No.368
2002年12月3日
公務労組連絡会FAXニュース
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引き下げ案を近日中に提示
= 退職手当削減問題で総務省と交渉 =
 秋季年末闘争の「第3次中央行動」を翌日にひかえた12月3日、公務労組連絡会は、退職手当の見直し問題で総務省と交渉しました。
 交渉では、10月に提出した「要求書」にもとづき、民間実態調査による手当切り下げをやめるよう繰り返して求めるとともに、現段階での総務省としての検討状況をただしました。
 総務省側は、「年内にも方針決定する」とし、12月中旬にも引き下げ案を提示することを明らかにしました。こうした回答もふまえ、現在とりくんでいる「退職手当削減反対署名」の集約を急ぐことが求められます。
●国民の理解へ「民間均衡」が基本(総務省)
 総務省との交渉には、公務労組連絡会からは、浜島事務局長、高坂・黒田両事務局次長、横山賃金専門委員(国公労連)が参加、総務省は、人事・恩給局の柿原参事官補佐、宮島参事官補佐ほかが対応しました。
 浜島事務局長は、「10月15日に要求書を提出し、その際にも退職手当の引き下げに反対であることを明らかにしてきた。職場からは怒りの声があがっており、要求署名のとりくみもすすめている。今後とも、十分な協議を求めるが、現段階での検討状況について聞かせてもらいたい」とただしました。
 柿原参事官補佐は、「9月20日に民間実態調査の結果を公表し、27日に退職手当の見直し方針が閣議決定された。それにそって現在作業をすすめているところだ。年内には引き下げの考え方をまとめることとし、12月中旬にはみなさんに提示したい。職員には大きな影響が出ることからも、幅広い声を聞く。労働組合からも十分に意見をうかがう。ただし、民間の実態、国民の声や経済状況など、きびしい情勢にあることにも理解をいただきたい」と回答しました。
 これに対して、浜島事務局長は、「公務員の退職手当は、民間の退職金と違っている部分もある。たとえば企業年金などの制度は公務には存在しない。大手銀行で大幅な退職金削減の動きもあるが、それに公務を合わせることにどれほどの理屈があるのか。また、公務員の手当削減となれば、社会的影響も大きい」と追及しました。
 柿原参事官補佐は、「国民の理解が重要であり、そのためには民間との均衡が基本だ。退職手当の性格が違うとしても、水準が民間とかけ離れては理解が得られない。また、民間の企業年金については、公務の退職手当に相当するものは、調査結果に反映するよう実態調査したつもりだ。公務員の退職手当が高いという客観的な結果が出ている以上、民間と均衡をとって、行政の信頼を確保することがのぞましいと考えている」と、「公務員の退職手当削減は国民全体の声だ」と言わんばかりの回答を繰り返しました。
反対署名の集約いそぎ手当削減の阻止へ
 交渉参加者からは、「9月下旬に民間調査の結果を公表してから、すでにまるまる2か月が経過したが、いっこうに具体的な内容が明らかにされていない。いくら労働組合の意見を聞くと言っても、そちらの回答が白紙であれば、意見を言いようがない。それで、あと数日後にいきなり引き下げ案を提示するとなれば、十分に交渉・協議を尽くしていると言えるのか」「地方公務員は総務省の方針決定を受けてから具体的な作業に入り、自治体との交渉がはじまる。2月議会にも間に合わなければ4月実施は見送るしか道はなくなる」などと指摘し、民間実態調査の結果を金科玉条にして削減を強行する総務省の姿勢をきびしく追及しました。
 柿原参事官補佐は、「現段階では、具体的な内容は示すことはできない」としつつも、「一つの考え方として、昭和56年におこなった手当の改定内容と、当時の民間実態調査の結果との相関関係が参考になる」とのべ、また、地方公務員の退職手当については、「基本的には各自治体で決めるものであるが、自治行政局と緊密に連携をとって作業をすすめたい」と回答しました。
 総務省当局が、12月中旬にも「引き下げ案」を提示するとしていることからも、現在、職場からとりくみをすすめている「退職手当の引き下げに反対する要請署名」の集約を急ぎながら、一方的な手当削減を許さないたたかいを急速に盛り上げていくことが求められています。 
以 上