No.436
2003年11月19日
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許すな年金改悪・大増税!5000人が共同行動
= 公務労組連絡会が秋年闘争第3次中央行動を展開 =
 全労連の全国統一行動日の11月19日、公務労組連絡会は秋季年末闘争の第3次中央行動にとりくみ、各省への要求行動、総決起集会、国会請願デモなどを展開しました。
 昼休みの時間帯に開催された全労連主催の中央集会には、公務各単産をはじめ、民間労組などをふくめて5,000名が結集、年金の大改悪、消費税増税をねらう小泉内閣に「ノー」の声を突きつけました。
 特別国会の開会日とも重なった霞が関・国会周辺は、各組合が要求行動を展開し、終日にわたり騒然とした雰囲気となりました。行動を通して、来春闘にむけて引き続き運動を前進させていく決意を固め合いました。
公務・民間労働者、年金者組合が総結集した大決起集会
 12時過ぎから日比谷野外音楽堂で開始された「国立病院職員の雇用を守れ!年金大改悪・増税反対、秋闘勝利11・19総決起集会」には、公務各単産、自交総連・建交労などの民間組合、年金者組合参加者が詰めかけました。医労連からは、国立病院の賃金職員の雇用確保でたたかう白衣の看護師さんたちが座席の中央に陣取りました。
 5千人が埋めつくした会場で、主催者を代表して全労連の熊谷議長があいさつし、「総選挙では2大政党制の異常なキャンペーンがくり返されたが、大増税と憲法改悪では自民も民主も同じだ。そのなかで労働組合の役割がいっそう重要となっている。年金改悪などのたたかいを一回り二回りひろげて来春闘への大きな流れをつくりだそう」と呼びかけました。
 激励に駆けつけた日本共産党の小池晃参議院議員は、「厚生労働省は17日、未曾有の年金改悪案を示した。掛け金引き上げ、給付の大幅削減の一方で、10年前に約束した国庫負担2分の1への引き上げはホゴにしようとしている。イラクへの自衛隊派遣、年金改悪を許さないため国会で奮闘する」と決意を込めてあいさつしました。
 全労連の坂内事務局長からは、秋年闘争をめぐる情勢、全国キャラバンや署名など運動の到達点について闘争報告がのべられ、その後、各分野の代表4人から発言があり、全医労の保木井委員長は、「厚生労働省は10日、国立病院の賃金職員の雇い止めを通告した。坂口大臣は、賃金職員を『お気の毒な人たち』などと言いながら、政府も、その存在を認めざるをえない。ありとあらゆることをやってたたかいぬく」と力強く決意をのべました。また、公務労組連絡会を代表して、駒場副議長(自治労連委員長)は、「全労連がとりくんでいるILOアピール運動では240人の著名人が賛同者となり、200を超える地方議会の決議採択など国内でも世論がひろがっている。憲法とILO勧告にそった国民のための公務員制度確立へ団結して奮闘する」と決意表明しました。
 決起集会は、「アピール」を採択し、最後に、団結ガンバロウを三唱して閉会しました。
  文部科学省
教育基本法改悪とイラク自衛隊派兵は一体のもの
 公務労組連絡会の参加者は、引き続いて、総務省、財務省、文部科学省への要求行動へとむかいました。
 また、これらの行動と並行して、衆参すべての国会議員に対して、年金制度の拡充、国立病院賃金職員の雇用確保を求めて要請行動にとりくみました。
 文部科学省前の要求行動では、公務労組連絡会の石元議長(全教委員長)が主催者あいさつし、「河村文部科学大臣は、教育基本法改悪法案の来年の通常国会への提出を明言した。基本法に、『愛国心』を盛り込むことはイラクへの自衛隊派兵とも一体のものだ。教育基本法を生かした学校と社会をつくろう」と訴えました。
