No.598
2006年12月22日
灯油の値上がりは生死にかかわる問題だ!
= 北海道公務共闘が寒冷地の生活改善求めて総決起集会 =
 原油価格の世界的な高騰によって、灯油やガソリンの値上がりが生活を直撃しているもと、北海道公務共闘は21日、「まともに冬を越せるための『寒冷地手当支給』をめざす12・21札幌総決起集会」を開催しました。
 決起集会には道内から160名が参加、民間労組の仲間も激励に駆けつけ、公務労働者にとどまらずすべての道民の暮らしを守るため、今後の奮闘を誓い合いました。

道民の暮らしを守るため公務労働者が先頭に立とう

 例年より降雪量は少ないとは言うものの、歩道のいたるところが雪に覆われた札幌市内。仕事が終わって、寒い中を仲間がぞくぞくと駆けつけるもと、18時から札幌教育文化会館の小ホールで総決起集会が開始されました。
 主催者あいさつした北海道公務共闘の阿部議長(北海道国公議長)は、「寒い冬がいよいよやって来た。この冬をまともに暮らせるための手当改善を求める。道民の生活を守るためには、国の援助が必要だ。私たち公務労働者が先頭に立ってたたかおう」と呼びかけました。
 民間労組を代表して激励に駆けつけた建交労北海道本部の森国副委員長は、トラックやダンプに使う軽油の値段が1年間でリッターあたり30円もアップし、年間で60万円もの負担増になっていることを示し、「走れば赤字になる実態のなかで、やむなく出稼ぎしなければならない仲間もいる。暖かい冬を迎えるために、みなさんと連帯してたたかう」と決意を込めてあいさつしました。
 また、北海道生活と健康を守る会連合会の佐藤事務局は、「灯油がなければ死ぬという現実の前に、わずかな年金で暮らすお年寄りは、昼間は病院や役場で暖をとり、夜は布団にこもり、灯油代を切り詰めている」とのべ、こうした人たちに手をさしのべようとしない国や北海道当局への怒りをあらわし、各自治体での「福祉灯油」などの支援がすすむなかで、連帯して運動を大きくしていきたいとの決意がのべられました。
 その後、公務労組連絡会の黒田事務局次長が「いのちと暮らしを守り、政治を変えるたたかいを地域から」と題して、公務労働者の07春闘の課題を報告し、たたかいの軸となる「全県キャラバン総行動」への積極的な結集を訴えました。黒田事務局次長は、北海道の仲間のたたかいの意義を明らかにしたうえ、「今日の集会は、全国の公務の仲間からも注目されている。北海道の地から大いに奮闘しよう」と激励しました。

国・北海道など行政の責任による援助は不可欠

 北海道内のたたかいや灯油価格などをめぐる情勢について、国民大運動北海道実行委員会の小室事務局長(道労連事務局長)が報告し、大手石油会社各社が過去最高の利益をあげていることや、ガソリンの価格の中には多額の税金が含まれていることなどをあげ、灯油やガソリンの値上げが、国民犠牲の「構造改革」とも結びついていることを明らかにしました。そのことから、行政による援助は不可欠であると指摘しました。加えて、小室事務局長は、財政再建団体となった夕張市を守るたたかいへの全国的な援助を訴えました。
 参加者からの決意表明では、北海道国公を代表して柏樹事務局長が、「安倍首相は、力づくで教育基本法改悪を強行した。教育格差が拡大し、さらにいじめがひろがる。人間が個人として尊重される社会にするためがんばりたい」として、道国公での07春闘でのとりくみを紹介しました。
 美唄から来た道教組・空知教組の関屋書記長は、「寒冷地手当が改悪され、約6割にまで削減される。さらにそのうえ、北海道では10%の賃金カットが強行されている。政府は好景気と言うが、実感できるはずがない」と怒りを込めて、決意表明しました。
 こうした決意表明をうけて、「すべての北海道民があたたかい冬を過ごせるため、安心して生活できるため奮闘しよう」とする「集会アピール」を全員で採択して集会の幕を閉じました。
 集会終了後は、しんしんと冷え込む札幌市内をデモ行進し、市民に対して、まともに冬を過ごせるための共同したとりくみを元気よく呼びかけました。
以 上