No.529
2005年6月30日
がっちりスクラム組んで地域からたたかうぞ!
= 「骨太の方針2005」「給与構造の見直し」に反対する運動がすすむ =
 人事院の「給与構造の見直し」、小泉内閣の「骨太の方針2005」による公務員総人件費削減に反対して、各地でさまざまなとりくみがすすんでいます。
 岡山では、公務・民間の労働組合が協力して「岡山市労働問題連絡協議会」が新たに結成され、公務員に対する攻撃に一致団結して立ち向かっていくことを確認しました。また、福島県公務労組連絡会は、県春闘共闘と共同で決起集会を開くなど、各地で公務と民間の組合が協力し合って運動が前進していることが特徴です。

公務員攻撃を許すな!新たな地域共闘組織を結成(岡山)

 6月21日夜、「岡山市公務労働問題連絡協議会」の結成総会が開かれました。
 小泉「構造改革」は、「官から民へ」として公務を民間に移す「市場化テスト」の一部実施や「郵政民営化」などを強行しようとしています。また、「三位一体の改革」の総仕上げとして、地方交付税の財源保障の縮小、指定管理者制度や独立行政法人化をはじめ、公務員の人件費削減、民間の成果主義賃金の導入などの攻撃が強められています。
 とりわけ、8月の人事院勧告でねらわれる「給与構造の見直し」は、全公務員の賃金を引き下げる攻撃の一環であり、成果主義の導入とあわせて、公務員のみならず民間労働者にも大きな影響を与えることなります。
 こうした状況をふまえ、岡山市内の公務・民間の労働組合が一緒になって、現状を把握し、学習をしながら運動を通して広く市民にアピールしていこうと、「岡山市公務労働問題連絡協議会」の結成にむけて準備をすすめてきました。
 結成総会が開かれた21日は、おりしも、「骨太方針2005」が閣議決定され、サラリーマン大増税をねらう政府税調報告が出されるなか、総会には、民間7組織・公務10組織が結集しました。
 結成総会では、今後、公務・民間の労働組合が一緒に公務問題にとりくむとともに、当面、県公務共闘とも連絡し合いながら人事院への要請電などのとりくみを具体化していくことを確認しあいました。
 各組合からの発言では、民間労組の「岡山地域労組」の参加者は、「最賃闘争などを中心に活動しているが、公務員賃金が5%も引下げられたら、それを口実に地域の最低賃金が引き下げられる可能性がある。民間の賃金底上げのためにも一緒にがんばりたい」と決意をのべ、「おかやま生協労組」の参加者は、「成果主義の先端を走っていた富士通も、トップダウンで成果主義を個人からグループに移行しており、公務に成果主義が入れば、民間への成果主義にも一層拍車がかかる。何としても阻止したい」とのべるなど、各組合からの発言を通して、すべての労働者が一体となってたたかっていく必要性が確認されました。
 結成を記念しておこなれた学習会では、公務労組連絡会の若井事務局長を講師に招き、「職場の団結強化・住民との共同拡大で、不当な公務員攻撃をはね返し、要求と夏期闘争の前進を」と題して講演を受けました。学習会には、「給与構造の見直し」の課題について学習を深め、これからの活動に生かそうと20組織64名が参加し、熱心に耳を傾けました。(報告−岡山県公務共闘・小柴事務局長)

地域経済破壊の「給与構造の見直し」阻止へ決意固める

 福島県公務労組連絡会は29日、福島県春闘共闘委員会との共催で、「地域給・成績主義導入阻止!賃金交流集会」を開催しました。公務・民間の組合から40名が参加しました。
 集会では、はじめに、県春闘共闘の小川代表(福島県労連議長)と県公務労組連絡会の高橋議長(高教組)があいさつし、小川代表は、「一昨日、人事院東北事務局と交渉してきた。人事院の使命は、公務員の勤務条件の改善にあるが、賃下げしておいて何が『改善』なのか。公務員の賃下げは、民間労働者をはじめ、地域経済にも影響する。地域を守るため奮闘したい」と決意をのべました。
 その後、公務労組連絡会の黒田事務局次長が「公務員総人件費削減・給与制度の改悪をを許すな!」と題して問題提起し、また、県国公の高木議長が、「給与構造の見直し」をめぐって、県内の地域経済に232億円のマイナス効果をおよぼすことや、これまでのたたかいについて報告があり、そのなかで、7月6日の「東北総行動」や、26日の中央行動への積極的な参加が呼びかけられました。
 これをうけて、各労組・団体から4名が報告しました。自交総連からは、タクシー台数と料金の規制緩和による、タクシー労働者の収入減少と健康破壊などについて報告があり、「構造改革」のもとですすむ規制緩和がスピード違反や事故を多発させている実態が告発されました。医労連からは、病院のなかですすむ成果主義賃金が安全・安心の医療を脅かす結果につながっていることが報告されました。
 福島県生健連の参加者は、生活保護切り下げ攻撃の現状を報告し、「社会保障は人として生きる権利を実現するものだ」と強調しました。また、全医労からは、国立病院の賃金職員の「不利益・雇い止め是正裁判」への支援の訴えがありました。
 集会は、「給与構造の見直し」を阻止し、すべての労働者の大幅な賃金引き上げをめざす決議を採択し、最後に、小川代表・県労連議長の発声により団結ガンバロウを三唱して決意を固め合い、幕を閉じました。
以 上