 長谷川副委員長の闘争報告では、本日、8万5千筆の教育基本法改悪反対署名を提出し、これをふくめて100万にせまる署名が集約されたことが報告され、そのことに確信を持ち、いっそうの運動発展が呼びかけられました。
 決意表明では、「政府は、奨学金を教育ローンに変えようとしているが、優れた教育を残していくことは国民の夢でもある。日本育英会の組織は変わっても、よりよい教育をすすめるため引き続きたたかう」(育英労の広田副委員長)、「金のかかる教育を削ろうとして、障害児教育のリストラがすすんでいる。そうした攻撃を許さないため奮闘したい」(都障教組の垣見さん)、「不適切教員の規則制定、賃金20%ダウンなどこれまでの労使関係を無視した攻撃が強まっている。憲法と教育基本法にそった民主的な学校をつくりたい」(富山高教組の中町さん)、「定員の2倍にもなる生徒をつめこんだり、たらい回しにする養護学校もある。憲法の精神にもとづき、障害児教育のリストラ・再配分は許さない」(神奈川障教組)など職場代表の発言がつづきました。
    総 務 省
公務員賃金の削減を許さず運動を発展させよう
 総務省前要求行動では、駒場副議長が、「2004年春闘の最大の課題のひとつは年金の問題だ。全労連が提起している4・15年金ストライキにむけて、今から職場・地域で構えをつくっていくことが必要だ。イラクへの自衛隊派兵阻止も狙われており憲法9条を守ることが大事だ」と主催者あいさつしました。
 若井公務労組連絡会事務局長は、「地方確定のたたかいでは、マイナス人勧、財政危機を口実にさらなる賃金カットが行なわれ、地域経済にも大きな影響を与えている。総選挙では、自民党と民主党は公務員の削減を公約した。従来のたたかいの枠をこえ、本格的に官民一体の運動にむけて団結して発展をめざそう」と闘争報告しました。
 各単産の代表からは、「法務省では5年間で420人が削減された。登記簿職場では窓口の相談が急増し、残業、休日出勤を余儀なくされている。定員削減に反対し、職場の実態にみあった要員確保にむけてたたかう」(全法務本部の大磯さん)、「府民いじめの議会ではややりたい放題である。こんなことで憲法・地方自治を守れるのか、知事を代えなくてはいけない。来年2月の大阪府知事選挙でがんばる」(大阪府職労の大園さん)、「小泉首相は、先も見えないのに郵政を民営化しようとしている。国民の声は、民営化に反対するが60%となっている。国民・利用者の立場で郵政事業を守るため奮闘していく」(郵産労本部の能渡さん)などの決意表明がありました。
    財 務 省
大型公共事業ではなく国民本位の予算編成こそ必要だ
 財務省前の要求行動では、主催者を代表して堀口副議長(国公労連委員長)が、「たびかさなる定員削減で、公務の職場は繁忙を極めている。自ら命を絶つ人が後をたたない。人を減らしたうえ、まともに残業手当も払わない。財務省は、安心して業務に専念できる予算を確立せよ」と怒りを込めてあいさつしました。
 闘争報告では、公務労組連絡会の岸田幹事(賃金・労働条件専門委員長)が、「政府が明らかにした年金改悪は絶対認められない。アメリカの戦費を負担し、大型公共事業を続け、暮らしに冷淡な政治からの転換が求められている。国民本位の予算査定と労働条件予算の確保を求める」として、年末の政府予算案確定にむけた運動の重要性を強調しました。
 その後、4名の代表が決意表明し、「三位一体の改革で、府県は1兆円の財源が減り、得をするのは東京都だけだ。福祉を削り職員に犠牲を押しつけるものだ。財政破綻は、大企業本位の無駄な公共事業こそ原因だ」(自治労連の田中副委員長)、「三位一体改革の最大のターゲットは、義務教育の国庫負担制度の改悪だ。今こそ、国の責任で30人学級を実現すべきだ」(全教の新堰副委員長)、「裁判に時間がかかるのは、裁判官が少ないのと職員が足りないからだ。このまま裁判を早くしろといっても、ただ早く終わるだけだ」(全司法中国地連の難波さん)、「労働行政の現場では、サービス残業を規制する職場でサービス残業が行われている。財務省の責任は大きい」(全労働の高木副委員長)など、国民本位の予算の実現、労働条件改善にむけた予算確立を求める発言がつづきました。
