No.370
2002年12月4日
公務労組連絡会FAXニュース
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 ILO勧告に従った改革を要求
行革大臣に要求書提出〜大綱を白紙撤回し、労使協議つくせ
 公務労組連絡会は、12月4日、政府・行革推進事務局に対して「民主的公務員制度の確立を求める要求書」(別紙)を提出し、「公務員制度改革大綱」の撤回と労働基本権の回復を柱とした民主的公務員制度の確立を、改めて強く求めました。これは、ILO結社の自由委員会が、11月21日、日本政府に対し、現在推し進められている公務員制度改革の「再考」を促すとともに、労働組合など関係者と「全面的で率直かつ意議のある交渉・協議」を速やかに行うよう勧告したことに基づいて行われたものです。
 交渉には、公務労組連絡会から松村副議長、若井副議長、浜島事務局長、高坂事務局次長、松本幹事、国公労連から山谷中央執行委員が参加、行革推進事務局側は、吉牟田企画官ほかが対応しました。
 勧告を精査しILOに理解をもとめていく(行革推進事務局)
 ILO加盟国として遵守するのが当然だ(交渉団)
 冒頭、松村副議長から「今、公務員制度改革をめぐる状況に大きな変化が生まれている。ILOは日本政府に対し、中間報告ではあるが、政府・推進事務局の検討のすすめ方のみならずその内容を含めて、ILO条約違反であると勧告した。国内のマスコミが密室での改革論議はおかしいと指摘しているように、国民的な批判も受けている。ILO勧告に対して石原行革担当大臣や総務省は『承伏し難い』との見解を示したが、これは極めて遺憾なことであるし、誠実な態度とは言いかねる。いったん作業を中断のうえ大綱を白紙撤回し、公務員制度について根本的に考え直すことを求め、本日、要求書を手交する。」との主張がありました。
 これに対し、推進事務局の吉牟田企画官は「ILOは歴史のある国際機関ではあるが、今回の勧告内容は従前には見られなかったものであり、その点で過去の勧告と整合しない部分がある。今回は中間報告ということであるし、日本政府としても説明不足だったところもあると思うので、今後さらに政府の立場や考え方を説明をしていきたいと考えている。組合との交渉・協議については、公務員制度改革をすすめるに当たって非常に大切なものと考えており、引き続き議論をしていきたいと考えている。」と回答しました。
 公務労組側が「それは、ILOが日本の公務員制度問題についてきちんと理解していないとする総務省見解と同じ趣旨か。」と追及すると、「我が国の公務員制度問題やそれに関する労使の交渉・協議がどのようにすすんでいるかという点についてきちんと理解しているのかが必ずしもクリアではない、という点で、推進事務局と総務省で一致した認識を持っているということだ。」と回答し、国際機関から指摘を受けたことをまるで意に介しない態度に終始しました。
公務労組側は「今回の公務員制度改革では、日本が直面している困難な状況に立ち向かう、柔軟で国際的感覚を持った公務員をつくるということも目的だったはずだ。それを指揮する推進事務局が『あれは説明不足だった。』では、そもそもの目的と矛盾するのではないか。厳しい勧告が出されたことを厳粛に受け止め、いったん大綱を白紙撤回し、そのうえできちんとした労使協議を行って、ILOの最終勧告をうけるのが常識だ。何故批判を受けているのかすら考えないのは謙虚さに欠けると言わざるを得ないし、今回の回答もとても納得できるようなものになっていない。この要求書に対し、改めて、もっと高いレベルでの回答を求める。」と主張し、交渉を終えました。
以 上