませんでした。吉井議員は、「一般論を言っているのではない。『天上がり』が企業にとっては利益になり、公務にとっては、全体の奉仕者としての仕事の性格をゆがめることになる。問題の根本を絶つことなしには、政官財の癒着はなくならない」と厳しく指摘しました。 昼休みの衆議院議面集会で緊迫した情勢を意思統一衆議院で内閣委員会、厚生労働委員会が並行して開催された18日、昼休みには、衆議院議員面会所で、公務労組連絡会・全労連「公務員制度改革」闘争本部・労働法制中央連絡会の三者共同による集会を開きました。主催者を代表して、公務労組連絡会の米浦議長は、自民・公明の両党が教育「改革」3法案を採決を強行しことに抗議したうえ、「公務員制度法案は、今日から本格審議がスタートする。勤務条件の根幹にかかわる法案を、労働組合との合意のないままに強行は許されない。社保庁『解体・民営化』も、雇用にかかわる法案で認められない。参議院に移った教育三法案とともに、廃案にむけて大いにがんばろう」と呼びかけました。 国会の委員会室から直接駆けつけた日本共産党の吉井英勝衆議院議員は、内閣委員会での審議状況を報告し、「財界の要望にもとづいて、天下り規制とは180度反対の方向をむいている。まっ先にやるべきことは労働基本権の回復だ」とのべ、公務員制度法案の廃案を求めていく決意を明らかにしました。 民間労組を代表して連帯あいさつした建交労鉄道本部の高橋書記長は、「国鉄争議団のたたかいは20年におよんでいるが、社保庁『解体・民営化』で、その時と同じ手法がとられようとしている。民営化されて、JRは財界の食い物にされてきた。社保庁も同じ道をたどらせてはならない。みなさんのたたかいを国鉄の仲間たちつたえたい」と激励しました。 決意表明では、全教の木原中執、国公労連の岡部書記長とともに、労働法制中央連絡会を代表して、新日本婦人の会の古田中央委員が、それぞれのたたかいを報告し、最後に、全労連「公務員制度改革」闘争本部の寺間事務局長が行動提起し、社保庁「解体・民営化」法案の衆議院採決もねらわれる緊迫した情勢のもと、5月25日に配置されている第1次中央行動の成功などたたかいの強化を全体で確認しました。 |
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以 上 |