No.527
2005年6月22日
国民犠牲の「骨太の方針2005」を閣議決定
= 社会保障費の抑制、公務員総人件費削減などで「構造改革」を推進 =
 経済財政諮問会議で議論されていた「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針2005)は、21日夜の同会議で最終確認され、小泉内閣は、その後に開いた臨時閣議において、今後の「構造改革」をすすめる政府の方針として閣議決定しました。
 公務労組連絡会は、22日に開催した第19回幹事会において、「骨太の方針」の閣議決定に対する「抗議声明」を確認、郵政民営化関連法案阻止など、今後のたたかいの強化を呼びかけました。

「骨太の方針2005」の閣議決定に抗議する(幹事会声明)

〜国民犠牲の「構造改革」許さず、国民の
いのち・暮らしを守る民主的行財政の確立を〜

2005 年 6 月 22 日
公務労組連絡会第19回幹事会

1、小泉内閣は21日、今後の「構造改革」の方向を示す「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針2005)を閣議決定した。
  今年で5回目の策定となる「骨太の方針」は、アメリカと財界いいなりのもとで、金融や税制などあらゆる分野にわたって「構造改革」をすすめ、この国のかたちを大企業の経済活動優先に変える方向をよりいっそう露骨にしている。その一方で、国民生活に対しては、社会保障給付費の伸びを抑制することを基調に医療制度「改革」の断行などを通して、さらなる「痛み」を押しつけるものである。

2、今回の「骨太の方針」が主眼にしたのは、「小さくて効率的な政府」をつくることであり、その目的は、政府みずからが身を切り、効率化をはかる姿を国民に見せていくことなどとしている。
  しかし、その手法は、国民の大多数が反対する「郵政民営化」をはじめ、市場化テストの本格的導入など公務の民間開放、独立行政法人の業務見直しなど、徹底した「公務リストラ」の推進とともに、補助金削減など「三位一体の改革」で地方自治体への負担を強化することにある。
  こうした施策は、政府が「身を切る」どころか、結局は、国民への負担となって返ってくることは、この間の郵政民営化関連法案の議論を通しても明らかである。国民のいのちと暮らしを守る責務を持つ公務労働者として、公務・公共サービスの営利企業化・商品化に断固反対するものである。

3、なかでも強調されているのが、「公務員の総人件費削減」である。「人と組織を変える」として、国・地方ともに定員の「純減目標」を掲げ、来年度予算に反映させるために、「基本方針」を今年秋までに策定するとしている。
  さらに、民間給与を踏まえた国家公務員給与の「見直し」推進を人事院に要請しつつ、地方公務員にも地域の民間給与水準をより適切に反映させるよう求めている。
  これらは、公務員労働者の労働基本権を制約したうえで、賃金の切り下げや定員削減を強権的にすすめ、そのことをテコにして国民に総犠牲をせまるねらいを持っており、国民的にも断じて認められるものではない。

4、そもそも、「骨太の方針」を策定してきた経済財政諮問会議は、財界メンバーに主導され、議論過程で国民の意見が反映される余地はない。このような経済財政諮問会議の答申を全面的に肯定し、政府として閣議決定を強行したことに強く抗議するものである。
  公務労組連絡会は、同日、政府税制調査会が打ち出した大増税路線とも一体で際限のない負担をせまる「骨太の方針」に反対し、民主的な行財政・教育の確立をめざして、国民と共同をさらにひろげてたたかう。そのために、当面する最重要課題である郵政民営化関連法案の廃案をはじめ、人事院の「給与構造の見直し」による賃金切り下げと格差拡大阻止、「三位一体の改革」阻止にむけて全力でたたかう決意である。
以 上