労働基本権回復は「ヒューマンな要求」だ
- 民主的公務員制度の実現へ、決起集会で決意固め合う -
 3か所での要求行動を終えた参加者は、ふたたび日比谷野外音楽堂に集まり、14時30分から、全労連「公務員制度改革」闘争本部・公務労組連絡会の共催による「労働基本権回復、民主的公務員制度確立11・19総決起集会」を開きました。
 主催者を代表して石元議長は、「賃金闘争では、この間、官民共同のたたかいをひろげてきたが、そのことを握ってはなさず、来春闘へとつなげることが重要だ。公務員制度では、関連法案の国会提出を断念したように、政府は追い込まれている。国民世論と結んで、要求実現にむけた展望をきりひらこう」とあいさつしました。
 激励・連帯あいさつでは、「ILOアピール運動」での賛同者の一人でもある自由法曹団団長の坂本修弁護士が、「労働基本権回復を求めるみなさん要求は、大義ある要求だ。人間らしく生きる権利を求めるたたかいの後ろには、広範な国民がいる。ヒューマンな要求であり、心を揺さぶり共感を呼ぶものであることに確信を持って運動を大きくひろげてもらいたい」とエールを贈りました。
 全労連「公務員制度改革」闘争本部の坂内本部長(全労連事務局長)が闘争報告をおこない、これまでの運動の到達点をふまえつつ、賃金引き上げなどの課題とも結びつけ、すべての労働者との共同をひろげる重要性がのべられました。
 その後、5人の各単産・地域の代表が発言しました。「大阪・愛知などで民間組合との『連判状』のとりくみがひろがった。たたかいによって『賃下げ遡及』をしない自治体も昨年より増えている。地方独立行政法人など公務の市場化、リストラを許さず、小泉改革を打ち破る国民的な共同へ力を尽くす」(自治労連・川俣副委員長)、「教え子の自衛隊員がイラクに派遣されるという話も聞いた。署名運動などで、イラク派兵はきっぱり中止させるたたかいに全力あげる。義務教育国庫負担金の削減、教育基本法の改悪は断じて許さない」(全教・東森書記長)、「政府は、体制を強化して公務員制度関連法案の国会提出をねらっていおり、ヤマ場となる通常国会で奮闘する。『不利益遡及』の違法性を問う『権利裁判』では、ビラ宣伝や学習活動にとりくんできた。年金改悪を許さないため、闘争本部を立ち上げ、来春闘にむけて全力をあげる」(国公労連・宮垣副委員長)、「民主的公務員制度を求める地方議会請願・陳情が、長野県内69市町村で採択された。採択を勝ち取るには、公務と民間が力をあわせてとりくむ必要がある。『みんなでノーと言えばはね返せる』を合い言葉に奮闘したい」(長野県国公・宮澤事務局長)、「今年1月から毎月1回の行動にとりくんできた。『地域給』問題では、地域連絡会をつくり、共同の運動をすすめ、すでに5回の学習会を開いた。(憲法の前文を読み上げ)こうした社会が実現できるように福岡から運動をひろげたい」(福岡県公務共闘・仙道事務局長)など、職場や地域での豊かな経験をふまえた決意表明がありました。
 最後に、堀口副議長が、「医療・年金を改悪し、増税をせまる小泉内閣には、国民の安心、安全を語る資格はない。イラクへの自衛隊派兵がねらわれているが、国民を戦争にかり出す公務労働者になってはならない。世直しと平和を守る戦士として大いに奮闘しよう」と閉会あいさつをのべ、最後に、団結ガンバロウで集会をしめくくりました。
 その後、参加者は、今日から特別国会が開会された国会議事堂にむけた請願デモに元気よく出発しました。
以 上